アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

いずれがアヤメか、アイリスか

2023-04-30 13:50:00 | みんなの花図鑑
「いずれアヤメかカキツバタ」という表現があります。この言葉には「どちらが優れているか決められない」という意味と「どちらの花も似ていて区別できない」という意味があります。
今日はその後者「似ていて区別できない」アヤメ属の花を簡単に区別する方法を紹介します。
区別は簡単です
ポイントは 生育環境 で区別するということです。
アヤメ、アイリス類は陸上に生育します。
カキツバタは水際が好きです。
(ハナショウブはその中間です。)

陸上に生育するアヤメ属には複数あるので、今日は陸上アヤメ属に限って区別法を紹介しましょう。

アヤメ

陸上アヤメ属の 筆頭はアヤメです。




アヤメの学名は Iris sanguinea アイリス サングイネア
種小名の sanguinea は「血のように赤い」という意味だそうです(みんなの花図鑑「オオキツネノカミソリ(リコリス) 」)。
サングイネア sanguinea は血紅色という意味(京都府「ホルムショルディア サングイネア」)




アヤメの象徴は花弁の付け根のところにある文様です。
写真だけで 生育環境が分からなくても 花弁の付け根についているこの網目模様を見れば 他のアヤメ属には無いものですから、アヤメと判別できます。




「あやめ」の名の由来は、花びらに網目の模様があったことから、文目(あやめ)と呼ばれるようになったといわれています。





ダッチアイリス

陸上アヤメ属 その2は ダッチアイリス(別名「オランダアヤメ」)です。








ダッチアイリスの特徴は花弁の付け根中央に幅広の黄色の斑があること。




花弁全体が黄色のダッチアイリスもあります。黄色のダッチアイリスでも中央の班の色は変わりません。





ジャーマンアイリス

陸上アヤメ属 その3 はジャーマンアイリスです・
ジャーマンアイリスは、1800年代から地中海沿岸や小アジア原産の何種類かのアイリスを交配して出来た品種。 日本ではヨーロッパで初期に作られたゲルニカ種が入ってきたので、ジャーマンアイリスと呼ばれるようになりました。



学名 Iris × germanica (x は交配種の意)




そして、花弁の付け根中央の黄色い「ヒゲ」がジャーマンアイリスの特徴です。




花弁のつけ根の近くにブラシのように毛が密生して盛り上がっています。こういうたぐいのアイリスをビアデッドアイリス(ヒゲアイリス)と呼ぶようです。




手前の一本だけジャーマンアイリス。バックはアヤメです。





イチハツ

学名: Iris tectorum




「'tectorum' という種小名はラテン語で「屋根の」という意味で、昔は屋根に植えて大風を防いでいました。」(かぎけん花図鑑「イチハツ | Iris tectorum」 )



外花被片にはトサカ状の突起物が付いており、これがイチハツの大きな特徴となっています。








ということで、見出し画像の4つの花は
(左上)アヤメ (右上)ダッチアイリス
(左下)ジャーマンアイリス(右下)イチハツ
でした(*^^*)




画像は控えておきますが、この外花被片の中央に
白い斑紋があれば、カキツバタで、通常池の縁に生育しています。
また、そこが黄色い斑紋であれば、ハナショウブの可能性が高いでしょう。







以上のポイントを押さえて応用問題です !(^^)!
応用問題1

全体が黄色一色です。これは何でしょう?



蜜を漁りにハナバチが来て花弁の中に潜り込んでいきましたよ




答えは 花弁の付け根が黄色なのでダッチアイリスです。




色が白に変わっても、中央の班は黄色だからダッチアイリスです。





応用問題2

では、こちらは何でしょう? 生育場所は畑です。



花弁の付け根を見るとブラシ状の毛が生えています。答えは ジャーマンアイリスでした。





応用問題3

では、これは?




花弁の中央を見ると、網目模様が広がっています。文目紋です。
名板には一般的なアヤメより早く咲くので「サキガケアヤメ」と書いてありますが・・・
アヤメで正解としましょう \(^o^)/
アヤメ Iris sanguinea
サキガケアヤメ Iris unguicularis unguicularis は「爪のある」という意味だそうです(みんなの花図鑑)
(もっとも Iris unguicularis で検索すると「カンザキアヤメ(寒咲文目)」が出て来ますが (´v_v`))





あとは、おまけでアヤメ属とアヤメ科を、ふたつ


シャガ

学名:Iris japonica
中国と日本原産です。










チリアヤメ

アヤメ科 チリアヤメ属
学名 :Herbertia amoena
散歩の途中で久しぶりにOさんに出会いました!
Oさん「ねぇねぇ、珍しいアヤメがあるから写真撮ってって!」
私 「へぇ~、以心伝心ですね、ちょうどアヤメの写真を色々集めてるところでした」



撮影:4月29日
Oさん「チリアヤメと言って朝の内だけ咲くのよ」
私 「や~、小さいですねぇ 踏んづけてしまいそう」
Oさん「あっちに鉢植したのがあるからそっちを撮ってって」




私 「ところで チリアヤメのチリって まさか国名のチリじゃないですよね? ちりのように小さいってことですかね? 」
Oさん「分からない。カタカナで書くんでしょ」




ところがチリの由来はそのまさかでした
「和名は南米チリ産のアヤメの意から」(GKZ植物事典)





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いずれがボタンか、シャクヤクか

2023-04-29 08:55:29 | みんなの花図鑑
ボタンとシャクヤク、花だけ見てると区別がつきません。両方ともボタン科ボタン属なのですから。



ボタン(左)とシャクヤク(右)を見分けるには葉を見るのが一番分かりやすいです。
ボタンの葉には切れ込みがあります。シャクヤクの葉には切れ込みがありません。



ボタン

於大公園(東浦町)の薬草薬木園のボタンです。
えっ、ボタンが薬草?薬木?




「ボタンは中国原産の栽培種。(中略)日本には8世紀頃、薬用植物として渡来したといわれている。」(三河の植物観察「ボタン」)
で、ボタンは薬草?それとも薬木?




実は ボタンは落葉低木なのです。ですから「薬木として入ってきた」が正解です。




冬になって落葉しても枝は残り、年々、幹が太く大きくなります。




それから、あまり書かれてないのですが、ボタンのシベはこんな風で、つぎのシャクナゲのシベとは大いに異なります。
私は花が咲いていてもしシベが観察出来たら、シベでもボタンとシャクヤクの区別ができるのでは?とひそかにデータを蓄積しています(´∀`)





シャクヤク

「立てば芍薬、座れば牡丹」の前者のほうです。
ボタンが落葉低木だったのに対し、シャクヤクは多年草の位置づけです。




ボタンのつぼみは先端がとがっていますが、シャクヤクのほうはこのように丸くころんとした形。少しずつほどけながら、開花へと向かいます。





「江戸時代には観賞用に栽培が盛んになり、多くの園芸品種が作られた。日本のシャクヤクは和芍薬と呼ばれ、一重咲きが中心で、黄色の仮雄しべが発達した「金しべ咲き」(Japanese type)や仮雄しべが細い花弁状となった「翁咲き」(anemone type) などがある。」(三河植物観察「シャクヤク」)




「雌しべの形などはキンポウゲ科と非常に共通性が高い。同じ科とする意見があるのも納得である。」(植物雑学事典「シャクヤク」)




めしべは3~5独立してあります。
金しべ咲き:一重咲きですが、おしべは太くやや花弁化し、黄金色になっています。




まとめ

葉の形が違う
 ボタン   ギザギザの切れ込みが入る
 シャクヤク 切れ込みはなく、やや丸みを帯びている。

つぼみの形
 ボタン   やや先端がとがっている
 シャクヤク 丸くきれいな球形。

枝分かれの有無
 ボタン   木本(落葉性低木)なので冬になっても枝があり、幹は年々太くなっていく
 シャクヤク 宿根草なので、冬は地上部は枯れてなくなります。まっすぐに茎を伸ばし、茎の先に花を咲かせます。

雌しべの形が違う
 ボタン   雌しべは3~5本、柱頭が曲がり、子房の基部は花托に囲まれている
 シャクヤク 雌しべは3~5個、柱頭は側面が扁平、反曲、とさかがある。




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ビブルヌム、ガマズミ属、てまり花

2023-04-28 13:00:00 | みんなの花図鑑
まだ四月だというのに、ここ安城デンパークではアジサイみたいな大輪が咲いています。
以下ガマズミ属の大輪を5つほど。


ビブルヌム・ステリーレ

表題にもあるようにビブルヌムとは「ガマズミ属」のことです。

ビブルヌムという表記は 属名の Viburnum をラテン語読みしたものですが、通販カタログなどではよく「ビバーナム」と英語読みした表記で流通しています。



上の樹名板にあるように、「ビブルヌム・ステリーレ」は正しくは
Viburnum macrocephalum 'Sterile'
つまり Viburnum macrocephalumの園芸品種「ステリーレ」という意味だったんですね





Viburnum macrocephalum
ラテン語読みして ヴィブルヌム・マクロケファルム
または英語読みして ビバーナム・マクロセファラム
種小名の macrocephalum は「大きな頭花を咲かせる」の意味です。




品種名の 'Sterile' ですが・・・
樹名板には「ステリーレ」と読みがカタカナで書いてありますが・・・どういう意味なんでしょう?
'Sterile' で検索すると 筆頭に Sterile (英語)「無菌」
と出て来ます。読みは「ステラ」または「ステロ」






?ビブルヌム・ステリーレ?

これは樹名板がないので、正しい名前は不明です。




でも、たくさんあるビブルヌム・ステリーレの横に植わっているので、 Viburnum macrocephalumではないかと思いました。








葉はこんな風ですから ビブルヌム(=ガマズミ属)の何かだと思うのですが。





ビブルヌム・マクロケファルム

場所は 秘密の花園を出たところ

一番最初の「ビブルヌム・ステリーレ」が、実際は「ビブルヌム・マクロケファルム 'ステリーレ'」のことだったので、これは 園芸品種「ステリーレ」の親ということでしょうか?









?源平ビブルヌム?

この花も樹名板が見当たらず、「源平ビブルヌム」は私が勝手につけた仮名ですm(_ _)m




大輪ですが、少しピンクがかった花弁があるのが大きな特徴です。
正面玄関を入って左手に歩いていくと最初のマテバシイの木がありますがその右下です。



Google Lensで上の画像を検索すると「オオデマリ」(後述)と言ってきます。




このような葉ですから、ガマズミ属(ビバーナム)の仲間ではないかと思うのですが・・・





オオデマリ

花木園前のオオデマリです。

オオデマリだけは和名で呼んでいますが、
学名を見ると分かるように
Viburnum plicatum
Viburnum plicatum f. tomentosum
Viburnum plicatum var. plicatum f. plicatum
で、ガマズミ属なのです。



オオデマリの別名はテマリバナ。 アジサイに似たボール状の白い花を咲かせます。




オオデマリ

オオデマリは出生的にはヤブデマリ(Viburnum plicatum f. tomentosum)の花(ガク咲き)を、すべて装飾花(萼の部分だけ)(手まり咲き)に品種改良したものです。




花はアジサイの白の大輪のような花を咲かせますが、アジサイの仲間ではありません。
アジサイの葉はガマズミ属の葉のように葉脈がクッキリ浮き上がってません。











ハクサンボク

葉を見て判るように これもガマズミの仲間です。




ちがいは ガマズミは落葉樹、ハクサンボクは常緑です。




ハクサンボクの名は 石川県の白山からですが、白山が原産地というのは事実無根でした。




庭木図鑑 植木ペディアには
「本州の一部地域(伊豆半島、神奈川、愛知、山口)、伊豆諸島、小笠原諸島、高知、九州及び沖縄に分布」とあります。






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ネモフィラとワスレナグサ - るり色競演

2023-04-27 13:00:00 | みんなの花図鑑
ネモフィラ





ネモフィラはムラサキ科ネモフィラ属の植物で、和名をルリカラクサといいます。



これは自宅近くの畑に植えてあるネモフィラです。




「ネモフィラ(Nemophila)」は、ギリシア語で「小さな森」を意味する「nemos」と「愛する」を意味する「phileo」が語源ということです。








Wikipediaによると、「瑠璃色」というのは以下のような位置づけで、ネモフィラの花弁の色よりやや濃い感じがしますが・・・(´∀`)







