アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ムクゲ - アオイ科の花

2023-08-31 14:00:00 | みんなの花図鑑

我が家のムクゲです。撮影は 今朝です !(^^)!




わが家のムクゲは50年前 父が西尾市憩の農園で買ってきたものなのですが、並木になるほど何本もあり、しかも剪定をほとんどしないので今は背丈が3mくらいあります。




花は8月中、樹の上のほうばかり、にぎやかに咲いていたのですが、8月も終わりになってようやく手の届くところの小枝にも花を咲かせるようになりました。




例によって手に取ってシベの観察です。
花の中心から白い雄しべ筒がまっすぐ伸びています。
その胴回りからキノコのような雄しべの花糸と葯が段々に生えていて、葯からは花粉が溢れています。




雄しべ筒の天辺からは めしべが出ていて柱頭を展開しています。
朝の柱頭は花粉をつけていません。




午後になると、柱頭にはたくさん花粉が付いているのが分かります。






八重ムクゲ

八重の花弁は雄しべが花弁化したものと言われています。



といっても雄しべ筒はまだ残っていてその先から雌しべの柱頭が覗いています。



ムクゲは韓国の国花(韓国名:無窮花)ですが、たぶんそれは昔からある一重のムクゲのこと。
このようなちょっと酔芙蓉のような八重咲きを見ると、中国から来たのではないかと思いたくなります。
実際 ムクゲの「原産地は中国やシリア」という話があります。

ムクゲの学名は Hibiscus syriacus で、当初は中東のシリア原産と考えられたようです。
シリアというと灼熱地獄と思われるかもしれませんが、冬は雪が降ります。
アンチレバノン山脈に雪↓

ダマスカス郊外ドゥンマルより(クリックで拡大)



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正午のツユクサ

2023-08-30 14:40:00 | みんなの花図鑑

ツユクサは早朝に花をひらき、昼過ぎには 花を閉じてしまう一日花です。
これは正午前のツユクサの様子です。



ツユクサは3つの受粉チャンスを持ってます。
第1のチャンスはまだつぼみのとき。
第2は開花後、虫に運んでもらった花粉を受粉するとき。
そして第3は昼を過ぎて花が閉じるとき雄しべと雌しべはぜんまいのように自らをカールさせて縮むとき自家受粉します。




正午前のツユクサですが、一番長いおしべとめしべの先が少しカールしだしています。
(ツユクサの雄しべには3種類あり、上の画像で一番左手の黄色いπの字型の雄しべは不稔性でもっぱら虫の餌の役目おしています。
その次が半不稔性のおしべで、つぎがめしべ、いちばん右手が稔性のおしべです)




おしべとめしべが動き出しました、閉幕アクションです。




2本のおしべとめしべはそれぞれ単独に丸くなっていますが、さらに丸くなると全体が寄合い玉のようになり、このとき自家受粉します。




日傘のような花弁も萎んできてシベを覆います。

シベが縮まる様子は NHK for schoolの動画が一番分かりやすいです!(^^)!
NHK ツユクサの受粉のしかた




同じころ、明日?開く予定の花が苞葉に包まれて準備をしています。






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エノコログサ - モフモフの正体

2023-08-29 14:00:00 | みんなの花図鑑

イネ科のエノコログサ(ネコジャラシ)は仔犬の尻尾みたいな可愛い花穂を展開します。




近づいて見ると、粒々(つぶつぶ)から出ている長い毛の所どころに ゴミのようなものが付いているのが分かります。




イネ科は器官の名前が難しくて、とっつきにくいです。
まず後に実になる粒々の部分を小穂(しょうすい)といいます。
小穂の間から出ている毛のことを刺毛というらしいです。
よく「ススキに芒(のぎ)あり オギに芒なし」なんていいますけど、ススキの穂に付いている芒とエノコログサの刺毛とはどう違うんでしょう?
「イヌビエなどの穂から出る毛は、小穂を包む鱗片(穎)の先端から伸びるであるが、エノコログサの場合、この毛は芒ではなく、小穂の柄から生じる長い突起である。」(wiki「エノコログサ」)




