駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

どういうことかね

2015年10月16日 | 診療

              

 もう四半世紀、地元で診療しているのでまっさらの新患(初めて私の医院を受診する患者)は少なくなった。その代わり普段は他院で 診て貰っているのに私の所へ熱が出た息切れがするとやってくる患者さんが増えた。どうして今薬を貰っている医院で診て貰わないのかと聞くと、そこは薬を貰っているだけだからと不思議な返事をされる患者さんが多い。

 医師から見れば高血圧や脂質異常症は全身管理を伴う疾患で、そうした疾患を診ている以上当然発熱や息切れにも対処するはずだと思う。調子の悪い時だけ、診てくれと言われるのはとてもやりにくい。まあ、風邪ぐらいなら問題はないが、胆嚢炎腎盂炎肺炎などだと腰を据えて慎重に診なければならないし、場合により入院も視野に入れなければならない。全体を流れの中で診ることが欠かせない病態なのだ。おまけに主治医には黙って私の所に来ているわけで、投薬の変更などもしにくくとても困る。

 当座の対応をして、掛かり付け医に戻るようにお話することも多い。結構戸惑われたり、戻るのに抵抗する患者さんが居られる。中にはついで?にこちらに移りたいという方まで居られる。どうしたいきさつでそこの医院に掛かり始められたのかは知らないが、医師に対する気兼ねがありそうに思えることもしばしばだ。

 私は来る者は拒まず去る者は追わずでやっているので、患者さんが移られるのには全く抵抗を感じない。大きな声では言えないが大歓迎の事もある。まあ、それがどの程度患者さんに伝わっているか分からないが、喜んで他院に紹介状を書かせて貰っているつもりだ。

 患者さんには医者は別に偉いわけではない、物が言いやすい、相性が良い医者を見つける事だ大切だと申し上げたい。勿論、患者さんも偉いわけではなく、我が儘な人は歓迎していません。

コメント (2)
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