「無罪に医師は安堵、遺族は涙」。どうしてこんな見出しを付けるのか。
医師は安堵なんかしていまい。若い命が失われた時から、力及ばず無念で、申し訳ないと感じていると思う。落ち度が無くても、若い命が失われれば、執刀医はつらいはずだ。
何人も働き盛りの患者さんを看取ってきた。助けようがない病態でも、遺族にお礼を言われても、自分が力不足に感じられ申し訳ない気持ちがするものだ。こうした私の経験から推し量った。
若い命が突然失われた理不尽に怒りが込み上げるのは痛いほどわかる。良いこととは思わないが、誰かを一時的に恨みたくなるのも遺族によってはやむを得ないかもしれない。
重症患者を診る医師は不幸な転帰となった患者さんの家族から恨みがましいことを云われた経験があるはずだ。そうした時、誰かを恨みたい気持ちを汲んで黙してきたと思う。しかし、刑事責任を訴えるとなれば別のことだ。一体どのような犯罪があったというのか。たとえ無罪になったとしても結果が思わしくないからと刑事責任を問われれば人間として医師として傷つき失うものは大きい。リスクの大きい患者さんや無理な要求をされる患者さんを避けるようになるのは当然だろう。リスクのある患者さんの多い診療科は敬遠される事態になる。いや、もう既にそうなってきている。
「遺族は涙」。まるで恨みを晴らせぬ悔し涙と云わんばかりでないか。私ごときが忖度することではないかもしれないが、いかんともしがたい悲しさの涙だったかもしれない。
この見出しからは何も生まれない。報道の見出しから、率直にに感じたことを書いた。
私が医師だから医師寄りの感想に受け取られるかもしれない。そうしたつもりないが、それは読んだ人に判断して貰いたい。
医師は安堵なんかしていまい。若い命が失われた時から、力及ばず無念で、申し訳ないと感じていると思う。落ち度が無くても、若い命が失われれば、執刀医はつらいはずだ。
何人も働き盛りの患者さんを看取ってきた。助けようがない病態でも、遺族にお礼を言われても、自分が力不足に感じられ申し訳ない気持ちがするものだ。こうした私の経験から推し量った。
若い命が突然失われた理不尽に怒りが込み上げるのは痛いほどわかる。良いこととは思わないが、誰かを一時的に恨みたくなるのも遺族によってはやむを得ないかもしれない。
重症患者を診る医師は不幸な転帰となった患者さんの家族から恨みがましいことを云われた経験があるはずだ。そうした時、誰かを恨みたい気持ちを汲んで黙してきたと思う。しかし、刑事責任を訴えるとなれば別のことだ。一体どのような犯罪があったというのか。たとえ無罪になったとしても結果が思わしくないからと刑事責任を問われれば人間として医師として傷つき失うものは大きい。リスクの大きい患者さんや無理な要求をされる患者さんを避けるようになるのは当然だろう。リスクのある患者さんの多い診療科は敬遠される事態になる。いや、もう既にそうなってきている。
「遺族は涙」。まるで恨みを晴らせぬ悔し涙と云わんばかりでないか。私ごときが忖度することではないかもしれないが、いかんともしがたい悲しさの涙だったかもしれない。
この見出しからは何も生まれない。報道の見出しから、率直にに感じたことを書いた。
私が医師だから医師寄りの感想に受け取られるかもしれない。そうしたつもりないが、それは読んだ人に判断して貰いたい。
ちょっと過分な期待をいただいておりますが、これからも診察室から発信します。