今朝は激しい雨風で遠く雷鳴も聞こえた。雨はあんまり好きではないが、時に雨は記憶を呼び覚ましふと窓外を眺めさせる。小学校の高学年だったと思う、二階から梅雨明けの大雨が近くの田んぼに降り落ちるのを父と二人で無言で眺めていたことがあった。青山の喫茶店、五十年前には喫茶店が数えきれないくらいあった、道路に面した席から舗道にしとしとと雨が落ちるのを薄暗くなるまで見ていたことがあった。何があったか、爺いには他愛もないことでも二十歳には気を塞ぐことでもあったのだろう。
現実に戻れば雨で寝過ごしたが、患者さんの出足も悪く、慌てることもなかった。