アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ニシキギ科の小さな花 - 樹に咲く花8

2022-04-30 06:00:04 | みんなの花図鑑
《樹に咲く花》第8回は ニシキギ科ニシキギ属の花特集です。


ツリバナ

小さな花で直径1cmにも足りません。




長い花柄の先に花がぶら下がるのでツリバナと呼ばれます。




ちょっとの風が吹いても花がそよぐので撮影者泣かせの花です。




ツリバナは 5数性で、花弁は5枚、おしべも5個つきます(果実も5つに割れます)。





一緒に写っている葉は 紅花トキワマンサクの葉です。




少しだけ紅色がかった花弁(花被片?)と抹茶色の花盤のコラボが結構きれいです。







マユミ

マユミの花も基本はツリバナと同じです。




マユミの花は 4数性で、花弁は4枚、おしべも4個です(果実も4つに割れます)。




以前途中まで調べたときは 雄花と両性花があるような気がしましたが・・・




この花は 雄しべの紅い葯もしっかりしているし、雌しべの柱頭もにょっきり出てますから、両性花のようです。




それに比べると、こちらは雌しべの背が低く雄しべの背が高いので、雌しべの退化した 雄花かもしれません。







ニシキギ

3番目は ニシキギ属のニシキギです。
花は ますます小さいです。




花柄が長いですが、それもツリバナほどではありません。




古い枝はコルク質の翼が出ていて、ニシキギとすぐ分かります。




花のほうは 葯の色が黄色の他はすべて黄緑色をしていて目立ちません。




花弁は4枚あるし、おしべも4つなので4数性と思いきや、果実は2つに割れるだけです。






いずれがアヤメか、アイリスか?

2022-04-29 06:00:01 | みんなの花図鑑
最近よく見るアヤメ科アヤメ属の花を、花弁(花被片)の模様から区別してみます。



アヤメ

まず最初はアヤメです。
アヤメの学名は Iris sanguinea
属名のIris (イリス)はアヤメ属のことですが、英語風に読めば アイリスとなります。
ただし、アヤメは日本古来の品種に対し、
後述するオランダアヤメ(ダッチアイリス)やドイツアヤメ(ジャーマンアイリス)は洋種と出自が違います。




アヤメの花の特徴は 網目模様にあります。いわゆる「文目(あやめ)紋」です。




アヤメ紋は軸のほうまで伸びています。




ミツバチがやってきてシベのほうに首を突っ込んでいます。
以上、4月28日@愛知県緑化センター


以下、雨に濡れるアヤメ

コンデジで撮影したので色の再現性が良くないです。















次は、園芸品種のアヤメ

名前を「サキガケアヤメ」といいます。



もっとも私には アヤメとこのサキガケアヤメの違いが判りません。













ダッチアイリス(オランダアヤメ)

ダッチアイリスはアヤメ属の球根アイリスの1種で、スパニッシュアイリスに様々な種を掛け合わせて作られました。
学名:Iris × hollandica




日本で単にアイリスというとこのオランダアヤメ(ダッチアイリス)を指す。(三河の植物観察「オランダアヤメ 」)




花弁(正確には外花被片)に黄色い斑紋があるのが特徴です。
花弁が青いと黄色い斑紋が目立つのですが、全体が黄色のダッチアイリスもあります。
オランダアヤメにアヤメのような網目模様はありません。





外花被片にはっきりとした黄色の菱模様があるアヤメ属にハナショウブがあります。

ハナショウブもやはり弁元に黄色い班があるので花だけ見てるとオランダアヤメとの区別が難しいですが、実際は ハナショウブはもっと遅く咲き、生育場所も湿地と、 オランダアヤメのように乾地を好みませんので、 自然にあるときは 区別に迷うことはないようです (^^♪



カキツバタとキショウブ (追加)

4月30日に 彦左公園(幸田町)の池の縁で撮ったカキツバタとキショウブを追加しておきます。

カキツバタは湿地に生育します。(アヤメは陸上)

