駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

介護医療を支える人達

2015年03月07日 | 医療

                   

 先進医療には光が当たりニュースになりやすいが、老人介護医療を支える人達にも光は届いているだろうか?。折しも介護保険料が引き下げられた。予算不足でやむを得ないという政治家は何と言ってきただろうか、厳しい現実をその場限りの言葉でまやかす政治家を淘汰していかねば、黙々と働く人達の肩に荷が食い込むばかりだ。

 Y子さんが亡くなった。末期癌だったのだがご家族の決断で自宅に戻られていた。訪問看護師のNさんが終わりの報告をくれた。

 「Y様の訪問に関して、数々のご指導ありがとうございました。最期まで痛みの苦痛はなく安らかに旅立ってくれて、自宅に戻ってきてよかったとご家族が言われておりました。 又、何度も先生に足を運んで戴いた事も大変感謝されておりました。今後ともご指導よろしくお願いいたします」。

 誠に有り難い言葉だ。私のしたことなどご家族や訪問看護師の人達に遠く及ばない。往診といっても七、八分居るだけだし、清拭をするわけでも下の世話をするわけでもない。ご主人は物を言えなくなったY子さんにも、「Y子」と呼びかけ、最後まで隣で寝ておられた。

 地道に生きておられる方達は光が当たることを望んでおられないかも知れない。しかし、しゃしゃり出る人達や不善を為す人達ばかりに注目するメディアとそれに目を奪われる人達に気付いて戴きたいこともある。厳しい現実から目をそむけず、自ら考え、手を出して支えあわなければ、潰れてしまう。

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