アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

再掲:モミジにメジロが?!

2024-12-22 07:00:00 | みんなの花図鑑
(この記事は2021-12-05の記事の一部修正版です)


<近くの公園>シリーズの最後は <近くの神社>です。




このカエデは イロハモミジ(イロハカエデ)だと思います。



なぜなら、カエデの翼果を見ると…



このように、翼が左右に水平に伸びていますので。




もっとも、同じ個体(株)の上のほうの翼果の翼は カタカナの「ハ」の字のように下がっていますから、総合して判定しないといけないですけど…




カエデは以前カエデ科でしたが、現行のAPG分類体系では ムクロジ科の木です。
そういえば、木肌がムクロジの木と似ているような?
でも、ムクロジの果実は センダンの実のような球形なのに対し、カエデ科の果実は 竹とんぼみたいな翼果ですから、まるで違います。




その翼果をつけたカエデに、メジロが来ていたのです。
メジロは翼果も食べるのでしょうか?



こんな風に 樹に空いた洞(ほら)(樹洞)に、入れ替わり立ち替わり入っては、遊んでい(るように見え)ます (^_-)-☆

gooブログのイケリンさんの記事によると、シジュウカラは カエデの翼果でなく 冬芽を食べているようです。

イケリンさん 「モミジの冬芽を食べるシジュウカラ





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安城デンパークのカイノキ

2024-12-20 07:00:00 | みんなの花図鑑
今年2回目の安城デンパークのカイノキです。

おととし

カイノキ(楷樹)はウルシ科カイノキ属の落葉高木。
この画像は、おととしの11月15日のカイノキです。
安城デンパークにて。


去年

ここからは 同じ場所の去年のカイノキ。
カイノキは現在、日本では非常に少ない木として珍重されています。(大阪大学「「楷の木」の歴史」)
カイノキはイチョウと同様、雌雄別株です。ここ安城デンパークのカイノキ林には何本ものカイノキがあります。
カイノキは実をつけるまでに20年もかかり、それまでは雌雄の区別がまったくつかないそうです。



カイノキ(楷の木)の名前の由来ですが、「直角に枝分かれすることや小葉がきれいに揃っていることから、楷書にちなんで名付けられたとされています。」(深谷市ホームページ「カイノキ」)



「江戸時代まで「楷の木」は日本には存在していませんでした。日本に初めて移入されたのは、大正4年(1915年)でした。当時、農商務省林業試験場の初代場長であった白沢保美博士が中国を訪れ、孔子の墓所から「楷の木」の種を採取し、播種、育苗されました。」(大阪大学「「楷の木」の歴史」)



今年 12月



(孔子の墓から採取された種を播種、育苗されたカイノキは)「その後、日本国内の孔子や儒学にゆかりのある学校(湯島聖堂3本(雄)、足利学校1本、閑谷学校2本(雌)、多久聖廟1本(雄)など)に寄贈されたました。楷の木は、和名で牧野富太郎博士が「孔子木」と命名しましたが、現在では「楷の木」または「楷樹」と呼ばれております。」(同上)





今年の果実は赤色ばかりでナンテンの実のようです。




「「楷の木」は科挙(中国の隋の時代から清の時代までの官僚登用試験)の合格祈願木となり、歴代の文人が自宅に「楷の木」を植えたことから『学問の木』とも言われるようになりました。」(同上)





「風土に合っているためか、閑谷学校(岡山県)の楷の木が最も大樹に育っています。(中略)孔子にちなんで、閑谷学校では、「楷の木」を『学問の木』と呼ぶようになりました。つまり、日本で最初に『学問の木』と呼んだのは閑谷学校が最初です。」(同上)


それより前の年ですと、青や紫色が入って ノブドウのようなんですが。↓
2020-10-22

カイノキの学名 は Pistacia chinensis
日本語でカイノキ属と言ってますが、ナッツのピスタチオと同属の Pistacia(ピスタチア)です。

ところで ピスタチオってどんな樹?
こちら(↓)をどうぞ !(^^)!

ピスタチオ - シリア・アレッポ近郊







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安祥城址公園の紅葉

2024-12-18 07:00:00 | みんなの花図鑑
年賀状も構想がまとまったので、公園へ紅葉を観にいってきました(^^♪

イロハモミジ








ノムラモミジ







オオモミジ?



今回いちばん鮮やかだったのがこのモミジですが、確か種類はオオモミジだったような?





と言いますのも、昔 翼果を調べて 左右に伸びる翼がカタカナの「ハ」の字のような形をしていたからです。
イロハモミジのばあい左右に伸びる翼は「イ」の字のように水平に近いのですが。

イロハモミジなど - カエデ属の花





葉はイロハモミジと似ていますが、葉が大きく、単鋸歯であり、翼果の翼が長いという特徴があります。




ドウダンツツジ















すみません。これは名前が分かりません。クヌギかなぁ??





