アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ハマナツメ - 生きた化石

2023-07-31 16:00:00 | みんなの花図鑑

安城デンパークでまたまた面白い木を見つけました。ずっと前から植えてあったのでしょうけど、気が付きませんでした。
こんな小さな花がたくさんついています。




葉はこんなどこかで見たことのある丸い葉で、互生しています。






名前が判らないので、Google Lens で検索してみました。↓

あとになってみれば、左から2枚目にすでに正解の科名「クロウメモドキ科」がヒットしていたのですが、この時は「まさかね~」と気にも留めませんでした(ToT)
あとは予断で、シマサルスベリとかネズミモチとかモチノキ科のヤポンノキとか・・・
全然当たってないと勝手に判断していました。

つぎに有料アプリの PictureThis で検索してみました。↓

パーキンソニア・アクレアタ
ハマナツメ属の一種)
と出て来ました。
あとになってみれば、正解のハマナツメ属まで出ていたのだから、調べてみればよかったのですが、気が利かない私です、どちらも不正解と考え、あとで掲示板に質問してみようと、とりあえずその場を立ち去ったのでした。







この花を大写しで見るとよく分かるのですが、5枚の勲章型の花被片のなかにオレンジ色の花盤があって、ハチやアリがひっきりなしに来ています。ちょっと匍匐性なので、ヤブガラシの花にも似たところがあります(こちらのほうがずっと大きいですが)。




ひと回りしてから、もういちど来てみて 気が付きました。木の根元の暗いところに樹名板があり、そこには「ハマナツメ ナツメ科」と書かれていました。


科名が「ナツメ科」なのでWikipediaなどの「クロウメモドキ科」と一致しませんが、「葉がナツメに似ている」との記述は確かに一致します。
「 ナツメ の仲間で、海岸近くに生育するため、この名前が付く。東海地方以西に分布。枝に鋭いトゲがあるため別名はトリトマラズ。」(四季の山野草「ハマナツメ」)




花と一緒に、こんなものがぶら下がっていました。
花の時期に果実がいっしょになっているのはおかしいし・・・
第一、ナツメの果実と比べて全然恰好が違います。
これは エゴノキに付く「エゴノネコアシフシ」のような虫こぶに違いない!!


と思ったら、れっきとした果実なのでした。
「 ナツメ と名が付くが、実の形は全く違い、食べることもできないコルク質の種は水に浮くため、海に流されたたりして分布を広げる。歴史は古く、百万~数十万年前の化石が発見されており、生きた化石と言われている」(同上;太字は引用者)





〔参考〕ナツメの花と実












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ショウジョウソウ - 夏のトウダイグサ科3

2023-07-30 16:00:00 | みんなの花図鑑
今朝PC を開いたら、デスクトップの壁紙が(昨日整理していた)ショウジョウソウの画像に!
理由と元のスライド画像に直す方法は、文末に。


という訳で、<夏のトウダイグサ科>第3回はショウジョウソウです。
ショウジョウソウの学名は Euphorbia cyathophora で、やはりユーフォルビア属(トウダイグサ属)。
別名を文字通り「サマーポインセチア」といいます。
花序はやはり<宇宙からやってきた杯状花序>ということになります !(^^)!




和名にある「ショウジョウ(猩々)」というのは元中国の属州であったベトナムの交趾(コウチ)地方にいたとされる想像上の動物のことです。
この猩々が日本に入ってきて、能の演目である五番目物の曲名『猩猩』で「真っ赤な能装束で着飾り、酒に浮かれながら舞い謡う」(wiki「猩猩」)ことから、「真っ赤な」苞葉が印象的なこの植物を「ショウジョウソウ」と呼ぶようになったのでした。





さてショウジョウソウの杯状花序ですが、基本、前回のハツユキソウと同じ構成。
杯(カップ)と呼ばれる器の中に、まず雌しべだけの雌花が生まれ、ついで雄しべだけの雄花が複数個産出されます。


