今年は秋が早いようだ。迂闊なことを言うと天邪鬼のお天気神様が方針を変えると困るので、めっきり涼しくなったという感想に留めておこう。
今年の秋は変化の秋になりそうだなという予感がする。相変わらずの太平洋を挟んだ不穏な奇妙な睨み合い。国内の政治情勢も流動的だ。安倍首相も奔放昭恵夫人の天然に端を発した忖度不祥事で毒を抜かれたか、迫力がなくなった。
先日「いざなぎ景気を抜く」などという見出しを見かけたが、えー今まで景気が良かったのかと驚いた。もしそうだとしたら、景気に陰りが出たら一体どうなるのだろうと不安になる。確かに医業は何とかこの十五年横ばいでやってきたが、一年ほど前から不気味な滞りを感じている。近隣に新しい医院が出来た影響もあるようだが、税理士に患者数が5、6%減っただけでなく、患者一人当たりの平均単価が他院よりも5,60点低いと指摘された。元々低かったのが、ここにきて更に落ち込んでいるようだ。
医師が年を取ると患者数が漸減し検査をしなくなると言われる。いよいよ自分にもその症状が現れてきたのだろうか?。今までは複数の医療機関に掛かっている患者さんは他院で検査をすれば、その結果を貰ってくるように指示して、当院の結果は省いていた。両方で検査をすれば採血も痛いし懐も痛む。たかだか慢性胃炎で小一時間の道程を通わせてごそっと検査をするK先生、同業者としてはどんなもんかなあと思うが、教祖的なオーラがあるので患者さんは疑問を持たれないようだ。自分も初心に立ち返って大体で様子を見ないで、もう少し検査をしたものだろうかと思ったりしている。
経営的には縮小均衡を図れば健全優良経営となると思われるが、人間を減らすのは容易ではない。景気に左右されない業界と言われるが、それは比較的のことで医業にも事業の側面があり、秋風に思案投げ首だ。