アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

これもナガミヒナゲシ? ‐ 思考実験

2024-05-31 17:00:00 | みんなの花図鑑
初出 2023-05-17


花弁の色がちょっと変わってますが、これもナガミヒナゲシなんでしょうか?



Google Lens で検索すると、ナガミヒナゲシと言ってきます。
まぁ、真っ白の花弁のナガミヒナゲシや、花弁が和紙を手の中で揉んだようなくしゃくしゃっな花弁のもあるので、これもナガミヒナゲシなんでしょう。

〔追記〕除草剤に侵された可能性が高いとコメントいただきました。
ググってみると、ここ にかなり詳しい言及がありました。







さて、こちらはごく普通のナガミヒナゲシです。
花弁は4枚、雄しべは多数。




「中央部のめしべの柱頭は4本から8本の筋状であるが、7・8本のものが多いようである。」(植物雑学事典)
上の画像を見ると、花のほうはたしかに7本ですが、果実のほうは6本です。




ここでひとつの思考実験です。
ある植物A と植物B とがあって、非常によく似ているとします。
そしてその識別ポイントが「果実の稜をみてそれが雪の結晶のように均等に6方向に伸びていれば 植物A、2個ずつ3組になっていれば植物B だとします。ところが今 この植物は果実をつけていません。代わりに花が咲いています。」



ある人はこう考えました
「いろいろサイトを検索しましたが、雌しべの子房と、果実を勘違いしているサイトがほとんどであまり参考になりませんでした」
(↑ 出典は名誉のために明かしませんが、こういう理由で、果実を見るまではどちらか分からないと結論されています)



それに対して私たちの推論はこうです
「果実の赤ちゃんが子房なのだから、子房の稜をみてそれが均等に6方向に伸びていれば 植物A、2個ずつ3組になっていれば植物B と分かる」

ナガミヒナゲシのばあい、稜はありませんが、子房の段階で6筋あったなら果実になっても6筋だろうと推定できます、6あったものが 5に減ったり 7に増えたりすることは考えられません。
「子房がふくらんで大きくなったものが果実、子房の中の胚珠が熟したものが種子です。」








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載せ遅れました - 5月の花

2024-05-31 07:00:00 | みんなの花図鑑
5月も今日で終わり。載せ遅れた花を在庫一掃しちゃいます。
一部名前のあやふやな(それでアップできなかった)花があります。


ペンステモン







5月20日 安城デンパーク





ツリガネカズラ



4月29日 安城デンパーク





ホタルブクロ



5月20日 安城デンパーク






センダン



5月23日 名古屋市平和公園・献体の塔にて



5月18日 安城町にて




アメリカヒトツバタゴ?



5月4日 安城デンパーク・なんじゃもんじゃの森・北端




ヒトツバタゴ? アオダモ?



5月6日 柳川瀬公園(豊田市)





オニグルミ



5月26日 豊田安城自転車道





ポポー



5月20日 安城デンパーク




ムベ





3月27日 愛知県緑化センター





ニオイバンマツリ



5月19日 ご近所





クスノキ





5月26日 次のヤブニッケイの花を見つけて、比較のために



ヤブニッケイ





5月26日 クスノキによく似た葉や樹形ですが、花がクスノキではありません。Google Lensで検索してヤブニッケイ(クスノキ科クスノキ属)と分かりました。
葉に ニッケイトガリキジラミの虫こぶがついているので、それも識別ポイントになりました。







スイカズラ








ノイバラ?

5月23日 名古屋市平和公園・献体の塔




テイカカズラ

5月19日 ご近所にて





白実マユミ





5月4日 安城デンパークにて





ヒルザキツキミソウ








パンジー?ビオラ?



ワスレナグサ





アメリカテマリシモツケ



5月20日 安城デンパーク





チョウジソウ?