花びらの付け根のサインは
●アヤメが 文目(アヤメ)紋(網目模様)
●ハナショウブ が 黄色だったのに対し、
●カキツバタは「白い筋」がついているのが特徴です。




キショウブ(学名: Iris pseudacorus )は「西アジアからヨーロッパ原産の植物で、明治頃から栽培されていたものが日本全国の水辺や湿地、水田脇に野生化している上に、林縁など湿地以外の場所にもよく生育するため、拡大の懸念がある。」(wiki 「キショウブ」)







ジャーマンアイリス(ドイツアヤメ)

ヨーロッパに野生する自然交雑種ゲルマニカをもとにして、ほかのいくつかの原種も取り入れて交配育成が行われた系統です。
学名:Iris germanica Hybrid




ジャーマンアイリスは 色とりどりの花を咲かせ、アイリスの仲間では最も華やかで、非常に多くの品種があります。





花弁のつけ根の近くにブラシのように毛が密生しているのが特徴です。

























ついでに最近よく見るアヤメ科の花をあと2つ。

イチハツ

学名:Iris tectorum



中国中南部からミャンマー北部の原産で、日本にはかなり古い時代に渡来したと推定されています。




イチハツ(一初)は、古くから”アヤメ科の植物で一番はやく咲く”といわれることにちなんで名付けられた草花です。




花は外花被片3枚と、内花被片3枚があり、外花被片にはトサカ状の突起物が付いていてこれが最大の特徴となっています。







シャガ

学名:Iris japonica
学名の種小名が japonica ですが、シャガは古い時代に日本に中国から持ち込まれた植物らしいです。




外側3枚の外花被片(萼片相当)に模様があります。
内側3枚の内花被片(花弁相当)にははっきりした模様はありません。




内花被片のさらに内側にそそり立つ、先端がひげ状になっているものが雌しべ なんだそうです。









「人家近くの森林周辺の木陰などの、やや湿ったところに群生する。」(wiki「シャガ」)




「シャガは中国原産で、かなり古くに日本に入ってきた帰化植物である。三倍体のため種子が発生しない。」(同上)




「このことから日本に存在する全てのシャガは同一の遺伝子を持ち、またその分布の広がりは人為的に行われたと考えることができる。」(同上)




「したがって、人為的影響の少ない自然林内にはあまり自生しない。スギ植林の林下に見られる場所などは、かつては人間が住んでいた場所である可能性が高い。そういう場所には、チャノキなども見られることが多い。」(同上)



気安く「ブタナ」と呼ばないで - 彦左公園

2022-04-28 06:00:01 | みんなの花図鑑
彦左公園というのは愛知県幸田町の工業団地のなかにある小規模な公園です。
「特に遊具はありませんが、春は桜の花見を、秋は木の実拾い(松かさ・どんぐり等)と自然の中でゆったりと散策が楽しめます。赤松の松林がみどころです。」(幸田町ホームページより)
彦左公園のもう一つの見ものは、春、この地域では珍しいハイノキ科のクロバイの花が見られることです。
彦左公園の中にはため池があります。
実をいうとため池の右岸の山は子供の頃、私の実家の山で、季節になると松茸を採りに行ってました。
クロバイの花はまだ咲き始めで木の高いところしか咲いてなかったので、今日は公園内で目についた野草をとりあげます。



ブタナ

ブタナ(豚菜)なんて馬鹿にしちゃいけない!
こんなに高貴できれいなんですよ
もっともブタナの名は日本人が勝手につけたのでなくフランス名の「ブタのサラダ」を訳したものなんだそうですが・・・




