連休も終わり、毎日毎日患者さんを診る日が戻ってきた。天候や連休などの関係か、忙しさは相手任せで一定しない。小児科や専門性を打ち出している医院では予約性にして受診患者数の平均化を図っているようだが、当院は昔ながらの町医者スタイルで広く浅く内科一般を診療するので高齢者が多く、予約制は無理と諦めている。希だが、祭日に「何で今日は休みだ」。という電話が掛かってくる位だから、予約なんかにしたら受付が爺さん婆さんの問い合わせで困るだろう。
70%が定期的に通院されている高血圧糖尿病高脂血症などの慢性疾患の患者さんだ。残りは再来初診で年に一二回体調を崩されて受診される患者さん、全く初めての患者さんは日に二三人で多くはない。それでも、もう二万人以上の患者さんを診てきたから、相当な数になる。
去る者は追わず来る者は拒まずを医院の方針にしている。そのせいではないと思うが定期的に受診されている患者さんも年に数%抜けて行く。他院へ行かれたか自己判断で通院を止めたか、あるいは何か急変で総合病院へ行かれたか、理由は様々だろう。
何年も診ていると自然に世間話をするようになる。Fさんは五十代痩身のおばさんだ。町中のビジネスホテルの受付をされている。景気が悪く宿泊客が減り、首にならないかとビクビクしていると言う。ホテルの人はよく客の顔を覚えているような気がしたので、「どうやって顔を覚えるの」と聞いたら「私、駄目なの」。と言う。「鍵を渡す時はいろいろ聞いて、確かめてるわ」。なるほど、それじゃ、ちょっと心配だなあと思ったが、口には出さない。「いろんな人が来ますよ。先生もそうでしょうけど」。「そうねえ、困ることもありますよ」。「まあ、いい人は百人に一人ね」。えっと内心驚いたが「患者さんはそんなことはありませんよ」と答えていた。いい人は百人に一人か、ビジネスホテルの受付も大変そうだなあ。
70%が定期的に通院されている高血圧糖尿病高脂血症などの慢性疾患の患者さんだ。残りは再来初診で年に一二回体調を崩されて受診される患者さん、全く初めての患者さんは日に二三人で多くはない。それでも、もう二万人以上の患者さんを診てきたから、相当な数になる。
去る者は追わず来る者は拒まずを医院の方針にしている。そのせいではないと思うが定期的に受診されている患者さんも年に数%抜けて行く。他院へ行かれたか自己判断で通院を止めたか、あるいは何か急変で総合病院へ行かれたか、理由は様々だろう。
何年も診ていると自然に世間話をするようになる。Fさんは五十代痩身のおばさんだ。町中のビジネスホテルの受付をされている。景気が悪く宿泊客が減り、首にならないかとビクビクしていると言う。ホテルの人はよく客の顔を覚えているような気がしたので、「どうやって顔を覚えるの」と聞いたら「私、駄目なの」。と言う。「鍵を渡す時はいろいろ聞いて、確かめてるわ」。なるほど、それじゃ、ちょっと心配だなあと思ったが、口には出さない。「いろんな人が来ますよ。先生もそうでしょうけど」。「そうねえ、困ることもありますよ」。「まあ、いい人は百人に一人ね」。えっと内心驚いたが「患者さんはそんなことはありませんよ」と答えていた。いい人は百人に一人か、ビジネスホテルの受付も大変そうだなあ。