ワスレナグサ

ワスレナグサは ムラサキ科ワスレナグサ属の植物。




ワスレナグサの色は「勿忘草色」と固有の名前があるくらいで、ネモフィラほど「るり色」とは呼ばれないようですが・・・




でも、和名の一つにちゃんと「瑠璃草」という名があるようです。








このワスレナグサは愛知県緑化センターのロックガーデンに上がる階段前の花壇にあったものです。




先日、岡崎で見たビロードツリアブがここにも来ていました。ビロードツリアブは様々な花を吸蜜に訪れるそうです。




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距(きょ)について - ウンラン、スミレ、ケマン

2023-04-26 13:00:00 | みんなの花図鑑
今日は3つの花を取り上げていますが、ごく最近撮ったのは最初のマツバウンランだけで、他のふたつはずっと前に撮ってお蔵入りしそうになっていたものです。形は違うけれど どの花もみな<距(きょ)>をもっているということで、まとめてみました。

マツバウンラン

マツバウンランは(現在はオオバコ科に分類されていますが、かつては)ゴマノハグサ科の植物で、リナリア属に属していました。
オオバコ科に再編されるのに伴い、属名はウンラン属 Linaria から分離されたマツバウンラン属 Nuttallanthusに改められています。(三河の植物観察「マツバウンラン 松葉海蘭」)




あぜ道に群れて咲くととてもキレイです。(この画像はスマホで撮りました)





旧属名リナリアに共通する唇形花の花と言ったほうが分かりやすいと思いますが、下唇の中央が大きく膨らみ白地に黄色い点模様があります。





リナリアに共通する花の咲き方を仮面状唇形花と言うそうです。





でも今日の話題はその仮面の奥に隠れた牙のような突起のほうです。





すべての花にこの突起(距)が付いています。
「距」は(きょ)と読んでいます。
距(きょ)  植物の花びらや萼 (がく) の付け根にある突起部分。内部に蜜腺 (みつせん) をもつ。スミレの花びら、ヒエンソウの萼などにみられる。(goo 辞書)




余談になりますが、「距」と書いて(けづめ)と読むばあいもあります。「キジ目の雄の鳥のすね のうしろ側に生じる突起」のことです。





距(きょ) spur
花の萼や花冠の基部近くから突出した部分。たとえばスミレ,ノウゼンハレン,ランなどにみられ,通常その内部に蜜腺があり,虫媒と関係がある。(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)




距(きょ)といっても、いろいろなタイプがあります。
あとに出て来るスミレの距はつぼ型で、キケマンの距は筒型です。





距があるので萼は距の部分を外して付いています。
というか、萼片の間から牙のように距が伸びています。






アリアケスミレ

(スミレの種類には全く詳しくないので、もしアリアケスミレでなかったら教えてください)




「アリアケスミレは、根出葉だけを出し、立ち上がる茎を持たないスミレで、その姿、葉の形、花の形など、非常にスミレに似ている。 ただし花色が白っぽく、その点でスミレとははっきり区別できる。」(Wikipedia)




スミレの距はマツバウンランの距とは形が大きく違っていて、これはつぼ型ですね




やはり花弁を保護していた萼片の間を抜けて出ています。




以前撮った画像ですが、何かの拍子で割れた(切られた)花があったので撮っていました。
子房の内部に胚珠が見えます。




つぼ型の距のほうに光って見えるものは蜜でしょうか?








キケマン

キケマンはケシ科の植物で「和名は黄色の花が咲くケマンソウという意味で、傷つけるといやな臭いがする。」(三河の植物観察「キケマン」)




キケマンの場合は花筒の底のほうがより張り出して距となっています。




「雄しべは、外側の花弁の内面につく距のある花弁に対生して束生し、中央の花糸の基部近くに蜜腺のある花弁の距が突き出る。」(同上)




(参考)ムラサキケマン














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ユズリハ - 可愛い雌花

2023-04-25 13:00:00 | みんなの花図鑑
木には雌雄異株が多く、ユズリハも雌雄別種別株です。

雌花

最初観たときは紅い若芽かと思いました。
今まで気にしてなかったのですが、ユズリハって何科の木なんだろうと思いました。元気のいい若芽の出方がクスノキ科のタブノキなどに似ているので、もしかしたらクスノキ科?