ブタナは キク科タンポポ亜科の野草。
「ヨーロッパ原産の帰化植物であり、在来のタンポポの花が終わった頃から夏までの比較的長い期間、タンポポと間違うほどよく似た花を咲かせる。」(植物雑学事典「ブタナ」)
キク科の花はたくさんの小花の集合花で、ヒマワリなどの頭花は中心の筒状花と周囲の舌状花からできていますが、タンポポ亜科の花はすべて舌状花より出来ています。
舌状花は花弁が一枚だけ肥大化していてこの花弁の付け根に雄しべ筒の中から雌しべが伸びています(後述)。




めしべの柱頭がカールしてひつじの角のようになっています。




この一枚一枚が一つの花です。




頭花(小花の集合)の周りを萼片のような厚い葉が取り巻いています。タンポポの花と同じですね




単一の花を保護する器官は萼ですが、複数の花をまとめて(総じて)包む器官は「総苞」と呼ばれます。





これは 雌しべが展開する前の雄しべ期の花です。
雌しべの花柱に花粉がいっぱいついています。おしべは集まって合着して筒になっていて、その雄しべ筒の中を雌しべが花粉を付着させながら伸びてくるのです。















雄しべ期が終わると花柱の先の柱頭が展開を始め、見出しの画像のようにカールして成熟します。



同上






ニガナ

ニガナもタンポポ亜科なので花の仕組みは上のブタナと同じですね




黒いおしべ筒の中を雌しべ棒が花粉を付着させながら成長してきて花粉を放出した後、雌しべ棒を花柱に、花柱の先に柱頭を展開させ、受粉体制に入ります。





オニタビラコ

いっしょにあった野草はやはりキク科タンポポ亜科のオニタビラコです。



花の仕組みは上の2つと同じはずなんですが、何しろ花がうえの2つよりずっと小さいので、画像では確認できません。






ハルジオン

さて、いっしょにあった野草はこんどは キク科でもキク亜科のほうのハルジオンです。




ハルジオンの頭花は 周囲の舌状花と中央の筒状花から構成されています。





頭花を包む総苞片もタンポポ亜科の総苞片に比べるとやさしい感じです。















キツネアザミ

最後にいっしょに咲いていたのはやはりキク科のキツネアザミでした。
キク科ばかりを集めたのでなく、公園で咲いていた野草が期せずしてみなキク科だったわけです。




キツネアザミは キク科アザミ亜科の野草。
史前帰化植物で、アザミ属ではないけれど誰が見てもアザミと騙されてしまうのでキツネアザミと呼ばれるようになったのだとか。
アザミ属ではないけれど、アザミ亜科の野草なので、似ていて当然。
ただし、キツネアザミ属にはアザミ属のような棘がありません。




アザミ亜科の頭花の特徴ですが、こんどは小花はすべて筒状花で、舌状花はありません。




確かに キク亜科の頭花から舌状花を取り払ったような形状をしています。




総苞片には とさか状の突起があります。





コバノミツバツツジ - エビデンス?

2022-04-27 06:00:05 | みんなの花図鑑
きょうはちょっと前に愛知県緑化センター周辺雑木林で咲いていたミツバツツジについて、です。
ミツバツツジもコバノミツバツツジも花冠はピンクというか紫紅色をしています。
区別点はどこでしょう?


コバノミツバツツジ1

「葉はミツバツツジと同様の菱形で、三枚一組になって枝先につく。ミツバツツジには種類が多いが、いづれの物よりも葉が小型であるため「コバノ(小葉の)~」と名付けられた。」(庭木図鑑 植木ペディア > コバノミツバツツジ)
しかし、葉の大小で区別できるためには2種類を同時に比べてみることができないと大小は判断できません。
花を見て、もっと端的に区別する方法はないでしょうか?




そこで登場する第1番目のエビデンスが「花冠は紫紅色で・・・上側の弁に濃色の斑点がある」という点です。




この花冠も上側の弁に斑点模様があります。これで識別できるならわかりやすい標識ですね。














コバノミツバツツジ2

道路沿いの雑木林に並木のように(コバノ)ミツバツツジがあります。




この花は花冠上部の斑点模様が薄いようです。




この株など 斑点模様がほとんどありません。
ではこの株は コバノミツバツツジではなく、ミツバツツジなのでしょうか?