イチョウ











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サザンカ(山茶花)、チャノキ(茶ノ木)

2024-12-17 07:00:00 | みんなの花図鑑
サザンカ


サザンカは日本の固有種(ツバキも同様)、つまり日本にだけ野生する常緑樹で、本州の山口県、四国、九州、沖縄に分布しています。
ちなみに、サザンカの学名は Camellia sasanqua で、ツバキは Camellia japonica となっています。



サザンカは、漢字では山茶花と書きます。
中国語で「山茶」とは、ツバキ科の木のことで、お茶の木はもちろんサザンカもツバキも葉がお茶のように飲料となることから「山に生える茶の木」の意味で「山茶」と呼んだのでした。
サザンカ茶というものも通販サイトなどで出回っているようです。
「鹿児島、宮崎県地方では古くよりサザンカの新芽を製茶して飲み、香りがよいことから、香袋としています。」(日本薬学会 生薬の花「サザンカ」)

日本固有の植物にも漢字名をつけることが一時期流行ったことがありました。
そのとき、サザンカには 中国でお茶にする木の花の意味で「山茶花」を当てました。「山茶花(さんさか)」が訛って「さんざか」、音位転換して「さざんか」になったと言われています。


チャノキ

サザンカの花は ツバキによく似ているので並べて比較されますが、ツバキ科で お茶にするという点では チャノキの花もよく似ています。



ミツバチやアブが盛んに チャノキの花に集まってきていました。
とくに ミツバチは ひとつの花に顔全体を埋め込んで しばらく身体を動かしません。



「ミツバチは、いくつもの花にもぐっているうちに全身の細かい毛に花粉が付着します。ミツバチは空中を飛びながら、身体に付いた花粉を少しはちみつで湿らせた足でくしけずり、後ろ足にある花粉かごと呼ばれる部分に団子状に丸めて、巣箱に持ち帰っているのです。両方の後ろ足につけた花粉団子は40ミリグラムを超えることもあるので、ミツバチは体重の半分ほどもある荷物を抱えて飛ぶという重労働をしていることになります。」(山田養蜂場「養蜂場だより 体重の半分もある花粉を抱えて飛ぶミツバチ」)



「ミツバチにとって花粉ははちみつとともに大事な食料で、糖分が多いはちみつがすぐにエネルギーに変わる主食に相当するのに対し、花粉はタンパク質、ミネラル、ビタミン類が豊富なおかずということができます。」(同上)



チャノキの学名は Camellia sinensis。属名の「カメリア」はツバキを意味し、種小名の「シネンシス」 はもちろん「支那の、中国の」でしょうね



それにしても ツバキ科のおしべの多いこと!



この画像はちょっとわかりにくいですが、中央に めしべだけの花があります。受粉すると、周囲の花弁とたくさんの雄しべはきれいさっぱり落ちてしまうのです。



再び サザンカ

今度は 白のサザンカです。八重の園芸品種です。



チャノキ同様 雄しべがたくさんあります。ある記事によると、 サザンカのおしべは 60本あるそうです!



サザンカだけでなく「ツバキの仲間は八重化しやすく、雄しべも花弁に変化しやすい形質があるそうです。」(しろうと自然科学者の自然観察日記「サザンカの花。ツバキの仲間は八重化しやすく」)



サザンカの雄しべを撮っていると、おしべの根元がきらきら光っているのに気づきます。
「開花して一定期間が経過した花では、水滴状になった蜜がキラリと光っていて、中には蜜がベチョベチョに吹き出して、流れ出ているものも見られた。
 早速指にとってぺろぺろ舐めてみた。(中略)サザンカの蜜はユリの木の蜜に比べるとやや粘性が強く(水分がいくらか蒸発しているのか?)、実に芳醇な味で、間違いなく上質な蜜であることを確認した。サザンカの花がこれほど豊かな蜜を持っているとは知らなかった。」(樹の散歩道 「サザンカの豊かな蜜は誰のもの?」)



外側に行くほどピンクが濃くなる花弁です。
サザンカもチャノキも ツバキも、受粉すると、無用になった花弁とおしべを脱落させます。
よくご存じのように、ツバキはおしべが合着して筒になっているので 花首から丸ごとぽとりと脱落します。サザンカのほうは 花弁一枚一枚が はらはらと散ってゆきます。






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安城デンパークのメタセコイア

2024-12-16 07:00:00 | みんなの花図鑑
メタセコイア





メタセコイアは 針葉樹としては珍しい落葉樹です。(あとにでてくるラクウショウも同様)









全体として楕円形に見える広がりが一枚の葉です。つまりその中で線状に伸びている部分は大きな葉の中の小葉ということになります。



あとで取り上げるラクウショウもここまでは同じです。落羽松との違いはその葉も枝も対生(枝が同じところから左右に伸びている)しています。対してラクウショウは 交互に伸びています(互生)。