5月20日 安城デンパーク






ムシトリナデシコとムラサキツユクサ



矢印の変色したところがねばねばしていてアリなどがそれより上へ登れないようになっています。





5月19日 ご近所にて





セントランサス(ベニカノコソウ)

4月29日 安城デンパーク










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ダマスカスから来たニゲラ、チリから来たアヤメ

2024-05-30 17:00:00 | みんなの花図鑑
初出 2021-5-19

ニゲラ・ダマスケナ

略してニゲラといってますが、「ニゲラ・ダマスケナ (Nigella damascena)」(和名クロタネソウ)のことですね。
葉は細かく裂けて糸状となっています。



「属名の Nigella はラテン語の「Niger(黒い)」からきている。」(みんなの花図鑑「ニゲラ(クロタネソウ)」)
ここで質問。
ラテン語の Niger は 「r」で終わっています。それがどうして「L」という音化を持つようになったのでしょうか??
英文Wictionaryの 「Nigella」 を見ると、
From Latin nigellus, diminutive of niger (“black”)
(ラテン語の nigellus すなわち ラテン語のniger (“黒い”))の指小語)
ということで 「黒っぽい」くらいの意味の ラテン語 nigellus に由来するということらしいです。
Nigella < nigellus < niger
という rから L への変化は 本当にあったらしいのです。
〔蛇足〕
ところで、Niger といえば、「ニジェール(Niger)」という国が西アフリカにありますが、これは 「黒い」という意味を持つのでしょうか?
これも調べてみると、「ニジェール(Niger)」と隣接する「ナイジェリア(Nigeria)」(← Nigerの英語読み)両国の国名は 両国を貫流する大河「ニジェール川」に因んで命名されたものらしいのです。
では 「ニジェール」とは「黒い」という意味なのでしょうか?
調べてみると、そもそもNiger というのは、現地で「川」を指す言葉だったようです。





ブルーの部分は 花弁ではなく萼片ということです。




「種小名の damascena は「(シリアの)ダマスカスの」という意味である。」(みんなの花図鑑「ニゲラ(クロタネソウ)」)

ここで、またまた質問。
ニゲラ・ダマスケナ(くろたねそう)は 地中海沿岸が原産地です(みんなの花図鑑)。どうして 地中海沿岸では無いダマスカスが種小名になったのでしょうか??
これも以前調べたところによると
「damascenaは、この植物がダマスカスからヨーロッパにもたらされたことから」(Love in a mist「ニゲラの花言葉」)とのことです。
そういうことで、地中海沿岸で終わるのでなく「原産地:地中海沿岸~西アジア」(花と観葉植物(葉っぱの岬)「ニゲラ」)とするのがより歴史的と思われます。


名前の由来もよく分からないけれど、花序の構造も実に摩訶不思議な花です。

中央で よじれて伸びているのが雌しべで 5個あります。


その周囲に 大きな葯をもった雄しべが 多数 取り巻いています。




雄しべとブルーの萼片との間に 花弁の退化した「蜜腺鱗片」があるはずなのですが・・・
この花ではよく分からないです。
上の GIF画像で焦点を当てている部分がそれでしょうか?






果実もまた特徴的な形をしています。
和名「黒種草(くろたねそう)」
この袋の中に 真っ黒な種があるのですね






チリアヤメ


「チリアヤメは、芝生の中などで散らばるように点々と可憐な花を咲かせ、小さいながらも鮮やかな濃いブルーの色がよく目立ちます。花は朝開いて夕方にはしぼむ一日花ですが、次々と咲き続けます。」(みんなの趣味の園芸「チリアヤメ(ハーベルティア)とは」)



芝生の中などに生えていると知らずに踏んづけてしまいます。Oさんのお宅で初めてこの花を知って「チリアヤメ」の「チリ」とは塵(ちり)のことかしら?と一瞬思ったほどです。



実際は原産地が南米のチリやアルゼンチンで、大正時代にチリから入ってきたので「チリ・アヤメ」と呼ばれてるようです。




(いちばん右はオオバコの葉?)
学名:Herbertia amoena (Herbertia lahue)(Herbertia pulchella)
属名 Herbertia (チリアヤメ属)は イギリスの分類学者Dean William Herbertの名に因んだもの。
種小名の amoena は amoenus (愛すべき、人に好かれる)の女性形。
別種小名の lahue(ラウエ) は仏人名由来らしいのですが、詳細は不詳です。
別種小名の pulchella は pulchellus(美しい、 愛らしい)の女性形。