最初に産出される雌花(めしべ)は柱頭を上に向けているのですが、受粉すると急激に大きくなり杯(カップ)の入り口を覆ってしまうため、花柄(果柄)をU字型に折り曲げて杯(カップ)の外にぶら下がります。
その後に、複数個の雄花(おしべ)が伸び、花粉を産出します。





ハツユキソウとショウジョウソウの花序の大きな違いは、蜜を出す腺体と付属物です。
ハツユキソウには腺体の周りに大きな白いエプロン上の付属体がありました。
ショウジョウソウには付属体がありません。
腺体からは蜜が溢れています\(^o^)/





子房が受粉して果実になると杯(カップ)の外に垂れ下がります。
受粉できなかった子房は初期状態の(上を向いた)まま、やがて子房は朽ちて芯だけがのこります。(Wikipediaの画像




雄花(おしべ)はあとから杯(カップ)のなかに生まれて来るので、自家受粉することはありません。


雄しべ周りに白い繊毛状のものが生えていますが、これは何なのか?・・・
ちょっと分かりません。




さっきからショウジョウソウの豊富な蜜を漁っているこのアリ、何というありなんでしょうか?
Google Lensで検索したところ クロオオアリが一番近いような気がしましたが、どうでしょうか?




【解決編】デスクトップの壁紙が勝手に変わる
Windows 10で、デスクトップの背景(壁紙)が変わってしまう場合の対処方法
で検索しますと、一般的な原因と対処法が載っています。
❶ 理由のひとつは 「デスクトップの背景がスライドショーに設定されている」ことです。
 勝手に変わってほしくないのであれば、[背景] の設定を固定画像に設定しましょう。
❷ Microsoftアカウントの同期設定
 複数のパソコンに同じMicrosoftアカウントを使用してサインインすることで、
 壁紙やInternet Explorer、ロック画面などの設定が自動的に同期されます。
 この「設定の同期」機能が影響して壁紙が変わってしまう場合があります。
 [スタート]>「設定」(歯車マーク)> 「アカウント」 から
 [設定の同期] を[オフ] にします。
以上が一般的に考えられる原因と対処法ですが、
私の場合は 原因は別のところにありました。
画像編集ソフトとして常時使っている Irfanview という無料ソフトに原因がありました。
このソフトの [オプション] メニュ-に

壁紙にする(日本語版)


Set as Wallpaper (英語版)

というメニューがある(あった "(-""-)")のです。
もちろんそんなメニュ-の存在は知らないし、編集中の画像を壁紙に設定しようと思ったことなどありませんので、私が意識的にそのメニューを選ぶことはありません!
ただし・・・
私は Irfanview で画像編集をするときほとんどショートカットキーで操作をしますので、
そこにあるような「壁紙に設定」ショートカット↓
 Ctrl+Shift+C
 Ctrl+Shift+F
 Ctrl+Shift+T
 Ctrl+Shift+S
 Ctrl+Shift+X
のいずれかを知らないうちにたたいてしまう ことはありうることだと思います。
それが証拠に、
「直前の壁紙にもどす Previous wallpaper」(Ctrl+Shift+P) を実行してみたら
元の壁紙に戻ったのでした (^^♪




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ハツユキソウ - 夏のトウダイグサ科2

2023-07-29 16:00:00 | みんなの花図鑑

ハツユキソウ(初雪草、学名:Euphorbia marginata)は、トウダイグサ科トウダイグサ属の一年草。和名は夏の花期になると頂部の葉が白く縁取られてよく目立ち、その姿を雪をかぶった様子に例えたものである。(Wikipedia)
ハツユキソウの和名からは想像しにくいですが、属名は第1回と同じくEuphorbia で、
ユーフォルビアとか トウダイグサといえば「杯状花序」です。