いいえ、斑点模様が無くても、これはコバノミツバツツジなのです。
第2のエビデンスは 雄しべの数です。
ミツバツツジの雄しべは5本ですが、
コバノミツバツツジは 大小合わせて(本来)10本のおしべをもっています。




つまり、斑点模様が無くても、おしべが10本あれば コバノミツバツツジなのです。
実際には (脱落して)完全に10本揃っていないこともありますが、5本を超えてあればコバノミツバツツジということです。

そこで結論。 上側花弁の斑点模様の有り無しは判定基準として使えないということになります。

「花冠は紫紅色で直径約3cm。上側の弁には濃色の斑点があるが、あまり目立たないものもある。雄しべは10本で、長いものが5本、短いものが5本。時に発達が悪いものが混じり、減数する。」(植物雑学事典「コバノミツバツツジ Rhododendron reticulatum  (ツツジ科 ツツジ属)」)

雨の日はコンデジ散歩

2022-04-26 06:00:01 | みんなの花図鑑
この前の日曜日(4月24日)は「植物学の日」なんだそうです。
「日本の植物学の父」と呼ばれた植物学者・牧野富太郎の生誕日(1862年旧暦4月24日)に由来。(東京新聞)
日曜日はあいにくの雨でした。
雨の日の散歩はコンデジ片手に(もう片手にはもちろん傘持って)散歩です。

以下、出合った花をランダムに。
名前の分からない花がずいぶんあります。「?」マークをつけてますので、正解を教えてくださいm(_ _)m


01 レッドロビン








02 ベニカナメモチ









03 コデマリ










04 羽衣ジャスミン










05 ウンナンオウバイ




06 クレマチス







07 ツルニチニチソウ







08 エンドウ










09 スィートピー






10 シラン









11 ネギ(ネギ坊主)









12 セイヨウアブラナ










13 ヤグルマギク?






14 リナリア








15 ハゴロモギク?









16 Harlequin flower(アヤメ科スパラクシス属)?










17 イングリッシュ・ブルーベル






18 ポポー













19 ルピナス






20 ナデシコ?







21 ジャーマンアイリス









22 カモミール?






23 ボタン






24 シャクナゲ??











25 モッコウバラ










26 ヒメシャリンバイ










27 ユリオプス属ゴールデンクラッカー?










増補版・ヒトツバタゴ - 樹に咲く花7

2022-04-25 17:13:35 | みんなの花図鑑
雨の日曜日(4月24日)に 満開のヒトツバタゴを見たので、きょう(月曜日)慌てて安城デンパークの「なんじゃもんじゃの森」にヒトツバタゴを見に行ってきました。気温は30℃。もう夏日です。























4月24日は「植物学の日」なんだそうです。
「日本の植物学の父」と呼ばれた植物学者・牧野富太郎の生誕日(1862年旧暦4月24日)に由来。(東京新聞)
今年の4月24日は日曜日で雨の日でした。
近くの別郷廃寺で、ヒトツバタゴの花が早くも咲いてました。
4月24日「植物学の日」にもうヒトツバタゴが満開だなんて!



モクセイ科の木で、タゴとはトネリコの別名です。




遠くから見ると、雪が積もったように見えます。




ヒトツバタゴは別名「なんじゃもんじゃの木」。




「日本では対馬、岐阜県東濃地方の木曽川周辺、愛知県に隔離分布する珍しい分布形態をとる(但しこれらの地域以外でも植栽の樹木の実の種が野鳥に運ばれて着床して自生している自生の樹木を山林の中で観察することができる)。」(wiki 「ヒトツバタゴ」)




「雄花をつける株と、両性花をつける株がある」(同上)




「愛知県犬山市池野西洞、岐阜県瑞浪市釜戸町、同県恵那市笠置町、同県中津川市蛭川の自生地は一括して国の天然記念物(「ヒトツバタゴ自生地」)に指定されている。」(同上)