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ネズミモチの仲間、ややこしい

2024-05-30 07:00:00 | みんなの花図鑑
ネズミモチ1

とても良い匂いがします。
ネズミモチとトウネズミモチの花はとてもよく似ています。



でも花期がずれているので、それでたいていは区別できます。
ネズミモチの花は5月の終わり頃から6月いっぱい;
「トウネズミモチの花は(中略)6月の後半から7月にかけて咲く。」(植物雑学事典「トウネズミモチ」)




おしべの花粉を入れた袋のことを「葯」といいます。


ネズミモチの「葯はクリーム色〜赤味がかった薄茶色。」(植物写真鑑「ネズミモチ」)
トウネズミモチの「葯は赤味がかった薄茶色。」(植物写真鑑「トウネズミモチ」)
・・・ということで、葯の色で両者を区別するのは難しいようです。






ネズミモチ2



豊田安城自転車道





花でネズミモチとよく似ているトウネズミモチを区別するときは
ネズミモチ⇒ 花筒の長さが長く、2つの雄しべの突きだす角度が平行に近く、葯はお互いに向き合う。
トウネズミモチ⇒ 花筒が相対的に短いので、雄しべが花冠の外へより突き出し、2つの雄しべがハの字に開いている。
 という特徴が言われていますが、実際は時期とか個体差などあり、花だけでは区別は難しいようです。

〔参考〕トウネズミモチ





フクロモチ

フクロモチは、このように密な総状花序または円錐花序の形で咲くのですぐ分かります。



フクロモチは ネズミモチの変異種です。
ネズミモチが モクセイ科イボタノキ属で、学名は Ligustrium japonica 。
フクロモチは モクセイ科イボタノキ属で、学名は Ligustrium japonica var.rotundifolium
学名の var. は 変種の意です。rotundifolium は丸い葉と言う意味だそうです。





花の咲き方は ネズミモチよりイボタノキのほうに似ている気がします。
さらに、花筒の先が4つに裂けて開いているさまは 同じモクセイ科のキンモクセイやギンモクセイを思わせます。





イボタノキ

イボタノキの花は 花筒がとても長いのが特徴です。 ネズミモチも トウネズミモチより長かったので、 2本の花弁の上に突き出している雄しべの長さがトウネズミモチより短かったのですが、イボタノキの雄しべは花弁とほとんど同じくらいの長さなので、雌しべを保護しているような感じです。




イボタノキの葉は ネズミモチに似ていますが、より柔らかそうな感じがします。
学名:Ligustrum obtusifolium
種小名の obtusifolium は 葉の先が鈍頭の意。
雄しべは 短く縮こまっている感じがしますが、葯(花粉が入った袋)は ネズミモチよりずっと長く大きいです。







コミノネズミモチ
(シナイボタ、チャイニーズ・プリベット)

最近よく見かける木です。
この木の名前はコミノネズミモチまたはシナイボタ または チャイニーズ・プリベットが正解ですが・・・



通販サイトでは ほとんどがセイヨウイボタまたはヨウシュイボタ または プリペットと誤って(あるいは故意に間違えて)売られている木です。(そもそもプリットという木はどこにもありません、 Privetなのでプリットが正解です)



明瞭な区別点があります。葯の色です。
「雄しべは2個で花冠から長く突き出し、雌しべは花冠から少し突き出る。葯は小豆色。」(葉と枝による樹木検索図鑑)



繰り返しますが、
この木(コミノネズミモチまたはシナイボタ)の雄しべの葯はあずき色をしています。
それに対し、セイヨウイボタ別名プリベットの雄しべの葯の色は黄色いということです。
日本では 正しい(葯が黄色い)セイヨウイボタはほとんど見ることが出来ません。
よくあることですが・・・
安価でよく似たコミノネズミモチがあり、わざわざヨーロッパから導入する必要が無かったから、コミノネズミモチを中国から輸入して「セイヨウ」と偽って売っているというのが実情のようです。





では 本当のセイヨウイボタはどのようなものかというと・・・
愛知県緑化センターにありました。

セイヨウイボタ


樹名板に「セイヨウイボタ」と書いてありました。



コミノネズミモチ(シナイボタ)のほうは「葯はピンク〜紫色」でしたが、
「セイヨウイボタ(Ligustrum vulgare)は葯が黄色」(松江の花図鑑)とあります。
これなら区別できるかもしれないですね