<杯状花序の理解のためのメモ> 
トウダイグサ属の高度に特殊化した花序は杯状花序といわれている。これは通常小さなカップ状構造で、縁に様々な形をした多数の(通常4又は5)腺がある1つの洋コマ形の総苞からなる。総苞の中にはとても単純な構造をしている多数の雄花があり、中心にある1本の雌花の周りを取り囲んでいる。花序は普通雌性先熟で、主に双翅目のハエ類によって他家受粉される。
(続・樹の散歩道「トウダイグサ科の仲間は
   やはり宇宙からやってきた植物なのか」)



ハツユキソウの杯状花序は緑の蜜腺が白いエプロンのような付属体という器官(花弁のように見えます)に乗っかっているところが独特です。









「トウダイグサ属に特徴的な杯状花序は、花冠に似た腺体が4個ある杯状体に包まれ、中央に1個の雌花、周囲に数個の雄花の集合した花序である。花被はなく、雌花、雄花はただ1本のめしべあるいはおしべからなり、苞葉が花冠、杯状花序がおしべ、めしべ、蜜腺の代りとなって全体として単一の花の機能をもつ、きわめて特殊化したものである。腺体の形や色は、種を見分けるよい形質である。【平凡社世界大百科事典】 」(同上)




2022年 撮影




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ユーフォルビア - 夏のトウダイグサ科1

2023-07-28 16:00:00 | みんなの花図鑑

ユーフォルビアの 'ゴルデンレインボー Golden Rainbow' という品種です。
Euphorbia × martinii
'Golden Rainbow'




ユーフォルビアは トウダイグサ科。
トウダイ(燈台)というのは、船の道しるべとなる岬の明かり「灯台」のことではなく、古い時代の油皿を使った明かり「燈台」のこと。トウダイグサ科の「杯状花序」がこの「燈台」の形に似ることからつけられました。





ということで「杯状花序」を理解することが トウダイグサ科を理解する一番の近道。





トウダイグサ科の杯状花序というのは 実に不思議な形をしています。よく見る 花弁(または萼片)のなかに 雄しべ複数個と雌しべが入っているような花序とちがい、杯状花序は 雄しべ1本からなる雄花複数個と 雌しべ1本からなる雌花1個とが、杯(カップ)状の器の中にある、というような独特な形態をしています。





「杯(カップ)状の器」というのは葉がカップ状に変化したもの(苞葉といいます)で、そのなかに 雌花1個と複数の雄しべが産出されるのです。カップの上部を飾るように腺体が付いているのが一般です。
この写真でいうと、4個のタカノツメみたいなのが腺体。青リンゴのような緑の球が子房、その先に3つに分かれている柱頭がついていて全体で一個の雌しべです。




雄しべはちょっと分かりにくいけど、先ほどの腺体のなかに突起がいくつか見えますが、おそらくこれが雄しべではないかと。





腺体の横に 雌花とは異なる球体があります。トウダイグサなどでは子供の杯状花序という器官がありますが、ユーフォルビアでも同じなのか、ちょっと分かりません。





全体は こんな風に 大規模な宇宙ステーション みたいな恰好をしています。





トウダイグサ科の仲間は やはり宇宙からやってきた植物なのか』という記事がありますが、トウダイグサの花(ニシキソウの仲間、ショウゾウソウ、ハツユキソウ、それにポインセチアなどなど)を見るたびにまったく同様の思いに至ります。



ノアサガオ - 涼しそう

2023-07-27 18:03:25 | みんなの花図鑑

あちこちの垣根に咲き誇っています。



ノアサガオで一番ポピュラーな色がこの'オーシャンブルー'ですが、他にも、ピンクや白花もあるそうです。



ノアサガオは熱帯から亜熱帯地域に自生するつる性の多年草で、沖縄では海岸付近に旺盛に繁茂しています。




ノアサガオの名の他に、宿根アサガオ、琉球アサガオ、西表アサガオなどの呼び名があります。



学名 Ipomoea congesta (=I.indica)
イポメア(サツマイモ)属



「世界各地広がり、駆除困難な有害雑草となっているのは、種子を作らず、匍匐シュートを出し、発根し、栄養繁殖する品種であり、駆除困難な有害植物となるため」(三河の植物観察「ノアサガオ 野朝顔」)




昼を過ぎてもなお開いていますが、少しづつ赤みを帯びてきます。



ここからはシベの観察。















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エキナセア - キク科のシベ 4

2023-07-26 16:30:00 | みんなの花図鑑
<キク科のシベ>特集、きょうはエキナセアを取り上げます。


キク亜科の花の中でもエキナセアはちょっと変わっています。
エキナセア(Echinacea)というのは属名ですが、これは「ハリネズミ」を意味するギリシャ語の εχινος (エキノース)から来ているのです。



この花の中央に盛り上がった筒状花部分を見れば、だれもがハリネズミを連想するだろうことは容易に想像できます !(^^)!
ところで・・・
このハリネズミの針のような部分は 筒状花の何なんでしょうか?
通常の筒状花はおしべ、めしべ、花冠、萼片があります。
でも、ハリネズミの針はこのどれでもないようです。
とすると、このサボテンみたいな部分は筒状花の何なんでしょうか?




別の花を覗いてみると・・・

今度は雌しべのほかに 黄色い花粉をのっけた雄しべもあります。
筒状花の集団は外周から中心に向かって順に開花していくものですが、上の花を見ると、雌しべの柱頭が十分開いている一帯にハリネズミの針もまたあります。






この花などその典型で、筒状花の中心点近くまで咲きあがって見えるシベはめしべばかりなのに、ハリネズミの針の山が丘を作っています。







同じような画像ばかり続きますが、こちらは 花粉を持ち上げている雄しべ筒のエリアにも 柱頭を展開した雌しべの一帯にも、いずれのエリアにもそれとは別にハリネズミの針がそそり立っています。





いろいろ見てみましたが、ハリネズミの正体がまだよく分かりません。

それどころか、この花が「ハリネズミ」と呼ばれるのは 筒状花の剣山のような姿からだと思っていましたが、実は別の説があったのです。
それは「花の下にある(ほう:つぼみを包んでいた葉っぱ)の先端とがっていて、それがたくさん付いた姿」からハリネズミのようだとした説があり、図鑑などではこちらの説の方が優勢だというのです。
にわかには信じがたいですが・・・
とすると、筒状花の針の部分は苞ではないから別の器官ということになります。
これ以上はもう少し検索してみないと分からないですが、いずれにしてもこの針の部分は萼のような部分で、小花の数だけあるが、小花が開き終わったのちも(ホオズキの宿存萼のように)宿存するのではないか?
(だとすると小花とは別に針のように尖った先を持って伸びている理由が分かりませんが・・・)
そのため、ドライフラーとして使われるほど全体として永く花の形が保たれるのではないでしょうか?




その後さらに検索を進めたところ、鱗片というタームで説明されていることが分かってきました。
以下、いくつかの記事の抜粋です:

「花の中心で咲いている極小の筒状花(とうじょうか)には、尖った鱗片があります。
この筒状花が密集してできた頭状花序は、硬くトゲトゲしていて針山のような印象を受けます。」(design earth「エキナセアの特徴」)

「筒状花は暗赤褐色で,鱗片は橙赤色.」(熊本大学薬学部 薬草園 植物データベース「ムラサキバレンギク」)

「属名の「エキナセア、またはエキナケア(Echinacea)」は、ギリシア語の『echinos「エキノース(ハリネズミ)」』に由来し、一つひとつの筒状花の先に、尖った鱗片が棘のようについている様子からといわれます。」


「学名のEchinaceaはechinos(ハリネズミ)より、花床に付いている鱗片が刺状であることから名づけられています。」(髙橋園芸株式会社「Vol.30 エキナケア」)

「花床には堅い橙赤色の鱗片が着き、この鱗片が筒状花より長く、先端が尖って刺状になるのも特徴です。」(エキナセア - 美瑛町(びえい)でバラづくり)