「また、長崎県対馬市上対馬町鰐浦地区には、約3000本の本種が自生しており、「鰐浦ヒトツバタゴ自生地」として国の天然記念物に指定されている。」(同上)




学名:Chionanthus retusus Lindl. et Paxton
Chionanthus は、ラテン語で、Chionは雪、anthusは花のことで、雪が積もったように白い花 という意味です。




ユズリハ - 樹に咲く花6

2022-04-24 06:00:02 | みんなの花図鑑
雌花

ユズリハは雌雄異株です。
まず雌株に咲いた雌花。




緑色の子房の頭に鮮やかな紅色の柱頭を載せています。




緑色をした子房の基部に半球形の黒子がいくつかついていますが、これは<萼状片>といって萼の名残(あるいは退化したもの)ということです。




紅色の柱頭は 花粉が付着しやすいように柔らかで湿っているように見えます。




今回の収穫は(見出し画像にも載せたように)柱頭に水滴状のものが載っていたことです。
たまたまこの花序だけについていた水滴なのかもしれませんが、
裸子植物の「受粉滴」を思わせます。




単なる水滴としても 柱頭の紅色が反射してきれいです。





雄花

雄株の雄花のほうは、やはり雌花より数が多いです。




葯は最初クリーム色をしていますが、割れて花粉を放出すると暗灰色に変わります。




「赤橙色の頂芽(葉や枝になる葉芽)から若々しい幼葉が展開し、それが成葉になる頃には、古葉は新葉に代を譲り落葉する。これが和名の由来になる。前年枝の葉腋についた花芽(赤橙色の小球形)が展開すると、総状花序が出てくる。」(里山コスモスブログ「ユズリハ(譲り葉) 雄株の雄花と雌株の雌花」)




雄しべはバナナの房のようです。




完全に花粉を放出しきると黒色に変わるのでしょうか? ところどころこのような真っ黒に近い雄花が見られます。





エニシダ、エンドウ、スウィートピー - マメ科の花たち

2022-04-23 06:00:05 | みんなの花図鑑
エニシダ

以前「エニシダ」を取り上げたとき、エニシダはラテン語の「genista(ゲニスタ)」がスペイン語で「hiniesta(イニエスタ)」となり「イニエスタ」が日本語に入って「エニスタ」と呼ばれるようになり、更に変化して今日の「エニシダ」という名前となったことを知りました。




ではエニシダを 漢字で「金雀枝」と書くのは どこから来ているのでしょうか?




【日本辞典】によると
「金雀枝」は、黄金色のチョウ形の花の揺れる様が、雀が枝にとまり、さえずっているように見えることに由来する。
とあります。



マメ科の特有の花の形を蝶形花(ちようけいか)と言います。
一番大きくて 上に立っているのが 「旗弁」です。虫に花のありかを知らせるフラッグ(旗)の役目をします。





ムレスズメ

雀が枝にとまるように、花が枝に並んで咲く(庭木図鑑 植木ペディア > ムレスズメ)




桜の花が散るころ、エニシダに似た黄色の花を咲かせる。(同上)




咲き始めは黄色だが、次第に赤みを帯びてくる。(同上)



【英名】Chinese peatree (同上)









エンドウ

エンドウ(豌豆)は 「古代オリエント地方や地中海地方で麦作農耕の発祥とともに栽培化された豆で、原産地域であるフェルガナから漢に伝来した際に、フェルガナの中国名が大宛国であることから豌豆(えんどう=宛の豆)と名付けられたことが名の由来となっている。」(wiki「エンドウ」)



なので、エンドウ豆では 「豌豆豆」になってしまうので、 エンドウ(豌豆)だけでいいみたいです。



さやの硬さにより、硬莢種(こうきょうしゅ)(P. sativum subsp. arvense) (Poir.) と軟莢種(なんきょうしゅ)(P. sativum subsp. hortense) (Asch.) がある。(同上)



