地獄というと大袈裟だが、相変わらず暗証番号とパスワードに悩まされている。
一時期パスワードを十個ぐらいに整理したのだが、半年くらいするとパスワードを変えろと指示が出てくるため、結局覚えきれないものが出てきてしまう。暗証番号も六七個用意しているが、一年使わないと否半年使わないと忘れてしまいどれだったかなと立ち往生することになる。おまけに三回間違えると使えなくなります、再登録の手続きが必要ですなどと脅しが出てくるので、焦って余計に間違えてしまう。
中には携帯に四桁の番号を送ってくるシステムや三十秒ごとに変わる6桁の番号を送らせるものもある。つまり二重三重に関門を設けて、悪用を防ごうとしているわけだ。そうすると正真正銘の本人も躓いてしまう。
虹彩認証や顔面認証を採用してもらうと助かるのだが、意外にそうした認証システムを採用している機関は少ない。
えーっとなんだっけと立ち往生させられて、俺だよ俺と怒りたくなる。そう言えば、遠い昔幼友達だった後藤君は「こんにちわ」と遊びに来て、母にどなたですかと聞かれ、「僕です」と答えていたな。