「ヨウシュイボタは、コミノネズミモチ(シナイボタ)より葉の幅が狭く、先端は尖っており、雄しべは花冠から突き出さず葯の色は黄色」(葉と枝による樹木検索図鑑)




まとめると、
学名 Ligustrum vulgare
 セイヨウイボタ、
 別名プリベット
 ヨウシュイボタ
(葯は黄色)
 日本ではほとんど見られない

学名 Ligustrum sinense
 コミノネズミモチ、
 別名 チャイニーズ・プリベット
 シナイボタ
 (葯はあずき色)
 日本でよく見るのはほとんどがこちら








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グミ、ゆすらんぼ - もうすぐ梅雨入り

2024-05-29 17:00:00 | みんなの花図鑑
初出 2021-05-20


雨の中の散歩で出会った(昔よく食べた)果実たちです。


グミ

表面のツブツブから、グミということは分かるのですが、ちょっと種類が分かりません。



ナツグミでしょうか?



時期からいって、アキグミではないし・・・
葉の感じから ナワシログミでもないだろうとは思うのですが・・・



ナツグミとトウグミはよく似ているので、葉を拡大してみないと分かりません。
(葉の表面の毛が鱗状毛ならナツグミ、星状毛ならトウグミと言われてます)






ゆすらんぼ(ユスラウメ)

まだ5月なのに・・・と思ったら、ユスラウメは「梅雨の初めごろ」が収穫期なんだとか。



今年は もう梅雨入りなので、ゆすらんぼが実っていても何の不思議はない、ということ?



よく似た木に ニワウメがあります。



ユスラウメの葉は楕円形で、葉っぱに毛が多く、葉脈に沿って凹凸があるのが特徴です。






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モチノキ科 - 雌雄異株というけれど

2024-05-29 06:00:00 | みんなの花図鑑
見出し画像は 上段が雌花で、下段が雄花。左から順に クロガネモチ、ウメモドキ、イヌツゲ、ソヨゴの順です。

クロガネモチ



クロガネモチは雌雄異株で、この株は雌花が咲いている雌株です。









クロガネモチの雄花を見たいのですが、なかなか出合えません。

▼以下は、過年度に撮った雄花です。



クロガネモチは実のなる雌株が植栽されることが 圧倒的に多いのです。
でも、雄株が無いと受粉することが出来ませんから、どこかに雄株はあると思うのですが・・・
雌株だけで赤い実ができるという話(★)もあり、雌雄に関しては ややこしいです。

(★) 「植えられているクロガネモチの雌の木の近くには雄の木はないのに・・・
 雌花だけで実ができていくのはじつに不思議だ」(神戸の花と木(今の花と木の様子)「クロガネモチは不思議だ」)




ウメモドキ



ウメモドキの雄花です。どこを見ても雄花ばかりですので、この木は雄株だと思います。





別の株です。花弁が白いので、より原種に近い種類のようです。
この木もどこをみても雄花ばかりですので、株は雄株だと思います。



ウメモドキ(雄花)



さらに別の種類のウメモドキです。ピンクがかっています。


ウメモドキ(雌花)





同じようなピンクの花弁ですが 雌花ばかり咲いているので雌株です。





イヌツゲ1





つぎは イヌツゲです。まず 雄花の咲いていた雄株。
場所は北山崎町(← 自分の覚えです m(_ _)m)



イヌツゲ2
つぎは 豊田安城自転車道の植栽のイヌツゲ。たくさん植わっています。









ここまで雄株。
実は たくさん植わっているのですが、8本中 7本の割合で雄株のほうが圧倒的に多いのです。

つぎは雌株の雌花。







とても小さい花ですが、雌花は中心に緑色をした大きな子房があり、そのまわりに(退化した)おしべが付いています。モチノキ科の花はよく似ていますね




イヌツゲ3



別郷町の生垣のイヌツゲです。雌雄両株が植わっていますが、雌株の雌花だけピックアップしてみました。




花弁と雄しべが脱落し、子房が成長して果実になりつつあります。




イヌツゲ4





最後にもう一か所、山崎町のイヌツゲです。雌雄ありますが、写真は雌花だけピックアップしました。
小さな花ですが、子房の周囲にしっかり蜜が付いています。
そういえば、ほとんどのモチノキ科は赤い実をつけますが、このイヌツゲだけは例外で黒っぽい実をつけます。






ソヨゴ1



名古屋市平和公園の献体の塔にてコンデジで撮影(5月23日)。



ソヨゴ2



つぎは 上条町の集合住宅前のシンボルツリーとして植えられているソヨゴ。
雄花が咲いています。(← 後述しますが、このことは重要です。)





同じく雄花です(同じ木なので 当然です "(-""-)")





ところが同じ木に 果実の赤ちゃんがもう出来ているのです。
実をいうと、ここのソヨゴは秋になると 赤い実をつけ、それがきれいなので毎年撮っている木なんです。

(2019-01)
だから私は去年までこのソヨゴは当然 雌株だとばかり思っていました。
だから今年この木に雄花が咲いているのをみてびっくりしました。

確認のため、「ソヨゴ 雌雄」で検索すると、通販サイトのカタログに
 ソヨゴ (雌雄同株)
という表示があるものが売られていることが分かりました。
何だか自然を逸脱しているように見えますが、雌雄同株のソヨゴが売られていることは事実のようです。







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地味だけどかわいい - ニシキギ科の花

2024-05-28 15:00:00 | みんなの花図鑑
初出 2023-5-14

ニシキギ科の花はとても小さくて地味です。あまり気付く人は無いでしょう。
地味だけど可愛い花と一緒に実を結んだあとの姿を添えて鑑賞してみましょう。

ツリバナ

ツリバナの花は5数性で、花弁は5枚、 花盤は5角形で淡黄緑色、おしべは5本で花盤の上につき、子房は花盤に埋もれ、花柱も小さいです。












2021-6-19




2022-10-22



2021-11-02







ヒロハツリバナ

安城デンパークにて

ツリバナに比べ、葉が広いのでこの名が付けられました。



ツリバナは5数性ですが、ヒロハツリバナは4数性のようで、花弁、萼片、雄しべはともに4個です。
ただし、翼には5つと4つが混ざっているようで、これは5つあります。



これも翼は5つ



これは 4翼






マユミ

マユミにはメシベが短い花(短花柱花)をつける個体があり、結実しにくい傾向があるため雄株と信じられ、かつては、マユミは雌雄異株とされてきました。


しかし、雄株と思われていた木が突然 実を付け出したと云う事例が幾つも見出されて、現在では雌雄同株とするのが定説となっています。



マユミは4数性なので、花弁、萼、雄しべが全て4個です。






若い果実



四角くなってきました。



2019-12-05
果皮は4つに割れます



2021-11-09






白花マユミ

安城デンパークにて


















22-12-03



19-12-22





中国オオバナマユミ

安城デンパークにて














2021-10-18






ニシキギ

ニシキギの花は4数性で、花弁は4枚で淡緑色、おしべは4個、子房は花盤に埋もれています。















ニシキギの果実です。花は4数性でしたが、果実は2数性?です。


つまり、果皮は2裂し、真っ赤な仮種皮が2つ見えてます。




ニシキギの枝にはコルク質のかたい翼がついています。理由は分かりません。



枝を割って出て来る様が・・・



マントルプレートの出発点すなわち中央海嶺からはじまるmagnetic band のようです。
図は「海嶺の両側で岩石の磁気が全く対称的に逆転を繰り返している」ようす





マサキ













果実です。果皮は4つに割れます。









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ドクダミ - 受粉しなくてタネができる

2024-05-28 06:00:00 | みんなの花図鑑

人家の周辺や溝などにドクダミの白い花がよく目立つ季節です。
私の家の北側もちょっと前までドクダミでいっぱいで、ネコも歩けないほどでした。




ドクダミのこの目立つ白い4枚の花弁のように見える器官は実は花弁ではないのです。本来の花はその上にある棒状の部分で、棒状の部分に雌しべと雄しべだけからなる小さな花が密生しています。





花茎周囲に花弁も萼片もなく、この目立つ白い4枚の花弁のように見える器官(小花をじてんでいるので用語を 総苞 といいます)が目立つので昆虫が寄ってくるかと思いますが実際はほとんど来ません。






花穂をみれば、黄色い葯をもたげた雄しべと花柱が3裂した雌しべを確認できます。
調べてみると、雄しべは 雌しべに対応して3個あるようです。これでひとつの小花のセットです。



