駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

香港インフルエンス

2019年11月25日 | 世界

        


 香港の区議選で民主派が圧勝した。凄いことだ。香港は廃墟になると予想していたのだが、これで自主を維持する一縷の望みも出てきた。殆ど地球の反対側の遠隔地なのだがBBCもCNNも頻繁に報道し世界が香港の動静に注目している。

 習近平がどう出るか、彼に名案があるだろうか?。管理し飼いならした巨大な中国が香港のインフルエンザならぬインフルエンスで、熱発して体調不良になる恐れもある。取引き第一のトランプなので、習近平を不快にさせる上下院の香港の扱い非難の決議への署名に逡巡しているが、今回の区議選の結果で署名に踏み切るだろうか。

 損得存続最優先の政権が目立ってきた世界で、香港の動きは新鮮で勇気あるものに見える。そうはいっても窮鼠に噛まれた猫が虎になって猛威を振るう恐れが大きい。日本は果たしてこれを対岸の火事と見ていられるだろうか?。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ワインの深奥

2019年11月24日 | 旨い物

             


 アルコールには強くなく、外で時々飲む程度だ。それでもワイン会なるものに入れて貰い、二ヶ月に一度ばかりこれはピノだね、一寸まだ若い、ブルゴーニュは難しいなどの講釈を聞きながらお相伴をしている。どうしてワインはこれほど微細な議論の対象になっているのだろう。フランスの食文化が深く関わっていると思われるが、今では世界中でワインが生産され世界中にワイン通がわんさかと居て、あれこれ言いながら飲まれている。日本酒も昔から辛口甘口吟醸大吟醸お燗冷酒・・・などが有り、全国に千を超す蔵元があるが、ワイン程には細かい議論はないように思う。勿論、利き酒という言葉がある位だから日本酒好きの人の間では相当の品評があるのだろう。唯、ワインほどには年代土地品種気候・・などの複雑な絡みはなさそうだ。これには異論もありそうだが、口から入る飲食物でワインほど講釈の対象になるものはないのではないか。何と言ってもソムリエという職業があって、ソムリエのコンクールまである位だから。

 ワイン大好き蘊蓄の塊の同業者が何人か居て、一生掛かっても飲めない量のワインを特大のクーラーの中に貯蔵している。そして、その優秀な頭脳にしこたまワインの知識を貯め込んでいる。病膏肓に入ったと見ていたのだが、その内の一人に先日会ったら、何があったかワイン止めましたというので驚いた。ええっとびっくりしたが、世の中色々の事情があるので、なぜとは聞かなかった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

船出に立ち会う

2019年11月23日 | 

         


 今朝は雨が上がり気持ちの良い秋晴れで、気持ちも穏やかだ。街のあちこちに空き地が増え、人口減少の影響を直接感ずるが、中には新しい街作りを目指して飲食店や小さい芝居小屋のようなものを招いてどことなく活気を見せる界隈もある。有能果敢なプランナーが居るようで、贔屓にして繁盛していたイタリアンも店をちょっと大きくしてそこへ移転するという。街には相乗効果というものがあって、良い店が集まると1+1+1が3ではなく5の賑わいが出てくるものだ。

 移転先は小と言えども一軒家で、今の店の倍くらいの広さがある。あと二週間くらいで移転オープンなので、どんな店なのかなあと先日帰り道午後八時頃、ちょっと遠回りして前を通ったら、シェフがポツネンと一人客席に座って考え事をしていた。新しいメニューでも考えていたのだろうか。覗いている私に気付き、近づいてくるとドアを開け見ていって下さいと言う。新築なので靴を脱いで新しい木の香りがする店内を一回り見せて貰った。個室が二つあるがやや小さく、シェフもちょっと小さいんですがとこれで良かったのかなという迷いを見せていた。確かにもう少し大きい部屋が一つあっても良いように感じがしたが余計なことと黙っていた。

 「ちょっとは休まないと、働き過ぎだよ」と声を掛けると「若いですから」と破顔一笑、開店一週間後の夕食の予約をして別れた。女性客にはちょっと不便な場所だが、必ず繁盛すると思う。何がどうしてというのは説明が難しいが、彼には何かがあるのだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

旅行は三度美味しい

2019年11月22日 | 

            


 雨のせいか少し寒さが和らいだ。特別旅行好きとは思っていないが、海外と国内を年に一度旅行する。長くは休めないので今までは国外は四泊五日、国内は二泊三日が多い。どうしても連休利用なので諸経費は割高で込み合うことが多いが、現役で働いていたのでやむを得なかった。来年から院長を交代するので多少旅行に行きやすくなるとは思うが、南米やアフリカまではまだまだ難しそうだ。そんなことを言っていると行く体力がなくなりそうだが、無理して行きたいと思わなくなった。それだけ心も年を取り始めているようだ。昔、研修に来たA君は七泊八日の夏休みにバッグ一つでイグアスの滝まで行ってきましたと写真を送ってくれた、若い力だ。

 比較的近い東南アジア、ロシアには行ってみたいが、なんだか世界全体が不穏で安全かなあと思ってしまう。それに英語しかできないからツアーの方が良いかなとも思うのだが、二度のツアー旅行経験ではもう一つしっくりこなかった。旅行は我儘行き当たりばったりが面白いのだ。国内もまだ行っていないところが多く、ブラタモリを参考にしようと思っている。勿論、タモリのように優遇優先でポイントを押さえることはできないので、町の風情や歴史を手掛かりにしている。来夏は愛媛高知山形秋田などを考えているが、どんなもんだろう。

 旅行というのは不思議なもので思い出すと日常の十倍以上記憶に残こる。思い出の人生に与える潤いは若い人にはわかりにくいだろうが、年寄りには心の栄養でBSやネット販売のサプリメントの何倍もボケ防止になる気がしている。一粒で二度おいしい以上に、旅行は計画から思い出まで三度は美味しいのではと思う。 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

勤労感謝の日が来る

2019年11月21日 | 身辺記

      


 体調は八分通り戻った。今朝は駅まで歩いたのだが、そこそこ寒く十一月も後半だなと思ったことだ。勤労感謝の日が来る。ブラタモリでなまはげに襲われ逃げ惑う林田さんが「働いています。許してください」と殆ど泣き声で謝っていた。

 勤労感謝というのは言い得て妙で、素朴に納得しているのだが、仕事がある有難さというのを人はどのように感じているだろう。私も小とはいえ、自営業の社長で最初五人から始まり今は10人と雇用を生み出している。組織がいつも円滑に回るとは限らない。当院はうまく回転している方だとは思うが、時々軋みや衝突がある。当院のトラブルは仕事内容や給与に関してではなく、人間関係が殆どで、院長としては妙薬がなく解決は中々難しく時に大きなストレスになる。何度か書いたことがあるが、背景に看護師不足があって、最悪の自主退職の場合おいそれと補充が出来ないからだ。

 看護師の悪口のようになってしまうが彼女たちは仕事がある有難さが十分に分かっていない。そこへ行くと事務の職員はきちんとした仕事がある有難さが分かっているから?、無茶や我儘を言い出すことは殆ない。

 小なりといえども三十年続く地元で信用を築いた会社(医院)で何人かに勤労を提供し身分を保障できているというのは、秘かな喜びでもあり自信でもある。そうした気持ちがなければ、社長(院長)などやっていられない。

 勤労感謝には働いている人への感謝と同時に、仕事があって勤労できることへの感謝の意味もあるのではと思う。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする