アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

アヤメ、イチハツ、ジャーマンアイリス、ダッチアイリス

2020-04-30 20:26:42 | みんなの花図鑑
いま咲いている アヤメ科の花を一挙掲載!

アイウエオ順で、最初は アヤメ。 明日から五月(さつき)。 文目(あやめ) には 鯉のぼりが似合います (^^ゞ




アヤメの花は 花弁の弁元に 文目(あやめ)紋という模様があるので、それですぐ分かります。



つぎは、イチハツ。

イチハツの開花期は 3月終わりから5月。




イチハツの 外花被片には、画像のように、白いとさか状の突起があるので、すぐ分かります。



アヤメ、イチハツ・・・と来て、ウ、エが無くて、つぎは オランダアヤメ。

オランダアヤメというより ダッチアイリスの名のほうがよく使われます。




ダッチアイリスの花の特徴は弁元が黄色いこと。 文目のような網目模様はありません。




花弁全体が黄色いダッチアイリスもあります。




弁元が黄色で 網目模様がない、といえば、ハナショウブだってそうじゃん!と言うなかれ。 ハナショウブは湿地を好みます。時期ももう少し後です。間違える心配はありません (´∀`)




あとで出てくるジャーマンアイリスと比べると、やや端正でスマートな感じの花が多いですね。




単に アイリス というと、このダッチアイリスを指すようです。



さいごに、ドイツアヤメ (ジャーマンアイリス)。

ジャーマンアイリスは これまで出たアヤメ科の中では 弁幅も広く、大きく、華やかな感じです。




見分けるには やはり花被片の弁元を調べます。




弁元が ブラシ状の突起になっていれば、ジャーマンアイリス(ドイツアヤメ)です。イチハツは 鶏冠状でした。




ブラシの部分のマクロ写真です。 この部分だけでも観賞価値ありますね (^^♪








ムクノキ、クヌギ、エノキ - 安祥城址公園ほか

2020-04-30 10:56:14 | みんなの花図鑑
見出し画像は ムクノキの雌花です。


これは 安祥城址公園のムクノキです。
ムクノキがみなこのような樹形をしているわけではないのですが、株立ちですっくと立ちあがっていることが多いです。




花は雌雄異花で、同じ株に 雄花と雌花が咲きます。 で、咲いているとき、目につくのは たいていは、この雄花のほうです。
雄しべが5本、中心から放射状に伸びて先端に葯(花粉を入れた袋)をつけています。5枚の花被片が雄しべを支えています。




では雌花はどこに?というと、 雄花の集団より枝先の若い枝の 若い葉の出ている葉腋に ひっそりついています。




少し拡大すると こんな風。 白い毛のような部分は 雌しべの柱頭です。




同じ雌花をさらに拡大してみます。 うさぎの耳のような柱頭の下に子房があるはずなのですが、現在は目立ちません。
ムクノキの果実は 後で見るエノキの果実より少し大きいようです。



さて、 何の脈絡もないのですが ・・・ つぎはクヌギの花です。

クヌギの花も雌雄異花で、 同じ株に 雄花と雌花がつきます。 初めに目に留まるのはやはり雄花のほうで 10cmくらいの穂が前年枝より垂れ下がります。 この画像は 鞍ヶ池公園で4月26日撮ったものですが、雄花は 花粉を放出し終わって 葯が黒ずんでいます。




では、雌花はどこに?というと、やはりそれより枝先の新葉の葉腋に ひっそりついています(ムクノキと同じです) (^^♪
一番上の雌花など、葉腋ではなく 単独で花を出しているみたいです。




少し拡大してみました。 この画像ではよく分かりませんが、クヌギの雌しべの柱頭は 3つに分かれているようです。


それでは、さいごに エノキの今です。

まず、エノキの樹形から。 右がエノキです (左は ケヤキです。竹ぼうきをさかさまにしたようです)。




上のエノキとは別の、下のほうまで枝が伸びているエノキの枝を観察してみました。そしたら ほら もう雌花はなく、こんな実になってました。秋まで少しずつ大きくなっていって、食べられる実になります。


ライラック - 安城市JJ

2020-04-29 17:50:00 | みんなの花図鑑

安城市JJ地区は ライラックが多い?? これは 先日撮ったライラック とは別のライラックです。




英語で ライラック(Lilac)、 フランスでは リラ(Lilas)。




ムラサキハシドイ(紫丁香花)の和名があるそうですが、あまり使われてないみたい。





札幌市の市の花で、 札幌では 毎年5月中旬に さっぽろライラックまつり が開催されていた。が、 今年はコロナで中止となりました。




ライラックはヨーロッパ東南部原産の落葉低木ですが、寒冷地でも育ちます。
『リラの花咲くころ』は パリで歌われたシャンソンですが、原曲は1928年にベルリンで上演されたレビュー『なんと驚いた1000人の女』の劇中歌としてフリッツ・リッターの作詞、フランツ・デーレの作曲による「再び白いライラックが咲いたら」”Wenn der weiße Flieder wieder blüht” ということです。 (港町のカフェテリア「『リラの花咲く頃』 ジャン・ソルビエ」より)



ハナミズキ - 安城市JJ

2020-04-28 18:09:13 | みんなの花図鑑
よくあるお話ですが、 ハナミズキの「花」について (^^ゞ

「白やピンクのハナミズキがキレイです!」
・・・というとき、私たちは 花弁のような大きいひらひらのことを想定しています。
よくあるお話というのは、その花弁のような部分は 総苞と呼ばれる部分で、本当の花は総苞片の中心にある 黄緑色をした ごちゃごちゃした部分なのだという話です。
上の画像の総苞片は 丸まっていますが、これについては また別の機会に。
今回は 正味の「花」の部分について観察してみたいと思います。




バックのぼやけた白は総苞片。 手前が 小花の集合です。それぞれの小花は 緑色をした萼片のような器官から伸びています。
中央の小花は 花被片の部分が丸まっています。



上から見ると、ひとつの小花には 花弁が4枚あるのが分かります。雄しべも本来は4個あるはずなのですが、上の画像では3個だけです。花粉はまだ葯の中に入ったままで、出て来ていません (周囲の黄色が葯が割れて花粉が出て来ている雄しべです)。




さらに拡大してみます。中央の小花にピントを合わせています。こんどは 雄しべが4個あるのが分かります。その中央に 雌しべが1本、先端の柱頭が抹茶色をしています。 この小花は 花弁が丸まっています。




ひとつの花序といっても たくさんの小花の集合で、個々の小花は 次期を変えて成熟するようです。その順番は どうやら雄しべが花粉を出す時期が先行する雄性先熟型のようで、花粉を出し終わると おしべと花弁の上部は脱落し、雌しべが成長する雌性期に入るようです。




この花序の手前にある2つの小花は雌性期の小花です。雄しべも花弁も落ちています。 伸びた雌しべの先端の柱頭には 花粉らしきものがついています。受粉が終わった後のようです。


ユリノキ - 北野廃寺(岡崎市)

2020-04-28 10:00:00 | みんなの花図鑑
高木になることの多いユリノキですが、北野廃寺で見つけた目の高さにあるユリノキの花です(^^ゞ

ユリノキは モクレン科。 つまり マグノリアの仲間なんです。




【学名】Liriodendron tulipfera
5~6月ごろにチューリップのようなクリーム色とオレンジ色の花を咲かせることから、別名「チューリップの木」と呼ばれる。ただし、花は葉と葉の間に隠れるように咲く上、高い位置にあるため、あまり人目につかない。(庭木図鑑 植木ペディア > ユリノキ)




ユリノキは学名である「Liriodendron」の訳語からきており、日本人の感覚では百合のような花が咲くというわけではないが、ユリノキが渡来した頃はチューリップが今のように一般的ではなかったため、より馴染みのある百合に見立てたという(大正天皇が皇太子の頃に小石川植物園で本種を見て命名したという説もある。)。(同上)



葉は直径15センチ程度の大きさで、特徴的な形をしている。職人が身にまとう半纏(はんてん)、あるいは乳児を寝かしつけるときに使う「ねんねこ半纏」に似ていることから「ハンテンボク」とも呼ばれる。(同上)





アメリカでは花の色からイエローポプラと呼ばれることもある。(同上)





ユリノキの花の雄しべは、先端の「葯(花粉入れ)」が2センチもある。(同上) (見出し画像参照してください)


シロバナマンテマ - 鞍ヶ池公園

2020-04-27 23:47:11 | みんなの花図鑑
0時からメンテに入るそうなので、 とりあえず 写真だけ m(_ _)m

花壇の外に カラスノエンドウと一緒に生えていた 野草たちです。
最初は シロバナマンテマ。



ヨーロッパ原産の1~2年草です。「マンテマ」と同じく園芸栽培品が逃げ出し野生化して海岸近くでよく見られるそうです。最近は「マンテマ」よりも多いのでは・・・と推測している人もいます。



名前は「白花…」ですが、白から濃いめのピンクまで色の変化は多様です。









ネモフィラも 一緒に生えてました。 この子も 野生化するのかな?