ここからは後期の花穂です。



雄しべの葯は花粉を出し切って萎んでしまっていますが、雌しべの柱頭に花粉が載ってる気配がありません。これは先ほども述べたように、日本のドクダミは3倍体といって花粉が着かなくとも種子が出来る単為生殖をするのでその必要がないのだそうです。





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ユリノキ - 北野廃寺(岡崎市)

2024-05-27 15:00:00 | みんなの花図鑑
記事とは関係ありませんが m(_ _)m
長らく下降の一途をたどっていたコロナ感染者数が、先々週あたりから上昇に転じたようです。第11波のはじまりです。

初出 2020-05-22



学名: Liriodendron tulipifera
種小名 tulipifera は「チューリップ(のような花)をつける」の意。(wiki 「ユリノキ」)




5~6月ごろにチューリップのようなクリーム色とオレンジ色の花を咲かせることから、別名「チューリップの木」と呼ばれる。(庭木図鑑 植木ペディア > ユリノキ)




ただし、花は葉と葉の間に隠れるように咲く上、高い位置にあるため、あまり人目につかない。ユリノキの花の雄しべは、先端の「葯(花粉入れ)」が2センチもある。(同上)




・ユリノキは学名である「Liriodendron」の訳語からきており、日本人の感覚では百合のような花が咲くというわけではないが、ユリノキが渡来した頃はチューリップが今のように一般的ではなかったため、より馴染みのある百合に見立てたという。(同上)




アメリカでは花の色からイエローポプラと呼ばれることもある。(同上)






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樹の花の名前当てクイズ

2024-05-27 08:00:00 | みんなの花図鑑
初出 2023-5-25

きょうは ちょうど一年前にやった
樹の花を見て名前を当てよう!
地味な木の花〔在庫一掃〕セール
のリトライ版です\(^o^)/
どれくらい覚えているかな?(^_-)-☆


全部で15問あります(去年と全く同じではありません(´・ω・)
アイウエオ順で出題します
ドングリのなる木とか、イモムシみたいな雄花とか、そういうたぐいの木の花が多いです
では はじめましょう (^^♪


Q1 ア〇〇〇
画像は4枚あります

4月18日撮影
若芽が特徴的な木です


芽吹いたばかりの葉は赤褐色で軟毛が生えています。「あらあら」しい !(^^)!



花は地味です。 目につくのは雄花序です。
雄花序は花粉を放出すれば落下します



雌花序の画像は撮り忘れたので、9月の果実 ↑
葉は幅広で、荒い鋸歯が途中まで(半分くらい)付いています。

ヒント ア〇カ〇

ーーーーーーーーーーーーーーー
こたえは
アラカシでした






Q2 エ〇〇
画像は4枚あります

4月18日、別郷廃寺にて



枝元から泡のように吹いているのが雄花序です。


ヒント エ〇〇


雄花序の近接図です。
雌花は小さくて見つけられませんでした

ーーーーーーーーーーーーーーー
答えは・・・
エノキ でした





Q3 オ〇〇ヤ〇〇〇〇
画像は5枚あります

これは花というより花後の果実です 4月30日鞍ヶ池公園周回道路にて



3月17日の撮影で、このときは 雄花(芋虫みたいなの)と雌花(それより枝先に付く)が咲いていました
大ヒント オ〇〇ヤシャ〇〇


雄花の拡大


雌花の拡大
小さいですが、拡大すると雌しべの柱頭部分が赤くキレイなのが分かります



4月5日 愛知用水前山ダムにて

ーーーーーーーーーーーーーーー
答えです
オオバヤシャブシ でした




Q4 カ〇〇
カ行に入ります
画像は4枚です

芋虫のようにぶら下がっているのが雄花序です。



ヒント カ〇〇


葉を見れば一発ですね
葉の中央にあるのが雌花序かな?

ーーーーーーーーーーーーーーー
答えは・・・
カシワ でした




Q5 ク〇〇
画像は4枚あります

遠景ですが、これじゃどちらか?分かりません たぶん、あれとアレのどちらかなんですが・・・
4月18日愛知県緑化センターにて


そこで、もっと背の低い木を観察
房状の花は雄花序です。



こういう葉です。縁の棘のような鋸歯に注目!