ググってみました。
そしたら、ユズリハ科(Daphniphyllaceae)と言う科があって、ユズリハ属(daphniphyllum)はすべてそこに含まれるということが分かりました。




「属名(Daphniphyllum)は"Daphne (月桂樹の古名) "+"phylla(葉) "の意味。
新葉が成長すると前年の葉が落ちる・・・この葉の新旧交代が著ぢるしく、良く目立つことが和名の由来のようです。新年の縁起物として用いられています。」(山や野に咲く花の写真集「ユズリハ科」より)





ヒマなので、ChatGPTなら何と答えて来るか、ついでに聞いてみました:
 ユズリハは何科に分類される木ですか?
ChatGPT ユズリハは、ユズリハ科(学名:Hamamelidaceae)に分類される落葉小高木です。ユズリハ科には、他にもハマメリス属(Hamamelis)や、リンドウジャノメ属(Loropetalum)などが含まれます。 

ChatGPTの答えは無茶苦茶です
学名:Hamamelidaceae はマンサク科
Loropetalum は トキワマンサク属のことです。

“平気で嘘をつくChatGPT" の面目躍如です。






余談(前にユキヤナギの原産地をChatGPTに尋ねてみたら、ユキヤナギをヤナギ属と勘違いして連動して”寒冷地に生息する” なんて返事してきたことがありましたが・・・
知らないなら知らないと言えばよいのに、ほんとうにいい加減な奴です。
こんなのを国会答弁に使おうとしている政府があるって新聞で見ましたが、ありもしないことを答弁内容にしてだれがチェックをするのでしょう。衰退していく国の症例を見るようで恐ろしいです。)




本題に戻って・・・
「雌花はおもしろい形で、なんと表現したらいいのであろうか・・・。」(植物雑学事典「ユズリハ Daphniphyllum macropodum」)




「2つに分かれた柱頭を持つ子房があり、…」(同上)




「その根元には緑色のフリルがある。」(同上)





DNAに着目した解析により現在はユズリハ科に分類されてますが、以前はトウダイグサ科に含まれていたそうです。
すべてのトウダイグサ科の植物がそうではありませんが、トウダイグサ科は「杯状花序」といってカップ状の苞葉の中に独特の花を咲かせます。この雌花を見ているとトウダイグサ科に分類していた理由が分かるような気がします(´∀`)




「これ(根元にある緑色のフリル)は雄しべの退化したものだそうで、仮雄しべとのこと。」(同上)








雄花

おまけで、ユズリハの雄花。




「雄花序(蕾)は赤色の大きな楕円状の塊をしておりよく目立つ。」(里山コスモスブログ「ユズリハ」)










赤い雄花の葯は花粉を放出し出すと銀白色になる。(同上)





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ヒトツバタゴとウワミズザクラ

2023-04-24 13:00:00 | みんなの花図鑑
ヒトツバタゴ

安城デンパークの「なんじゃもんじゃの森」のヒトツバタゴも雪が降ったように真っ白です。




モクセイ科ヒトツバタゴ属。




ヒトツバタゴの学名は Chionanthus retusus(キオナントゥス レツスス)




属名のChionanthusは、Chion (古代ギリシャ語の χιών(キオ~ン、「雪」)と ラテン語 anthos(花)の合成語です。




ヒトツバタゴは学名でも「雪の花」だったのです(^^♪









4月23日、安城デンパーク・なんじゃもんじゃの森にて





マルバアオダモ

アオダモやこのマルバアオダモはモクセイ科トネリコ属の落葉樹です。




マルバアオダモは、同属の樹木「アオダモ」に対して、葉の形や葉先が丸いということではなく、縁に明瞭な鋸歯がなく、滑らかであることから名付けられました。




「マルバ」という名前とは対象的に、アオダモよりも細長くなるため、「ホソバアオダモ」という別名があります。





4月18日、愛知県緑化センターにて






ウワミズザクラ
4月17日、於大公園(東浦町)にて

「花だけ見ると、とてもサクラの仲間とは思えない。」(森と水の郷あきた「樹木シリーズ⑫ ウワミズザクラ 」)




「コップを洗う細長いブラシのような白花を咲かせる。」(同上)




名前の由来もここがいちばん分かりやすいです
名前の由来・・・古代、シカの肩甲骨の裏に溝を彫り、この樹皮で焼き、溝の周辺に生じる割れ目を見て吉凶を占ったという。この裏溝が転じて「上溝桜(ウワミゾザクラ)」と書き、それが転訛してウワミズザクラと呼ぶようになった。古名は、古事記の「天の岩戸」に出てくる波波迦(ははか)という。 」(同上、ただし太字は引用者)




「1個の花は5弁で雄しべが長く伸び、多数、密につく。花をアップで撮ると、穂状に咲くコバイケイソウと同じく、その美しさと花の数に驚かされる。 」(同上)