ヤグルマギクまで 野草の仲間入りしてました。

ワスレナグサ - 鞍ヶ池公園

2020-04-27 17:32:06 | みんなの花図鑑
鞍ヶ池公園(豊田市)のイングリッシュガーデンにて。

「忘れな草」という和名は英名の「Forget-me-not」を訳したもので、明治時代に植物学者の川上滝弥が付けました。(fc2++ Updating details & Diary ++「この花なんだ【ワスレナグサ/キュウリグサ】(すわ)」)




花茎の先端はサソリの尾のようにクルリと巻いており、サソリ型花序と呼ばれます。(同上) 見出し画像参照。




園芸品種として野生種がそのまま栽培されているものや、選抜、交配により作り出されたものが多数ある。




栽培品種は、エゾムラサキ Myosotis sylvatica、シンワスレナグサ(ワスレナグサ)Myosotis scorpioides、 ノハラワスレナグサMyosotis alpestris、の3種がもとになっているものが多く、これらのハイブリッドも多い。園芸品種に品種名がつけられずに、ワスレナグサとして販売されていることも多い。(三河の植物観察「ワスレナグサ 勿忘草、忘れな草」)




野草に ワスレナグサそっくりの キュウリグサがあります。似ているのも道理、 両方とも ムラサキ科です。




ダッチアイリス - 鞍ヶ池公園

2020-04-27 10:00:46 | みんなの花図鑑

イングリッシュガーデンでこの花を見て、アヤメ科だとはすぐ分かるのですが、そのうちの何かが分からなくなりました。




そこでこんな質問文を書いて掲示板にお尋ねしました。
「アヤメの仲間が分かりません。
花弁の弁元に 髭(ブラシ)がないから ジャーマンアイリスではないし、アヤメ(文目)紋がないから アヤメ(文目)ではないし・・・ 黄色い紋があるから ダッチアイリスですか?
植えてあった場所は 豊田市鞍ヶ池公園のイングリッシュガーデンです。」




頂いた答えは 以下のようでした(抜粋)
「添付画像からは、中央の 黄色い班を見た印象では、ダッチアイリス(オランダアヤメ)の一種が近いのではと思います。スペインアヤメ系のハイブリッド種(交配種)
http://mikawanoyasou.org/data/orandaayame.htm




花の写真だけみてると、 やはり弁元に黄色い班があるハナショウブとの区別が難しいですが、実際は ハナショウブはもっと遅く咲き、生育場所も湿地と、 ダッチアイリスのように乾地を好みませんので、 自然にあるときは 区別に迷うことはないようです (^^♪

↓ ここが一番わかりやすくまとめてありました ♪
アヤメ科の似ている花の見分け方

シャガ - 愛知県緑化センター

2020-04-27 01:40:01 | みんなの花図鑑

シャガの花の中に 虫が潜り込んでいく!




何という虫だろう? ゴキブリみたいだけど(失礼)もっと小さい。




シャガは蜜腺をもっていてこのように虫を寄せるのに、種ができないのだとか。




シャガの学名 は Iris japonica。
種小名は japonica だが、「中国原産で、かなり古くに日本に入ってきた帰化植物である」(wiki 「シャガ」)




上に立ち上がっている細かいひも状のものはメシベの柱頭が変化したものだそうです。




オレンジ色の近くには こんな微細な糸くずみたいなものが。
しばし見とれる (^^♪

マツバウンラン - 鞍ヶ池公園(豊田市)

2020-04-26 17:29:42 | みんなの花図鑑
鞍ヶ池公園は久しぶりです。 動物園、植物園などの施設は閉鎖中です。

公園内の一番高いところまで登って、おにぎりを食べたのですが、 新緑がまぶしい (^^♪




マツバウンランは ゴマノハグサ科。 シソ目・オオバコ科という分類もあります(ウィキペディアはこちら)。




北アメリカ原産の帰化植物。(wiki 「マツバウンラン」)




茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、唇形をした青紫色の小さな花をつける。(みんなの花図鑑)




芝生大地にどんどん繁殖しています。うれしいです (^_-)-☆