さて、ごみの正体ですが、赤いブラシ状の器官が小穂の先についている雌しべの柱頭(受粉器官)です。
その横に小さなヤッコ凧みたいなのは花粉放出後の葯のようです。






器官の名称が分かりやすい図は ここにあります。



この画像は昼過ぎに撮ったものですが、「エノコログサは6:30-7:00ころが開花のピーク」という情報があります。
そのころですと、羽毛のきれいな柱頭や花粉を持った葯が見られたかもしれません。




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クサネムの豆果のスカーフ

2023-08-28 13:00:00 | みんなの花図鑑

クサネムの花はマメ科特有の蝶形花。
3種類の花弁のうち一番大きいのが虫に花の存在を知らせる広告塔の旗弁。
こどもがクレヨンで書いたような模様が描かれています。
実は これは旗弁の裏側の模様なのです。




よく見る旗弁の表の表情は これ ↑ 。
旗弁の下側には 2重の花弁がシベを覆っています。
外側が虫が止まるための翼弁。
内側がシベを保護する舟弁(竜骨弁弁とも)。


さてここからが本題です。


青い豆果(とうか)の先に白っぽいスカーフが付いています。
おそらくこれは 上の3つの花弁のうちのどれかかと思われますが、
3つのうちどの花弁でしょう?




他の花を見て見ると、このように一枚目の旗弁が閉じて 佐渡おけさのおけさ笠のようになっている花があります。



上の GIF画像を見ると やはり旗弁が色落ちして 豆果を包んでいます。
旗弁であることは 豆果を上から包んでいるので判ります。
(この絵では 翼弁らしき花弁も下側から包んでいる模様)




また別の青い豆果ですが、萼片の中におしべの残骸と 何やら花弁の残骸がついています。
ここでは花弁は薄くなり落ちる寸前なのですが、雄しべの花糸に救われてかろうじて残っている状態です。





ということで、私の推測ですが、豆果に付いていたスカーフの正体はシベを包んでいた舟弁ではないか、と思うのです。
最大の理由は 豆果を下側から包んでいることです。
旗弁だったらさっき見たように上から包んでいるのではないかと思うのです。

このことについて書かれた記事が見つからなかったので、
煮え切らなくてすみませんm(_ _)m


〔おまけ〕
クサネムの葉に止まっているアシナガハチ

よくもこんな近くで!と思われるかもしれませんが、じっとして動かなかったのです "(-""-)"
Google Lensで検索したところ、フタモンアシナガバチが候補に出て来ました。


黒地に黄色い縞模様で腹部に大きな円紋が1対(2個)あります。それがフタモンの名の由来だとか。


アシナガバチの中ではフタモンアシナガバチは最大の巣を作るが、性格はおだやかとのことです。







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野菜のナスはどれでしょう?

2023-08-27 13:00:00 | みんなの花図鑑

見出し画像は ナス科のよく似た花のシベの部分を6つ一覧したものです。
この中に 野菜のナスもあります。それはどの画像でしょう? !(^^)!



ルリヤナギ

ルリヤナギ Solanum melanoxylon


ナス科ナス属(ソラヌム属)


常緑低木です


雄しべは5組(5組というのは ひとつのおしべには黄色いシリンダー状の葯胴が2つあり、その先端に空いた穴から花粉が飛び出す)で、めしべを取り巻いています。めしべは おしべよりやや長い程度のようです。





ツルハナナス

園芸店で ヤマホロシ として売られていたものですが・・・
調べてみると、これは ツルハナナス Solanum laxum のようですね

ほんとうのヤマホロシには

のように、星形に分裂した花冠の基点に「2個の白色~緑色の点(eye)があ」ります。(三河の植物観察「ヤマホロシ Solanum japonense Nakai」画像もお借りしました)
「本物のヤマホロシ(山桯)はヒヨドリジョウゴ(鵯上戸)の近似種で、日本の山地に生え、確かに葉の形状がツルハナナスと似てはいるものの、別物で希少種。一般的な園芸店やホームセンターで売られている鉢植え「ヤマホロシ」は(生け花用に流通している枝物を除いて)ほぼ間違いなく外来種ツルハナナスの方なので騙されないように。」(mirusiru.jp 「ツルハナナス」)




ナス科ナス属(ソラヌム属)


