駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

人生の二人ずれ

2018年08月18日 | 人生

  

 ニューヨーク パリ ロンドンの片隅で開業医をしていたらどんなもんだろう。日本の中規模都市の下町の街はずれ、その駅前で開業しているのとは違う風景が見えるだろうか?。

 時代は動き、天候までも変わり、七十過ぎでも現役が増え、八十過ぎても半ばまでは元気な人が増えた。どのような巡りあわせか五十過ぎての独り暮らしが多い。意外に多いのが夫婦でない二人暮らしだ。親子では母と息子、母と娘が多い。父と息子や父と娘も居るが少ない。兄弟姉妹での同性同士は少ないようで姉と弟が多い。兄と妹は少ない。少数だが男同士女同士も居られるようだが、こちらから聞くことはないので確かなことは分からない。

 独り暮らしは診療上必要な情報なのでそれとなく確かめるのだが、なぜとは聞けないのでずーっと独りなのか一人になったかは分からないこともある。中都市でこれだけ独り暮らしが多いのだから大都会となればもっと多いだろう。独り暮らしでも何日も会話のない人から家族のような友人知人ご近所に囲まれて、話し相手のある人までさまざまのようだ。中で医院に来て受付の女の子とひとしきり話をしてゆくのを楽しみにしている高齢者一人暮らしの方は多い。

 それで妙なことを思い付いた。訪問看護ステーションやデイケアを併設している医院があるが、その代わりに軽食もある和風喫茶を併設したらどうだろう。寡聞にしてそういう医院は聞いたことがないが、面白そうな気もする。唯、そうしたことを考える医者も居るはずだが、実際には見かけないということはいろいろ難しい問題もあるのかもしれない。

 取り敢えずお茶を出すのは難しいので、飲水はできるように冷却温水の用意はしてある。何かの足しにはなっているだろう。おそらく、ニューヨーク パリ ロンドンの診療所にも一人暮らしの患者さんは多いと思うが、コーヒーが置いてあったり受付嬢が居て立ち話が出来るのだろうか?。

コメント
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