「属名は「ハリネズミ」の意で、花床にかたい刺状の鱗片があることに因む。」(gooブログ・peaの植物図鑑「岩手県立花きセンターのエキナセア/ムラサキバレンギク」)

「属名のエキナセアは ギリシア語の echinos(ハリネズミ)に由来、
 一つひとつの筒状花の先に、尖った鱗片が棘のようについている様子からといわれます。」(楽天ブログ「だい」のひとりごと「載せ遅れた花はエキナセア、モミジアオイ (10)」)




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テンニンギク属ガイラルディア - キク科のシベ 3

2023-07-25 16:00:00 | みんなの花図鑑

これまで和名で「テンニンギク」として取り上げてきましたが、西尾市憩の農園で見たラベルに「ガイラルディア テンニンギク属」とあったので、こちらで呼びます。
和名では、オオテンニンギク(大天人菊)が多年草タイプで、テンニンギク(天人菊)と呼ばれているのが一年草タイプのガイラルディアのことらしいです。




また、オオテンニンギクとテンニンギクの交配種は「グランディフロラ」という名前で流通することがあるということです。




ガイラルディア(テンニンギク)は花弁が黄色とオレンジの複色が特徴ですが、今私たちの関心は中央のシベにあります。




その部分を拡大してみました。
ささくれ立った褐色の花冠の中から花粉を身にまとった雌しべが伸びています。この花の時期は<花粉放出期>のようです。




この花では、花粉放出期の小花の周囲に赤紫の2つに割れた花柱が見られます。
つぎの<雌しべ活動期>に入っているものと思われます。




これもテンニンギク?

上から観察してみます。
キク科ですから、花弁一枚一枚が舌状花と呼ばれる花です。
中央の盛り上がりは 筒状花の集団です。
筒状花は外周部から中央に向かって順に咲いていきます。




中心がまだつぼみの筒状花。
その周囲がめしべ棒が おしべ筒の花粉を押し上げた状態。
一番外側の(舌状花の花弁に近いほう)が めしべ(柱頭)活動期の花です。



このように、キク科の筒状花のめしべは<花粉活動期>には雄しべ筒のなかから花粉を外に押し出す役目をして、その後、花柱の先を2つに割ってその内側に柱頭(花粉受粉器官)を形成します。
めしべの先にところどころ黄色い花粉が付いていますが、めしべ棒の外側で、内側の柱頭部には付いていません。




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ルドベキア - キク科のシベ 2

2023-07-24 16:00:00 | みんなの花図鑑
キク科のシベ、第2回は ルドベキアのシベです。

ルドベキア・ヒルタ ’トト レモン’

ルドベキア・ヒルタは北アメリカ原産のキク科オオハンゴンソウ属の一年草、二年草、または多年草です。
花弁のように見える外周部分は舌状花の集合です。
中央が筒状花の集合です。



筒状花は周囲から中心に向かって咲きあがっていきます。
黄色い部分が花粉で、その下の雄しべががっ着して筒になった「雄しべ筒」から雌しべによって押し上げられています。



雌しべの花柱の先には毛が生えていてシベの筒の中を抜けるときこの毛で花粉を付着させて押し上げます。





ルドベキア

ラベルを見損ねたので 品種名不明のルドベキアです。
筒状花の集団が周囲から少し内側に入ったところまで開花しています。




咲き始めは<花粉放出期>です。雄しべ筒の内側に出された花粉をめしべが筒の上に押し上げています。














ルドベキア ’ハッピー レモン’

ハッピーレモンという品種名のルドベキアです。
これまでの花では <花粉放出期>のその後が見れませんでしたが、この花ではその後の<雌しべ活動期>がしっかり目られます。



盛り上がった筒状花の中心部はまだ蕾の状態です。
そのすぐ下が<花粉放出期>で雄しべ筒から雌しべによって花粉が押し上げられています。
さらにその下の部分が<雌しべ活動期>で雌しべの先がYの字型に開いて上方向に柱頭が成熟して受粉状態にあります。
一番下のほうはすでに受粉が終わり、雄しべ筒は脱落し柱頭もしぼんで背が低くなっています。