つる性です


雄しべ(の黄色い葯)は2室× 5組 で、めしべは長く突き出します。






ジャガイモ

野菜のジャガイモは 別名「馬鈴薯」学名Solanum tuberosum
英語では potato


「江戸時代以降、米の収穫に不利な山間・寒冷地での栽培が広まったため、地方名や地方品種も多い。」(wiki)



「ジャガイモは、南アメリカアンデス中南部、ペルー南部に位置するチチカカ湖畔が発祥とされる。標高3,000 - 4,000メートルの高地で、500年ごろに栽培されたと考えられている」(同上)


「当初、インカ帝国の食の基盤はトウモロコシではないかと伝えられていたが、(中略)複数方面からの結果が、食基盤がジャガイモであったことを示しており、見直しが図られている。」(同上)


雄しべの葯筒はやはり2室×5組ですが、これまで見た中ではいちばん 雌しべを抑え込んでいるような配置をしています。

ところで、ジャガイモの花はよく知ってますが、ジャガイモって実がなるんでしょうか??
「ジャガイモは、地下にイモを作るという方法で、子孫を残すようになりました。
そのため、実の中にある種からの繁殖に頼る必要がありません。」
「ジャガイモの花には、雌しべと雄しべの両方がついていますが、
生殖能力がとても低いため、花が咲いても受粉せず、実がつかないことが多いのです。」
「けれど、ジャガイモにも実がつくことがあります。」
ジャガイモ栽培.com「ジャガイモの実 食べられる」
(↑ イヌホオズキの実によく似た ジャガイモの実 を見ることが出来ます)




ワルナスビ

ワルナスビ は 学名 Solanum carolinense


「日本では1906年(明治39年)に千葉県成田市の御料牧場で牧野富太郎により発見及び命名され、以降は北海道から沖縄まで全国に広がっている。」(wiki 「ワルナスビ」)


「鋭い刺や毒を有するため、家畜に被害を与え、作物の品質を低下させる[3]特にナス科であるため畑に生えるとナス、トマト、ジャガイモなどのナス科の作物に2年の連作障害を与える。」(同上)


雄しべの黄色い葯胴は2室×5組。中心から緑色のめしべの花柱と柱頭が伸びています。






ナス

野菜のナスは学名 Solanum melongena


「英名はオーバァジーン(Aubergine)(主に英国)、またはエッグプラント(Eggplant)(主に北米)で、仏名はオーベルジーヌ(aubergine)、伊名はメランザーナ(melanzana)、中国植物名では茄(か)もしくは茄子(かし)の名で広く栽培される。」(wiki「ナス」)


雄しべの黄色い葯胴は2室×5組。中心から緑色のめしべ柱頭が出ています。よくみると柱頭も5つの頭をもっています。






イヌホオズキの仲間

拡大▼








イヌホオズキの仲間は似たものが多く、区別点についても一定していないのですが、花での区別は特段に難しく、おおむね果実から判別できることが多いようです。

            果実のかたち 
 イヌホオズキ    :球形~縦長
 オオイヌホオズキ  :      
 アメリカイヌホオズキ:整った球形
 テリミノイヌホオズキ : 横長   

             光沢 
 イヌホオズキ    : なし
 オオイヌホオズキ  : あり
 アメリカイヌホオズキ: あり
 テリミノイヌホオズキ : 強

                  
 イヌホオズキ    :軽く反り返り、梅の花型のような形
 オオイヌホオズキ  :(アメリカイヌホオズキに 似る )
 アメリカイヌホオズキ:ぺたっと貼りつく
 テリミノイヌホオズキ : 強く反り返る

              果 柄
 イヌホオズキ    :    果柄が長い
 オオイヌホオズキ  :(アメリカイヌホオズキに 似る )
 アメリカイヌホオズキ:おおむね一点から出て見える
 テリミノイヌホオズキ :


上の表を参考に、今回撮影した果実を見ると、果柄がおおむね一点から出ているように見える特徴から、「オオイヌホオズキ」か「アメリカイヌホオズキ」のどちらかではないかと思われます。

学名は
オオイヌホオズキ : Solanum nigrescens
アメリカイヌホオズキ : Solanum ptychanthum

ということで、今回みた6つのナス科は どれも ナス属(ソラナム)の仲間たちでした。





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デンパークのヒマワリ - キク科のシベ 9

2023-08-26 15:00:00 | みんなの花図鑑
<キク科のシベ>シリーズ、ヒマワリはすでに一回取り上げていますが、その時は室内のヒマワリで虫が来ていませんでした。
 ヒマワリ ’サンタスティック

