「いずれアヤメかカキツバタ」という表現があります。この言葉には「どちらが優れているか決められない」という意味と「どちらの花も似ていて区別できない」という意味があります。
今日はその後者「似ていて区別できない」アヤメ属の花を簡単に区別する方法を紹介します。
区別は簡単です
ポイントは 生育環境 で区別するということです。
アヤメ、アイリス類は陸上に生育します。
カキツバタは水際が好きです。
(ハナショウブはその中間です。)
陸上に生育するアヤメ属には複数あるので、今日は陸上アヤメ属に限って区別法を紹介しましょう。
アヤメ
陸上アヤメ属の 筆頭はアヤメです。
アヤメの学名は Iris sanguinea アイリス サングイネア
種小名の sanguinea は「血のように赤い」という意味だそうです(みんなの花図鑑「オオキツネノカミソリ(リコリス) 」)。
サングイネア sanguinea は血紅色という意味(京都府「ホルムショルディア サングイネア」)
アヤメの象徴は花弁の付け根のところにある文様です。
写真だけで 生育環境が分からなくても 花弁の付け根についているこの網目模様を見れば 他のアヤメ属には無いものですから、アヤメと判別できます。
「あやめ」の名の由来は、花びらに網目の模様があったことから、文目(あやめ)と呼ばれるようになったといわれています。
ダッチアイリス
陸上アヤメ属 その2は ダッチアイリス(別名「オランダアヤメ」)です。
ダッチアイリスの特徴は花弁の付け根中央に幅広の黄色の斑があること。
花弁全体が黄色のダッチアイリスもあります。黄色のダッチアイリスでも中央の班の色は変わりません。
ジャーマンアイリス
陸上アヤメ属 その3 はジャーマンアイリスです・
ジャーマンアイリスは、1800年代から地中海沿岸や小アジア原産の何種類かのアイリスを交配して出来た品種。 日本ではヨーロッパで初期に作られたゲルニカ種が入ってきたので、ジャーマンアイリスと呼ばれるようになりました。
学名 Iris × germanica (x は交配種の意)
そして、花弁の付け根中央の黄色い「ヒゲ」がジャーマンアイリスの特徴です。
花弁のつけ根の近くにブラシのように毛が密生して盛り上がっています。こういうたぐいのアイリスをビアデッドアイリス(ヒゲアイリス)と呼ぶようです。
手前の一本だけジャーマンアイリス。バックはアヤメです。
イチハツ
学名: Iris tectorum
「'tectorum' という種小名はラテン語で「屋根の」という意味で、昔は屋根に植えて大風を防いでいました。」(かぎけん花図鑑「イチハツ | Iris tectorum」 )
外花被片にはトサカ状の突起物が付いており、これがイチハツの大きな特徴となっています。
ということで、見出し画像の4つの花は
(左上)アヤメ (右上)ダッチアイリス
(左下)ジャーマンアイリス(右下)イチハツ
でした(*^^*)
画像は控えておきますが、この外花被片の中央に
白い斑紋があれば、カキツバタで、通常池の縁に生育しています。
また、そこが黄色い斑紋であれば、ハナショウブの可能性が高いでしょう。
以上のポイントを押さえて応用問題です !(^^)!
応用問題1
全体が黄色一色です。これは何でしょう?
蜜を漁りにハナバチが来て花弁の中に潜り込んでいきましたよ
答えは 花弁の付け根が黄色なのでダッチアイリスです。
色が白に変わっても、中央の班は黄色だからダッチアイリスです。
応用問題2
では、こちらは何でしょう? 生育場所は畑です。
花弁の付け根を見るとブラシ状の毛が生えています。答えは ジャーマンアイリスでした。
応用問題3
では、これは?
花弁の中央を見ると、網目模様が広がっています。文目紋です。
名板には一般的なアヤメより早く咲くので「サキガケアヤメ」と書いてありますが・・・
アヤメで正解としましょう \(^o^)/
アヤメ Iris sanguinea
サキガケアヤメ Iris unguicularis unguicularis は「爪のある」という意味だそうです(みんなの花図鑑)
(もっとも Iris unguicularis で検索すると「カンザキアヤメ(寒咲文目)」が出て来ますが (´v_v`))
あとは、おまけでアヤメ属とアヤメ科を、ふたつ
シャガ
学名:Iris japonica
中国と日本原産です。
チリアヤメ
アヤメ科 チリアヤメ属
学名 :Herbertia amoena
散歩の途中で久しぶりにOさんに出会いました!
