駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

増える孤死

2015年09月28日 | 世の中

           

 孤独死や孤立死が増えている。孤独や孤立にはあまり良い意味が込められていないと感じるので孤死としたいのだが、この弧死が二十年で倍くらいに増えたと実感している。以前は一、二年に一件くらい警察から自宅で亡くなっているのが見つかり、当院の診察券があると問い合わせがあった。この頃は年に一、ニ件は問い合わせがある。

 死ぬと言うことは最も個人的なことで、他人にあれこれ言われる筋合いのものではないが、しばしば何日も経ってから見つかり、警察の世話になるという点では、ほっといてくれ私の好きにさせてくれとちょっと違うかも知れない。

 どうしてこうなるかというと、生涯独り身だったからという場合も多い。そして圧倒的に男性が多い。余計なお世話とは思うが、最近とみに増えた独り身の人を診察すると何とかならないものかねと思ってしまう。残念ながら男も女も四十近くなると、他人と暮らすことが難しい体質になっていくのがわかる。恋は盲目というのは結婚に欠かせない勢いを作り出すもので、さもなければ結婚は難しい。露骨ではあるがさかりが付くというか番茶も出花ということが結婚には欠かせないと観察している。

 今の世の中はそうした弾みをなくしていると思う。それが一番の少子高齢化の原因だろう。若者の収入を増やせば良いというだけの単純な問題ではなさそうに思う。それこそ、おばさんにも知恵を絞ってほしい。

コメント (2)
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