葉や小葉が対生なので整然として見えます。








ラクウショウ




メタセコイアと比較してなんだか雑然として見えるのは葉や枝が互生のためです。



果実は落羽松のほうが目立ちます。




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安城デンパークのカエデたち

2024-12-15 07:00:00 | みんなの花図鑑
12月14日 晴れ
3日立て続けにデンパークに行ったのですが、訪れると、太陽が雲に隠れてしまい、とてもお見せできるような紅葉が撮れませんでした。3日目にしてようやく太陽が顔をだしていてくれました(^^♪

イロハカエデ(鉄砲山)



イロハモミジ(一般に イロハモミジ)は「日本では最もよく見られるカエデ属の種で、紅葉の代表種。」(Wikipedia)




































イロハモミジ '珊瑚閣'



イロハモミジの園芸品種である「サンゴカクモミジ」は、冬に枝が鮮やかな赤色に染まるのが特徴で、「珊瑚紅葉(サンゴモミジ)」や「珊瑚閣紅葉(サンゴカクモミジ)」とも呼ばれます。
葉っぱの色は、新芽の時は赤、新緑は鮮やかな黄緑色、夏は緑色、秋には橙色に紅葉します。(Google AIによる概要より)



イロハモミジ '鬱金'

黄葉するイロハモミジの園芸品種です。













カエデの仲間



秘密の花園奥の林にあったカエデです。近くまで行けませんので、名前は判りませんでした。




ノムラモミジ



ノムラモミジはイロハモミジの園芸品種(オオモミジの変種という説もある)で、江戸時代から庭木として使われ、「ノムラ」は「野村」ではなく「濃紫」を語源とします。(庭木図鑑 植木ペディア「ノムラモミジ」より)






グリセウムカエデ

別名 アカハダメグスリノキ


英語でPaper bark Mapleといい、樹皮が紙のようにはがれるのが特徴。








シナミツバカエデ



学名を Acer henryi といい、葉は3出複葉で よく見るカエデの葉とは大いに違います。










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ポインセチアの 花はどこへ行った?

2024-12-14 07:00:00 | みんなの花図鑑
♪ Where have all the flowers gone, long time passing?
♪ Where have all the flowers gone, long time ago?
♪ Where have all the flowers gone?
♪ Gone to young girls, every one!
(ソングライター: Peter Seeger)



これはいったい何?
これはポインセチアの花です。




えっ、じゃあ、周囲のこの赤い部分は何?花じゃないの?




はい、それは 花ではなく 苞葉といって 葉の変化したものです。




トウダイグサ科の杯状花序といって、カップ(杯)のような器官の中から、雌花・雄花などが産みだされます。
珊瑚のように赤い花糸の先端だけ黄色くなっているのは おしべです(雄花はおしべだけです)。
黄緑色をしたくちびるみたいなのが 蜜腺で この中に蜜が入っています。

⇒【一枚目へ戻って 見てください】蜜腺から蜜が溢れています (^^♪





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あんたダリヤ?!

2024-12-13 07:00:00 | みんなの花図鑑

畑に花径が15cm近くある、中心が雲竜型?のこんな花が何本も咲いていました。




家に帰ってから、撮ってきた画像を スマホの Google Lensアプリで検索してみると・・・


ダリア と言ってきました。
ふーん、こんなダリアもあるんじゃな~~といった感想です。



ネットで「ダリアの咲き方」を画像検索してみると、「カクタス咲き」という咲き方があり、これがよく似ていることを見つけました。カクタス咲きにもバリエーションがあり「ストレートカクタス咲き」「インカーブドカクタス咲き」「セミカクタス咲き」のながついています。

ストレートカクタス咲きは八重咲きで、舌状花の殆どが外側に巻き先端が尖り、基部から真っ直ぐ放射状に花弁が伸びます。
インカーブドカクタス咲きは八重咲きで、舌状花の殆どが外側に巻き先端が尖り、舌状花全体が内側に向かい弧状に湾曲します。
セミカクタス咲きは八重咲きで、舌状花が緩く外側に巻き、通常筒状にならず幅広です。
(BEGINNERS GARDEN「色々なダリアの種類を花形から紹介、主なダリアの種の特徴と育て方の解説」より引用)

舌状花(花弁のように見えるピンクの部分)が外側に巻き筒状になっていてその先端が尖っています。筒は内側に向かい弧状に湾曲しているように見えますから、「インカーブドカクタス咲き」のダリアということでしょうか。
上の記事によると、「インカーブドカクタス咲き」の例として「カルマ サングリア」という種の画像が載っています。




それにしても 奇妙にくねる舌状花の中心部分のこのかたち。



オレンジの筒状花(とうじょうか)の部分は 雌しべが柱頭を展開する時期のようです。



舌状花の一番中心部には こんな渦を巻いているものまでありました! この後どうなるのでしょう (´∀`)





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