Oさん「ねぇねぇ、珍しいアヤメがあるから写真撮ってって!」
私 「へぇ~、以心伝心ですね、ちょうどアヤメの写真を色々集めてるところでした」
撮影:4月29日
Oさん「チリアヤメと言って朝の内だけ咲くのよ」
私 「や~、小さいですねぇ 踏んづけてしまいそう」
Oさん「あっちに鉢植したのがあるからそっちを撮ってって」
私 「ところで チリアヤメのチリって まさか国名のチリじゃないですよね? ちりのように小さいってことですかね? 」
Oさん「分からない。カタカナで書くんでしょ」
ところがチリの由来はそのまさかでした
「和名は南米チリ産のアヤメの意から」(GKZ植物事典)
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今日はその後者「似ていて区別できない」アヤメ属の花を簡単に区別する方法を紹介します。
区別は簡単です
ポイントは 生育環境 で区別するということです。
アヤメ、アイリス類は陸上に生育します。
カキツバタは水際が好きです。
(ハナショウブはその中間です。)
陸上に生育するアヤメ属には複数あるので、今日は陸上アヤメ属に限って区別法を紹介しましょう。
アヤメ
陸上アヤメ属の 筆頭はアヤメです。
アヤメの学名は Iris sanguinea アイリス サングイネア
種小名の sanguinea は「血のように赤い」という意味だそうです(みんなの花図鑑「オオキツネノカミソリ(リコリス) 」)。
サングイネア sanguinea は血紅色という意味(京都府「ホルムショルディア サングイネア」)
アヤメの象徴は花弁の付け根のところにある文様です。
写真だけで 生育環境が分からなくても 花弁の付け根についているこの網目模様を見れば 他のアヤメ属には無いものですから、アヤメと判別できます。
「あやめ」の名の由来は、花びらに網目の模様があったことから、文目(あやめ)と呼ばれるようになったといわれています。
ダッチアイリス
陸上アヤメ属 その2は ダッチアイリス(別名「オランダアヤメ」)です。
ダッチアイリスの特徴は花弁の付け根中央に幅広の黄色の斑があること。
花弁全体が黄色のダッチアイリスもあります。黄色のダッチアイリスでも中央の班の色は変わりません。
ジャーマンアイリス
陸上アヤメ属 その3 はジャーマンアイリスです・
ジャーマンアイリスは、1800年代から地中海沿岸や小アジア原産の何種類かのアイリスを交配して出来た品種。 日本ではヨーロッパで初期に作られたゲルニカ種が入ってきたので、ジャーマンアイリスと呼ばれるようになりました。
学名 Iris × germanica (x は交配種の意)
そして、花弁の付け根中央の黄色い「ヒゲ」がジャーマンアイリスの特徴です。
花弁のつけ根の近くにブラシのように毛が密生して盛り上がっています。こういうたぐいのアイリスをビアデッドアイリス(ヒゲアイリス)と呼ぶようです。
手前の一本だけジャーマンアイリス。バックはアヤメです。
イチハツ
学名: Iris tectorum
「'tectorum' という種小名はラテン語で「屋根の」という意味で、昔は屋根に植えて大風を防いでいました。」(かぎけん花図鑑「イチハツ | Iris tectorum」 )
外花被片にはトサカ状の突起物が付いており、これがイチハツの大きな特徴となっています。
ということで、見出し画像の4つの花は
(左上)アヤメ (右上)ダッチアイリス
(左下)ジャーマンアイリス(右下)イチハツ
でした(*^^*)
画像は控えておきますが、この外花被片の中央に
白い斑紋があれば、カキツバタで、通常池の縁に生育しています。
また、そこが黄色い斑紋であれば、ハナショウブの可能性が高いでしょう。
以上のポイントを押さえて応用問題です !(^^)!
応用問題1
全体が黄色一色です。これは何でしょう?
蜜を漁りにハナバチが来て花弁の中に潜り込んでいきましたよ
答えは 花弁の付け根が黄色なのでダッチアイリスです。
色が白に変わっても、中央の班は黄色だからダッチアイリスです。
応用問題2
では、こちらは何でしょう? 生育場所は畑です。
花弁の付け根を見るとブラシ状の毛が生えています。答えは ジャーマンアイリスでした。
応用問題3
では、これは?
花弁の中央を見ると、網目模様が広がっています。文目紋です。
名板には一般的なアヤメより早く咲くので「サキガケアヤメ」と書いてありますが・・・
アヤメで正解としましょう \(^o^)/
アヤメ Iris sanguinea
サキガケアヤメ Iris unguicularis unguicularis は「爪のある」という意味だそうです(みんなの花図鑑)
(もっとも Iris unguicularis で検索すると「カンザキアヤメ(寒咲文目)」が出て来ますが (´v_v`))
あとは、おまけでアヤメ属とアヤメ科を、ふたつ
シャガ
学名:Iris japonica
中国と日本原産です。
チリアヤメ
アヤメ科 チリアヤメ属
学名 :Herbertia amoena
散歩の途中で久しぶりにOさんに出会いました!
Oさん「ねぇねぇ、珍しいアヤメがあるから写真撮ってって!」
私 「へぇ~、以心伝心ですね、ちょうどアヤメの写真を色々集めてるところでした」
撮影:4月29日
Oさん「チリアヤメと言って朝の内だけ咲くのよ」
私 「や~、小さいですねぇ 踏んづけてしまいそう」
Oさん「あっちに鉢植したのがあるからそっちを撮ってって」
私 「ところで チリアヤメのチリって まさか国名のチリじゃないですよね? ちりのように小さいってことですかね? 」
Oさん「分からない。カタカナで書くんでしょ」
ところがチリの由来はそのまさかでした
「和名は南米チリ産のアヤメの意から」(GKZ植物事典)
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