今日は安城デンパークの屋外のヒマワリです。

中心の筒状花を見るとつぼみがないのでこれは開花の進んだヒマワリです。
そのためか? ハエが舌状花(周囲の花弁部分)にとまっています。




こちらは筒状花のほうにハチが来ています。

真っ黒なハチです。
私、ハチの種類には疎くて名前が判らないのでが、Google Lensで検索すると 以下を候補に挙げてきます。
タイワンタケクマバチ?
だとしたら
「台湾から中国南部、インドに生息し、愛知県や岐阜県で分布を拡大しつつある」とのこと。



さて、ここからは本題の筒状花のシベの観察です
3つの時期を観察します

1. 花粉放出期

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さらに拡大▼


ヒマワリは一つ一つの小花が大きいので、観察しやすいです。
このヒマワリの筒状花の中心はまだつぼみです。
つぼみがひらくと5角形の花弁を持った花冠の中から雄しべ筒が伸びてきているのが分かります。
雄しべ筒の先がまた開いてこんどは雌しべの花柱が伸びている小花もあります。
これまで他のキク科の花で見てきたように、雄しべ筒の中をシャープの芯みたいに雌しべの花柱が伸びて外に出て来るのです。
そのとき雌しべの棒は雄しべ筒の中に放出された花粉を自らに擦りつけて伸びてきます。
この時期を雄性期という人がいます。たしかに花粉を生産するのは雄しべですが、実際に虫たちが花粉を受け取るのは雌しべからなのです。
めしべだったら自家受粉してしまうではないか、と心配しないでください。このときの花粉を身にまとった雌しべは単に棒(花柱)で、受粉器官(柱頭)はまだ持ってないのです。




2. 花粉受粉期

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このヒマワリは別品種で、筒状花の中心はまだつぼみ状態ですが、前のヒマワリのような 開花直後の雄しべ筒がよく見えません。
その代わり、つぼみの中から めしべが伸びています。
めしべの先が2つに割れるとその内側に柱頭(受粉器官)が成長します。





3. 子房成長期

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さっきとは別品種のヒマワリです。
受粉後の筒状花です。
雄しべ筒の中から伸びていた雌しべの柱頭が受粉すると、役目を終えた柱頭は萎み小さくなります。やがては雄しべ筒もろとも消失します。
雌しべの柱頭が小さくなると、その下の雄しべ筒と花冠が目立つようになります。
花冠の下では子房が果実へと成長しヒマワリのタネが生育しだします。
アクシデントがあって、子房の中の胚珠が受精できないこともあります。そんなときには子房だけが生長して、タネの無い果実になります。



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ダリア、マツバハルシャギク - キク科のシベ 8

2023-08-25 14:00:00 | みんなの花図鑑
ダリア

於大公園(東浦町)のこの花館まえの小輪ダリアの花です。
花は八重咲きなので、まず舌状花(花弁部分)のほうを注目したいところです。




そして、キク亜科の舌状花には雄しべのある両性花タイプと雌しべのみのタイプとあるそうですが・・・
施設の花なので分解してみるわけにもいかず、ちょっと観察できませんでした。




ということで今度は、アリが来ている筒状花のほうですが・・・
伸びた雄しべの先が2つに割れ、鳥の羽のように横に伸びています。
柱頭部分のこの伸び方は 昨日の「キバナコスモス」の筒状花によく似ていますね


シベをよく見るためにちょっとトリミングしてみました。




上の矢印の先が「雄しべ筒」といって複数雄しべが合着して筒になっている器官です。
雄しべ筒を5角形に裂けた花冠が包んでいます。
この雄しべ筒の中を(ちょうどノック式ボールペンのように)雌しべの花柱が伸びて出て来ます。
そして(その左隣りもそうなんですが)下の矢印のように2つに割れてYの字型の内側に柱頭(受粉器官)を展開します。








ヘレニウム・アマラム(マツバハルシャギク)

Google LensとPictureThisアプリを駆使して、この名前にたどり着きましたが・・・間違ってましたらご指摘お願いしますm(_ _)m




(ピンボケ写真でごめんなさい)
ダンゴギクなんて別名があるそうですが、この筒状花部分の盛り上がりのことを言ってるのでしょうかね??






