後期高齢者になると、半分とは言わないが頭の中に居る人達の三分の一か四分一の人と幽明境を異にしている。友人も五人に一人はもう会うことはかなわない世界に行ってしまった。会うことはできなくても居なくなったのとは違い、教授ならどうしただろうあいつなら何と言うだろうなどと、知らないうちに考えている。歴史は過去との会話だと言うが、記憶の中の人達は歴史とは違い自分の人生の一部で脚色も忖度もなく記憶の中に生きている。
知人友人とは違い直にあったことのない映像や活字で親しんだ人も、故人が増えたけれども自分の人生の一部と感じる。マスコミはどこか浅薄で今しか見ない傾向があるが、世界はそんな薄っぺらいものではなく、祖父母父母に聞いた話から子供のころ読んだトムソーヤの冒険や牛追いの冬・・まで奥行きのある広いものだと思う。