軟莢種は莢が柔らかく、未熟な莢をサヤエンドウとして利用したり、成長を終えて乾燥前の生の豆をグリーンピースとして利用する。(同上)



花は白いものが多い。(同上)



スナップエンドウは軟莢種の中でも豆が大きく成長しても莢が柔らかく、豆と莢の両方を野菜として利用できる品種である。(同上)









スウィートピー(俗に 'スイートピー')

スウィートピーは 英語の Sweet pea のことで、 直訳すれば「甘いエンドウ」の意。




sweet pea なのですから、カタカナにすればスウィートピーなのだと思いますが、スイートピーの表記がまかり通っています。




スウィートピーは 葉のわきに大形の紅・桃・紫・白色などの蝶形花をつけます。



スウィートピーは イタリアのシチリア島の原産。麝香豌豆 (じゃこうえんどう) 。




学名 Lathyrus odoratus で、マメ科レンリソウ属の植物。



有毒植物であり、成分は同属の種に広く含まれるアミノプロピオニトリル (β-aminopropionitrile) で、豆と莢に多く含まれる。(wiki 「スイートピー」)






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カロライナジャスミン、ウンナンオウバイ - めしべの観察

2022-04-22 06:00:05 | みんなの花図鑑
黄色い花のちょっと似ているカロライナジャスミンとウンナンオウバイ。
めしべで区別できないか、観察してみました。


カロライナジャスミン

カロライナジャスミンはこの次に取り上げるウンナンオウバイとよく間違われます。とくに、このように花だけ正面からアップで見た場合は。




花だけでも横から見たりすれば、カロライナジャスミンは別名「トランペットフラワー」の名の通り筒状花に特徴があります。
葉も両方を見比べればその違いは歴然としていますが、目の前にないと区別の標識になりません。




カロライナジャスミンは筒の先が5つに割れています。5弁花です。
シベが少し割れて伸びていますが、これは雄しべです。




雄しべは花弁の数もしくはその倍数だけあるといわれてます。




同じ日に同じ場所で撮ったので、雌しべの分かる花がありません。
そこで・・・




これは別の日別の場所で撮ったカロライナジャスミンです。
下のほうにおしべがあり、雄しべの輪の中心からめしべが伸びています。
めしべの柱頭が4つに割れています。
そうです、カロライナジャスミンはここがウンナンオウバイと異なるのです。





(既出ですが)横から見れば、トランペット型の筒をしているので、これも大きな区別点になります





大部分の花はまだ雌しべが伸びていない初期の花でしたが、一部、受粉後の状態が見られました。
受粉すると、花弁とおしべは脱落し、雌しべだけになります。
向かって左の花はまだ雌しべの柱頭が残っていますが、中央の花は柱頭も枯れ、子房が膨らみだしています。






ウンナンオウバイ

ウンナンオウバイは常緑です。青い蔓に緑の葉と一緒に花が咲きます。
こうして全体を見れば、咲き方はカロライナジャスミンとは明らかに違うのですが・・・





通常花冠の先は6~8に裂けるといわれてますが、
花を正面から見ると、ときに5弁花のこともあるので、カロライナジャスミンと区別できなくなります。




そんなときは近くによって雌しべを観察しましょう。カロライナジャスミンの柱頭は4つに割れていましたが、こちらは明瞭に割れていないようです。
雄しべが見えませんが・・・




別の日に撮った(20-02-26) 雄しべの見えるウンナンオウバイの花です。
な、なんと、花弁は5~6枚あるのに、おしべは2つしかありません。
おしべが見えていれば、雄しべの数でもカロライナジャスミンと区別できそうです。





最後に、これは?
よくわからないのですが、見たところ、おしべが花弁化(八重化)し始めている花のようにも見えます。
八重の花は雄しべが花弁に変化したと言われてます。
ウンナンオウバイの雄しべは2個しかないのですべての雄しべが花弁になっても正真正銘「八重」の花弁です。