(上の画像から 筒状花の一部をむりやりトリミングしてみました)
1. 上のほうが初期段階で 開花前のつぼみです。
2. トリミング画像の真ん中あたりが花冠が開いて中から雄しべ筒が顔をだしたところです。
3. 下のほうはさらにその後で、雄しべ筒の中からめしべの花柱が伸びてきて先を2つに割り柱頭(受粉器官)を展開したところです。





筒状花(だんごの部分)の中心はつぼみ状態。その奥にピントが合ってますが、この部分が花冠の中から雄しべ筒が伸びているところです。



これもほぼ上の画像と同じ状態です。
結局キク科の筒状花というのは総じて2段式のノック式ボールペンみたいなものでしょうか (^_-)-☆
1段目は 花冠の中から雄しべ筒が出てくる場面
2段目は 雄しべ筒の中から雌しべの花柱が出てくる場面(雄性期)
そして、柱頭の先が2つに割れ花柱を展開する時期が 雌性期になります。





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ガザニア、キバナコスモス - キク科のシベ 7

2023-08-24 14:00:00 | みんなの花図鑑
ガザニア

和名をクンショウギク(勲章菊)のガザニアです。
その筒状花の部分をトリミングすると・・・


筒状花はたくさんの小花の集合です。小花は外周から中心に向かって開花していきます。
中心部はまだつぼみです。
つぼみの部分のすぐ下に 小花の花冠が開いて中から棒状のものが出ている小花があります。棒状のものは「雄しべ筒」といって雄しべが合着して出来た筒です。
実は上の画像ではピントが合ってなくて、雄しべ筒の上に出ている器官が見えないのですが、実際はこの筒の中から雌しべが伸びています。




この花は前の画像より開花が進んでいて筒状花の中心まで開いています。
そして筒状花のいちばん外側の部分の小花からは もやしのような雌しべの花柱が伸びています。




雄しべ筒を貫いて上に伸びている雌しべの「花柱が非常に長い」のが、どうやらガザニアの筒状花の特徴のようです。
めしべの状態には2種類あり、ひとつは雄しべ筒の中の花粉を表面にこすりつけて 先が尖ったガマの穂みたいな恰好をした花粉放出期のシベ。
もうひとつが、その後、花柱の先を2つに割りヒツジの角のようにカールさせ上面に柱頭(受粉器官)を展開した花粉受精期のめしべです。




同上ですが、シベの2状態にピントを合わせています。繰り返しになりますが、ホント長い雌しべです。




同上ですが、雄しべ筒の中から出てきた雌しべの棒がきな粉のような花粉をつけています。棒の下の方が膨らんでいます。
花粉をつけている雌しべの棒の先はまだ2つに割れていません。
いっぽう、先が2つの割れてカールしているほうの雌しべの棒には花粉はほとんどついていません。







キバナコスモス

こうやって、ガザニアと比べると、キバナコスモスの雄しべ筒は色が濃くて分かりやすいですね
画像の右下の小花は雄しべ筒が割れて中から雌しべの棒が顔をだしています。




ピンボケですが、上のほうがまだ口を閉じている雄しべ筒。
途中、雄しべ筒の先端が割れて、雌しべの棒が顔をだしている小花があり、
一番下のほう(一番外側)は雌しべの花柱の先が2つに割れて柱頭(受粉器官)が展開しているのが分かります。




花柱の先が2つに割れて柱頭(受粉器官)が展開している部分にピントを合わせています。
柱頭からは毛が出ています。




この花では受粉期の柱頭の表面に2列の紅い模様がついています。
すべてのキバナコスモスがこうなるのではないようです。





ガザニアの柱頭はくるっとカールしてましたが、キバナコスモスの柱頭はサギが羽根を水平に広げて飛んでいるような姿をしていることが分かりました (^_-)-☆





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ルドベキア - キク科のシベ 6

2023-08-23 13:00:00 | みんなの花図鑑
ルドベキア・ヒルタ 'キャラメル・ミックスド'