「長さ10センチほどのロールブラシのように見える総状花序(小さな花を多数、密に咲かせる)を付ける。花は白色で5枚の花弁からなる。京都、新潟などでは、つぼみの総状花序を塩漬けにしたものを「杏仁香」と呼んで食用するという。」(丹波新聞)




高いところにしか咲いてなく、すべてコンデジの望遠側で撮りました。





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タラヨウにアオスジアゲハが

2023-04-23 13:23:44 | みんなの花図鑑
タラヨウ

タラヨウにアオスジアゲハが吸蜜に訪れています。




タラヨウの花は、シソ科の唇形花のような花筒はなく、神社でなおらいのときお神酒を入れるかわらけのような平たい花ですから、チョウのように長い口吻が無くてもハチでもアブでも蜜にありつけそうですが・・・




食草というものがあり、たとえばヤマトシジミの幼虫はカタバミ(オキザリス)だけを食べて大きくなると聞いたことがあります。
アオスジアゲハもそういう食草があるのでしょうか?




調べてみると、アオスジアゲハは「ヤブガラシ、トベラ、ネギ、ミカン、ソバなどの特に白、紫色の花の蜜を好んで吸う。」とあります(しぜんたんけんてちょう「アオスジアゲハ」)。





でも、ヤブガラシのように花盤にあふれるほどの蜜を出す花と比べると、このタラヨウ(ほかのモチノキ科もみなそうですが)腹いっぱいになるには時間がかかりそうですね





さて・・・
タラヨウはモチノキ科で雌雄異株の木です。




雄しべが4本伸びています。雌しべは(あれば中心に丸い子房が見えるはずなのですが、この花では)見えません。




なのでこの花は雄花で、このタラヨウは雄株のように見えるのですが・・・
4月17日、於大公園(東浦町)で撮影。




実を言うと
・・・私は、いつも冬に 同じ場所でこのような実がなるのを見ています。
・・・おかしいですよね! 赤い実がなるんだから、雌株なんですよね?!
それとも同じ場所に、雌雄一本づつ植えてあったのでしょうか??







モチノキ

参考までに、同じモチノキ科のモチノキの花です。
3月31日撮影。



モチノキも雌雄異株で、これは雄株に咲いた雄花です。



モチノキ科の花はみなこのように地味で、特に雄株は花が咲いた後は果実が実りませんので、注目されることはありません。



ちなみに、モチノキの雌花は中心の子房がはっきりしていて↓ 区別は容易です。





〔参考〕ソヨゴ

雄花



雌花




〔参考〕クロガネモチ

雄花



雌花



〔参考〕ウメモドキ(野生種)

雄花



雌花





〔参考〕ウメモドキ(園芸品種)

雄花



雌花






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街のなんじゃもんじゃ、田舎のヒトツバタゴ

2023-04-22 12:00:00 | みんなの花図鑑
明大寺通り(岡崎市)

岡崎市の明大寺通り(名鉄東岡崎駅前から明大寺本町交差点まで)に「なんじゃもんじゃの木」が街路樹として植わっています。それが雪をかぶったようにいま満開なのです。




これは夜景ではありません。黒い外壁のビルをバックに撮りました。





「なんじゃもんじゃの木」とはモクセイ科のヒトツバタゴのこと。モクセイ科というとキンモクセイとかライラックの花を思い浮かべますが、あちらはモクセイ科でもモクセイ属とハシドイ属。このヒトツバタゴはモクセイ科ヒトツバタゴ属。
ヒトツバタゴの属名は Chionanthus。意味は「雪の花」です。(詳細後述)




街の中のなんじゃもんじゃの木は、街の建物や街路灯とコラボして独特の魅力を発揮します。





ヒトツバタゴの学名は Chionanthus retusus(キオナントゥス レツスス)
属名のChionanthusは、Chion (古代ギリシャ語の χιών(キオ~ン、「雪」)と ラテン語 anthos(花)の合成語です。
ヒトツバタゴは学名でも「雪の花」だったのです(^^♪




和名のヒトツバタゴは「同じモクセイ科のトネリコ(別名「タゴ」)に似ており、トネリコが複葉であるのに対し、本種は小葉を持たない単葉であることから「一つ葉タゴ」」と呼ぶようになったとのこと(wiki「ヒトツバタゴ」)。