下に落ちていたどんぐりです
ヒント ク〇〇


ーーーーーーーーーーーーーーー
答えは
クヌギ でした






Q6 ク〇
画像は4枚です

タケノコを湯がいたときのような臭いがします


匂いの正体はこの雄花です



鼻がむずむずしてきます


雄花とは別の枝に 雌花(果実の赤ちゃん)がひとつ
というわけで ヒントは 「ク〇」


ーーーーーーーーーーーーーーー
こたえは
クリ
でした (^^♪







Q7 サ〇〇〇〇
サ行に入ります
画像は4枚です

神社の境内にありました(5月15日)



花のつぼみです


(出典:I, KENPEI, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=7642485による)
肝心の花を撮りそこないましたので、wiki から借用しました
モクセイ科の花そっくりですが、ガマズミ科ガマズミ属の常緑高木なんですね


果実のはじめです (7月20日)
この実から和名が付けられました
ヒント サン〇〇〇


ーーーーーーーーーーーーーーー
答えは
サンゴジュ でした







Q8 シ〇
画像は3枚です

5月2日、安城デンパークにて



またもや鼻がもぞもぞしてきました


答えは「サ行」の総称でお願いしますm(_ _)m
ヒント シ〇


ーーーーーーーーーーーーーーー
答えは・・・
「シイ」でした
シイには スダジイとツブラジイとあります




Q9 シ〇〇〇
画像は4枚あります

5月7日撮影



雄花序です


同じく雄花序です


雌花です(というか大部分は受粉して 果実の赤ちゃんになってます?)
ヒント シ〇カ〇



ーーーーーーーーーーーーーーー
答えは・・・

でした





タ行にはいります
Q10 ト〇〇〇〇
画像は5枚です

背が高くなることが多いです。
葉の形に注目!
4月18日 愛知県緑化センターにて








別のところで4月14日に撮った雄花



同じ日に撮った雌花(両性花)
ヒント ト〇カ〇〇



ーーーーーーーーーーーーーーー
答えは 樹名板で↓






ナ行に入ります
Q11 ニ〇〇〇〇
画像は5枚です

これは下から見上げたもの。花はまだ蕾のようです。
4月17日 愛知用水前山ダムにて


これが典型的な花 6月29日矢作川河川敷にて



よく似たウルシ科のハゼノキ、ヤマハゼなどは 葉の下に花が付きますが、こちらは葉の上に花が咲きます


果実になって色づいた木(7月23日)


果実の赤ちゃんです(6月29日)
ヒント ニワ〇〇〇 (別名 シン〇〇)


ーーーーーーーーーーーーーーー
答えは・・・
ニワウルシ (神樹とも) でした





Q12 ネ〇〇

下を向いたスズランのような白い花。


ツツジ科です。


大ヒント 名前は幹がねじれることから。



ーーーーーーーーーーーーーーー
答えは・・・
 ネジキ
でした






ハ行に入ります
Q13 ヒメ〇〇〇〇
画像は4枚

「ユ」で始まる木の小型版?です


葉が小さいので「ヒメ(姫)」がその頭に付きました


葉柄が赤いのもよく似ています


雌雄異株で、この木は雌株です

ヒント ヒメ〇〇〇〇



ーーーーーーーーーーーーーーー
答えは

でした



マ行です
Q14 マ〇〇〇〇
画像は5まいです




前の質問で同じような雄花を見ました



鼻がうずうず


果実(堅果)は翌年の秋に成熟し、ドングリとなります


雌花です

ヒント マ〇〇シ〇



ーーーーーーーーーーーーーーー
答えは ・・・
マテバシイ でした




Q15 モ〇〇〇フ〇
画像は5枚あります

愛知県緑化センターで4月21日撮影



上に出ている房が雄花序で、下にぶら下がっているのが雌花序です。



雌花序の白い繊毛のような器官は雌しべの柱頭です。



雌花序の拡大図です。柱頭しか見えませんが。



これは花粉を放出し終わって地上に落下した雄花序です。
名前のヒント モ〇〇〇フ〇 または ア〇〇〇フ〇


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答えは フウ科フウ属の・・・

モミジバフウ または アメリカフウ でした。 どちらも正解です !(^^)!





これでおしまい
長々とお付き合いいただきありがとうございました~






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