ルドベキアというと もっと中央部が盛り上がっているイメージが強いですが、こんなルドベキアもあるということで。
ラベルに「ルドベキア キャラメル・ミックス」としてありましたが、
学名的には Rudbeckia hirta 'Caramel mixed' という名のようです。
まぁ、名前については検索していただくとして、なぜこの花を取り上げたかというと、
昨日の園芸ヒマワリでははっきりしなかった雄性期のシベがはっきり見られるということです。

黒っぽい雄しべ筒(ピントが合ってる部分)から雌しべ棒の毛が花粉をからめとって上に伸びています。


この黄色い花粉が昨日のポットの小さなヒマワリでは見れなかったのでした。




はじめてこういう光景を見ると、黒いマッチ棒のようなものの先にだれかが黄色い花粉を付着させたように見えるかもしてれませんが、そうではなく雄しべ筒の中に産出された花粉をめしべの花柱が持ち上げたということなのです。




それにしてもすごい花粉の量ですね
めしべは花粉を持ち上げた後しばらくして頭部を2つに割り、割れた内側に柱頭を展開し、雌性期に入りますが、このルドベキアの雌しべは頭部を2つに割っているのにまだたくさんの花粉を纏っています。





花弁(舌状花)が黄色の キャラメルミックスですが、筒状花のシベは花後花柱を黒化させて周囲の小花と交差します。


〔参考〕







ルドベキア・マキシマ

こちらは 背の高い筒状花をもつルドベキア・マキシマです。



全体が黒っぽくてよく識別できませんが、頭に黄色い花粉を乗っけている小花が雄性期のシベです。
雄性期と言っても花粉を乗っけているのはめしべです。(たから花粉放出期と言った方が適当かも)



上のほうが花粉放出期のシベ。
その下が 柱頭をヒツジの角のようにカールさせてる雌性期のシベです。




同じく、上のほうが花粉放出期のシベ。
その下が 柱頭をヒツジの角のようにカールさせてる雌性期のシベです。
この画像では下のほうに雌しべを覆っていたおしべ筒が脱落しその周囲の花冠の中から雌しべが自力で立ち上がっているような小花が見られますが、雌性期終期の姿です。



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ヒマワリ ’サンタスティック’ - キク科のシベ 5

2023-08-22 14:00:00 | みんなの花図鑑
久しぶりの《キク科のシベ》シリーズです(´∀`)
今日はヒマワリ@西尾市憩の農園 です。



ポット売りの園芸品種で ラベルに書いてあった名前が「サンタスティック クリアイエロー」!
きょうはこの子の筒状花のシベの観察(鑑賞?)です。



筒状花は花弁を除いた中央のたくさんの小花の集まりです。
筒状花は外周部から順に中心に向かって開花していきます。
中心部はまだ緑のつぼみ状態です。
この部分だけを拡大してみたのが以下。


つぼみが割れて雄しべ筒の中からめしべの花柱(褐色で先端に毛が付いています)が伸びます。
雄しべ筒というのは雌しべの花柱を囲って支えている筒で、これは複数の雄しべが合着して出来たものです。




めしべの棒は雄しべ筒の中から出るとき、筒の中にあった花粉を毛に付けて出て来るはずですが、この園芸品種ではそれが見られません。なぜかはよく分かりません。




この部分はさらに外側(花弁=舌状花に近い)の小花で、めしべ花柱の先端が2つに割れヒツジの角のようにカールしています。



ここからは・・・

’サンタスティック’ の横にあった別のヒマワリです。
通常ヒマワリの筒状花部分はあまり盛り上がらないのですが、この品種は同じキク科のルドベキアを思わせるほどよく盛り上がっています。




上から見てみると、中央部分のつぼみ状態、雌しべの先の柱頭が2つの輪を作っている部分、さらに外側の柱頭が褐色化した部分と3状態あるのが分かります。




柱頭が丸くカールした部分。いわゆる雌しべ活動期で、カールして上を向いた柱頭部分には毛が生えているのが分かります。
めしべは最初 外側の毛で雄しべ筒内の花粉を上に押し上げ虫に運んでもらう役目をして、その後花柱の先端を2つに割り 内側の柱頭部分の毛で虫が運んできた花粉を受け取る役目をします。




役目を終えた雌しべが褐色化しています。この下に子房があり、受粉していれば果実に成長します。
それを囲む明るい黄色の5角形の部分が小花の花冠です。




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