一番上が黒っぽい雄しべ筒。
次の白いヒツジの角のような器官が雌しべの柱頭です。




雄しべ筒を抜けた雌しべがYの字型に開いて柱頭を成熟させています。
この画像の柱頭はほとんど花粉を受粉しているようです。




<雌しべ活動期>も終わり、黄色い花粉が見られません。




下のほうは雌しべの柱頭部分もなえて、果実の生産が始まっているようです。





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「セイヨウ」と「ナツ」 - 樹に咲く花

2023-07-23 16:00:00 | みんなの花図鑑
梅雨が明けました。
記念して?「ナツ」と「セイヨウ」(西洋~静養)のつく樹の花を集めてみました。一部例外もあります"(-""-)"


セイヨウニンジンボク

(安城デンパークにて)
白花のセイヨウニンジンボクです。
チョウが止まっています。



ズームしてみると・・・


ナミアゲハですね?



ハチ?も来ています。名前は分かりません(ToT)



セイヨウニンジンボクは、シソ科ハマゴウ属の樹で、こちらはよく見るラベンダーブルーの花をつけています。


(安城デンパーク・ヒミツの花園前)


花はシソ科特有の唇形で、下唇は3裂しその中央の裂片が大きくなっています。





ナツツバキ


(安城デンパーク)


福島及び新潟以西の本州、四国、九州に分布。(庭木図鑑 植木ペディア「ナツツバキ」)



ナツツバキは古くから寺院などの庭に「シャラノキ」と称して植えられてきました。(NHKみんなの趣味の園芸)






ナツボダイジュ


(安城デンパーク)
ナツボダイジュはシナノキ科の植物の一種で、別名、セイヨウボダイジュ。(wiki)



シューベルトの「泉に添いて 茂る菩提樹(リンデンバァム) ~」は和名セイヨウシナノキ のことで、コバノシナノキ(冬ボダイジュ)と、このナツボダイジュの自然交配種とのこと。






エゴノキ(枝垂れ)

隣りにあったシダレエゴノキの実です。



ボダイジュ?シナノキ?

(安城デンパークにて)
花房の元の部分の苞(ほう)と呼ばれる特徴的な部分はボダイジュ、シナノキともに存在します。
名札がないので、ボダイジュなのか?シナノキなのか?以前から分からない樹です。



(ボダイジュとシナノキを見分ける最大のポイント!)
「シナノキの脈腋に茶褐色の毛が生えその他の部分は無毛」
と言われますが・・・






サマークリスマスブッシュ

オーストラリア原産。
白い花の後に萼(がく)が朱色に変化していきます。



花よりも、赤く色づいた萼片が格段に美しいので、こうして夏に出回ります。



「サマークリスマスブッシュ」の名は、原産地では夏のクリスマスの頃、萼が赤くなり、樹全体が赤く染まったように見えることから。(植物写真館「クリスマスブッシュ サマークリスマスブッシュ」)






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T = a × m ・・・タイタンビカスの式

2023-07-22 16:30:00 | みんなの花図鑑
T = a × m
これを「タイタンビカスの式 Formula of Titanbicus」と呼びます。
だれが命名したかというと、私アブリルです(笑)
いつ発見したかというと、「今ですよ!」
冗談はさておき、
ご存じのように、タイタンビカスは、津市の㈱ 赤塚植物園が開発した、ある特定のアメリカフヨウとモミジアオイの交配選抜種のことです。

a : アメリカフヨウ(Hibiscus moscheutos)
m : モミジアオイ(Hibiscus coccineus)

上記をかけあわせて
T : タイタンビカス(学名 Hibiscus x Titanbicus)

T = a × m

ができます!