「雌雄異株であるが、雌花のみをつける株は存在せず、雄花をつける株と、両性花をつける株がある雄株・両性花異株である。」(同上)








別郷廃寺(安城市)

田舎のヒトツバタゴは、自宅近くの別郷廃寺のなんじゃもんじゃの木です。大きなクスノキの下に立っています。
今、ちょっと調べたら、クスノキをなんじゃもんじゃの木と呼ぶ地方があるとか。
そうすると、その地方でこういう風景に出会ったら「なんじゃもんじゃの大きな樹の下にヒトツバタゴの木がある」なんてこと、言うのかな??
そういえば、ヒトツバタゴの果実を小さく丸くするとクスノキの果実になるって、知ってました?!(^^)/





ヒトツバタゴの「タゴ」はトネリコのこと。
トネリコ
KENPEI - KENPEI's photo, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=2264956による




ヒトツバタゴの自生分布は「日本では対馬、岐阜県東濃地方の木曽川周辺、愛知県に隔離分布する珍しい分布形態をとる」(wiki「ヒトツバタゴ」)
木曽川周辺の自生ヒトツバタゴはシデコブシ・ハナノキとともに太古に存在した東海湖沿岸に堆積した土岐砂礫層を含む東海層群に自生する植物 “東海丘陵要素” のひとつです。




庭木図鑑 植木ペディアによるヒトツバタゴのまとめ
「雌雄異株で開花は5~6月。ヤマボウシやニセアカシアなどと同じころ、シマトネリコに似た花を咲かせる。花は弱々しく、簡単に風で飛び散ってしまうため観賞期間は限られる。開花期には木の下に雪が降ったように真っ白になる。」

撮影はすべて4月20日(木) 午前中です。



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ライラック、ビブルヌム、トキワマンサク - 四月ですから

2023-04-21 16:00:00 | みんなの花図鑑
季節が勝手に進んでいますが、暦の上ではまだ四月なので・・・
四月上旬に撮った樹に咲く花を。


ライラック

英語で Lilac(ライラック)
仏語で Lilas (リラ)




ところが、和名は「ムラサキハシドイ」
「ハシドイ」って何だ?
「ハシドイ(Syringa reticulata)は、東アジア原産のモクセイ科ハシドイ属の落葉性高木。」(wiki「ハシドイ」)

出典:ウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons)
URL https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Syringa_reticulata_USDA1.jpg
Author: Herman, D. E., et al. (1996). North Dakota tree handbook. - USDA NRCS






ハシドイのほうは「ライラック(ムラサキハシドイ)と同属であるが、低木のライラックなどと異なり高さ10m以上の高木となる。」(同上)




ライラックの花の特徴
先が4裂した花径1センチくらいの筒状花を密生して円錐花序(枝分かれして全体が円錐状に見える)をつくる。(みんなの花図鑑)




ライラックはモクセイ科の落葉樹です。モクセイ科ということは、花を見ると判ります。




この花をよ~く見ると、秋に香り良く咲く花に似ていることが分かります。(↓)そちらは金色ですが・・・



キンモクセイ







ビブルヌム・ジュッディー

4月1日 安城デンパーク・花木園にて。



樹名板には
 Viburunum x juddii
レンプクソウ(スイカズラ)科
とあります。




属名の Viburunumはビブルヌムとか ビバーナムと読んだりしてますが、要するに、「ガマズミ属」のことです。




Viburnum x juddii 一般名 Judd Viburnum(ジャッド・ビバーナム)の木は、1920 年に導入された雑種の低木で、高さと幅が 6 ~ 8 フィートになり、直立した丸みを帯びた形になります。春にピンク色のつぼみが開いて、香りのよい白い花の雪だるまの房ができます。(North Carolina Plant Toolbox)




ふさふさした中型の落葉低木で、濃い緑色の広く卵形の葉と、春の中頃から晩春にかけて、濃いピンク色のつぼみからドーム型のトラスで開く、甘く香りのよいクリーム色の白い花があります(RHS : Viburnum × juddii










トキワマンサク

同じく4月1日、安城デンパークで撮ったものです。




トキワマンサクは名前のとおり、マンサク科。




「トキワ」というのは常緑という意味です。




確かにマンサクの花同様 花弁が短冊形で、蕾のときは ぜんまいのように巻いています。







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