後出しですが、カロライナジャスミンはジャスミンの名がついてもジャスミンの仲間ではありません。香りがジャスミンの香りに似ているので、その名前が付いたようです。また、イエロージャスミンという別名もあります。
いっぽう、ウンナンオウバイはジャスミンの名が付いていませんが、モクセイ科ソケイ属 (Jasminum)でれっきとしたジャスミンの仲間です。ですが、ウンナンオウバイはあまり匂いません。





ついでに、黄色い花つながりで レンギョウとヤマブキも。



レンギョウ

花冠の形は独特ですが、レンギョウは モクセイ科 レンギョウ属の木です。




そのため、雄しべ・雌しべは ウンナンオウバイのシベによく似ています。


















ヤマブキ

黄色い花というだけで、これまでの3つとは大きく異なります。




ヤマブキ(学名: Kerria japonica)は バラ科ヤマブキ属。




ヤマブキというと
七重八重 花は咲けども 山吹の 実の一つだに なきぞ悲しき 『後拾遺集』兼明親王
という歌が浮かびます。




歌の前提となっているのは、一重のヤマブキには雄しべがたくさんあるから普通に実がなりますが、八重化したヤマブキは雄しべが花弁に変化しているため花粉ができず、また雌しべも退化しているので実がつかないということです。






ハナミズキ - 樹に咲く花5

2022-04-21 06:00:01 | みんなの花図鑑
最近は 犬も歩けばハナミズキですが !(^^)!
3か所で撮ったハナミズキの花と堀内公園の鯉のぼりです。


ハナミズキ 1

「ハナミズキ(花水木、学名: Cornus florida)は、ミズキ科ミズキ属ヤマボウシ亜属の落葉高木。別名、アメリカヤマボウシ。」(wiki「ハナミズキ」)
花弁のように見えるのは総苞片で、「開花時期に総苞片がしばらくの間、風呂敷の四隅をつまんで縛ったような形態となっていて、横から見れば輪になったように見える」(続・樹の散歩道「ハナミズキの奇妙な総苞片には理由があるのか」)





一点で留まって輪になっていた総苞片が開いたところ。
総苞片は「しばしば〝先端部が凹んでいる〟と表現されている。しかし、これは正確ではなく、先端部は間違いなく尖っている。ただ、尖った先端部は下方に反り返ってるというのが真相である。」(同上)




そもそもですが、なぜ萼片でなく総苞片というのかというと・・・




総苞片の輪の中で ツンツン伸びているのが、花の集まりなんです。
ひとつの花を包むものが萼で、
小花の集合(頭状花序)をひとまとめにして包む(総じて包む)ものが「総苞」なんです。




「2つの相対する総苞片の先端部がしばらくの間はくっついているのが普通で、後に分離するものと思っていたが、実は個体差があって、小さなねぎ坊主の形態の花芽が少し膨らんだ時点で早々に総苞片が開いてしまうものがあれば、さらに、先端部がくっついた総苞片がなかなか離れすに、そのまま総苞片がヨレヨレになってしまうものがあるなど、その経過には色々なパターンのあることがわかった。」(同上)





堀内公園(安城市)1

ハナミズキを求めて、堀内公園に行ってみました。
そしたら、ハナミズキは無かったけど、池の上に鯉のぼりがかかっていました。
鯉のぼりはこの写真を撮った日(4月20日)に掲げられたということです。
池の小さな岩に アカミミガメがのっかっています。




鯉のぼりが珍しいのか、皆そちらを向いています。




ミシシッピアカミミガメが正式名称?




波が立たないので、鯉のぼりがリアルに水面に映っています。






ハナミズキ2

柳川瀬公園(豊田市)



サクラみたいです。









堀内公園 2









コサギ



カルガモ





ハナミズキ 3





ハナミズキの本当の?花(頭状花序)には花弁があります。




総苞片は最後まで分離しない花序もあるようです。