3者はどう違い、どう似ているのでしょう。順に確認してみます。

a : アメリカフヨウ(Hibiscus moscheutos)

アメリカフヨウの花弁は5枚で重なり合い、全体として円く見えます。これがアメリカフヨウの花弁の大きな特徴です。


アメリカフヨウの葉は先の尖った卵形で縁に細かい鋸歯があり、互生します。アメリカフヨウか、タイタンビカスか迷ったら、葉をみるといいです。



シベの特徴はフヨウと同じで、たくさんの雄しべが合着して出来た雄しべ筒の中から出てきた雌しべが上を向くことが特徴です。



上を向いた雌しべの柱頭。柱頭は5本あります。



筒状になった合着雄しべ。この筒の胴体から花糸がのびキノコのように葯(花粉袋)を出しています。




m : モミジアオイ(Hibiscus coccineus)



モミジアオイの花弁の数はアメリカフヨウと同じく5個ですが、平開し、花弁と花弁の間には隙間があるのが特徴です。



雌しべと雄しべは途中まで合着して柱状となり、長くて超出する。雌しべの柱頭は5つに分かれ、その下に雄しべが群がっている。(植物雑学事典「モミジアオイ Hibiscus coccineus」)



雌しべと雄しべの合着は、アオイ科植物の特徴であるが、特にモミジアオイでは花弁が平らに開くことと、超出するのでよくわかる。(同上)



萼は5深裂し卵状被針形で、その外側に多数の細長い小苞葉がつく。(松江の花図鑑)



葉は大きく5つに裂け(正確には3裂~7裂くらいまで差がある)、線の細いモミジ(カエデ)のような姿をしており、そこからモミジアオイの名前が付きました。(ヤサシイエンゲイ「モミジアオイの育て方」)


m : モミジアオイ(Hibiscus coccineus)(白花)










T : タイタンビカス(学名 Hibiscus x Titanbicus)

タイタンビカス(学名 Hibiscus x Titanbicus)は、アオイ科フヨウ属の宿根草。アメリカフヨウ(H. moscheutos)とモミジアオイ(H. coccineus)の交配、選抜により誕生した、生育旺盛で強健な宿根草。赤塚植物園が開発した。(wiki 「タイタンビカス」)



人の顔ほどもある大きな花(直径15~25cm)が特長で、一度見たら忘れられないインパクトがあります。(赤塚植物園オンライン)


さらに、その性質は驚異的なほどに強健で、日当たりさえ良ければ特に植えつける場所を選びません。特に暑さには非常に強く、強い西日のあたる場所でも大丈夫です。(同上)



この圧倒的な存在感と驚異的な強さ、ハイビスカスのような花姿から『巨神タイタンにちなんで、『タイタンビカス』と名づけられました。
ピンクの花は今では絶版になっているそうですが、雄しべ筒から出た雌しべの先が「上を向き」アメリカフヨウに似た花姿をしています。



葉は互生する単葉で、ふつう掌状に分裂しますが分裂しないものもあります。
葉の縁には鋸歯があります。(EVERGREEN植物図鑑「タイタンビカス」)
というわけで、葉のほうは モミジアオイの葉に似ています。



なお、属はすべてフヨウ属(Hibiscus)です。
Hibiscus は英語読みすると 「ハイビスカス」で和名「ブッソウゲ」のことですが、
属名のHibiscus の文脈では(ヒビスクス)とラテン読みします。

ハイビスカス(Hibiscus rosa-sinensis ブッソウゲ)

参考のために、いわゆる「ハイビスカス」として売られている「ブッソウゲ」です。
(西尾市憩の農園にて)
この画像を見ると、雄しべと雌しべが合体していて上部にめしべ、下部におしべが付いているように見えますが・・・



実際は、上の画像のように 雌しべと雄しべは別々です。おしべが合着して出来たストローのような雄しべ筒の中をめしべが貫通して出た先で柱頭を展開しています。(赤いほうが雄しべ筒、その先から白っぽい雌しべの花柱が伸びてその先で5つの柱頭(受粉部)が開いています)












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