三河(安城市)野寺の本證寺のハスはちょっと早すぎました。きょうはお堀に一緒に咲いていたカキツバタと安城デンパークで撮ったハナショウブを。
カキツバタ
カキツバタとハナショウブの見分け方は・・・ カキツバタは、外側の大きな花びらの付け根に白色の筋があります。 ハナショウブは、外側の大きな花びらの付け根に黄色の筋があります。 カキツバタは水辺が好きです。ハナショウブは意外と乾いたところでも生育します。
カキツバタというと、三河八橋で詠んだカキツバタの歌が有名です。 伊勢物語「東下り」の一節を現代語訳でどうぞ↓
「ある男が自分の身をこの世には不要なものと思い込んで京を離れ東国に住む場所を探すために友としている人を一人二人を連れ立って旅に出た。
旅の途中、三河の国の八橋で乾飯を食べた時、沢に咲いた『かきつばた』の花を見て、一人が『かきつばた』の五文字を五七五七七の頭において和歌を詠めというので、決められた文字を一字ずつ頭において、いわゆる「折句」として詠んだ。」というもの。
その和歌がよく知られている以下の「折句」です:
から衣 き(着)つつなれにし つましあれば はるばる来ぬる たび(旅)をしぞ思ふ
<現代語訳>
着続けて柔らかく身に慣れ親しむものとなった唐風の着物のように 慣れ愛おしい妻が住んでいる都をあとにして、はるか東国まで来てしまった旅路をしみじみとやるせなく思う。
ハナショウブ
ハナショウブの一般的な開花時期は5月下旬~6月上旬で、アヤメ属の中では一番遅いです。 (カキツバタは 5月中旬~下旬) (アヤメは5月上旬~中旬、ダッチアイリスは4月中旬~5月中旬)
カキツバタはすでに「万葉集」に登場していますが、ハナショウブのほうはそれより遅く江戸時代に市民権を得たというのが定説ですが、実はすでに「万葉集」に登場する「はなかつみ」がハナショウブ(あるいはハナショウブの原種のノハナショウブ)を指していたのではないかとする説があります。
「はなかつみ」の歌は 平安時代に…
みちのくの あさかの沼のはなかつみ かつみる人に恋やわたらん
(古今和歌集第14巻巻頭詠み人知らず)
(陸奥にある安積の沼には、花勝美という花が咲いているという。遠い国に咲く花のように、ちらりとお見かけしただけのあなたに、私は恋しつづけるのであろうか)(「日本の固有植物に学ぶ自然のしくみと共生の知恵」.pdf より)
と歌われていました。
安積の沼は現在の福島県郡山周辺で、三河よりもはるか東方に位置します。その安積の沼がすでに平安時代に登場し、このあと「はなかつみ」と結びつけて歌われるようになったのは驚きです。 (ただし 郡山市では「花かつみ」を「ヒメシャガ」のこととしていますが)
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カキツバタ
カキツバタとハナショウブの見分け方は・・・ カキツバタは、外側の大きな花びらの付け根に白色の筋があります。 ハナショウブは、外側の大きな花びらの付け根に黄色の筋があります。 カキツバタは水辺が好きです。ハナショウブは意外と乾いたところでも生育します。
カキツバタというと、三河八橋で詠んだカキツバタの歌が有名です。 伊勢物語「東下り」の一節を現代語訳でどうぞ↓
「ある男が自分の身をこの世には不要なものと思い込んで京を離れ東国に住む場所を探すために友としている人を一人二人を連れ立って旅に出た。
旅の途中、三河の国の八橋で乾飯を食べた時、沢に咲いた『かきつばた』の花を見て、一人が『かきつばた』の五文字を五七五七七の頭において和歌を詠めというので、決められた文字を一字ずつ頭において、いわゆる「折句」として詠んだ。」というもの。
その和歌がよく知られている以下の「折句」です:
から衣 き(着)つつなれにし つましあれば はるばる来ぬる たび(旅)をしぞ思ふ
<現代語訳>
着続けて柔らかく身に慣れ親しむものとなった唐風の着物のように 慣れ愛おしい妻が住んでいる都をあとにして、はるか東国まで来てしまった旅路をしみじみとやるせなく思う。
ハナショウブ
ハナショウブの一般的な開花時期は5月下旬~6月上旬で、アヤメ属の中では一番遅いです。 (カキツバタは 5月中旬~下旬) (アヤメは5月上旬~中旬、ダッチアイリスは4月中旬~5月中旬)
カキツバタはすでに「万葉集」に登場していますが、ハナショウブのほうはそれより遅く江戸時代に市民権を得たというのが定説ですが、実はすでに「万葉集」に登場する「はなかつみ」がハナショウブ(あるいはハナショウブの原種のノハナショウブ)を指していたのではないかとする説があります。
「はなかつみ」の歌は 平安時代に…
みちのくの あさかの沼のはなかつみ かつみる人に恋やわたらん
(古今和歌集第14巻巻頭詠み人知らず)
(陸奥にある安積の沼には、花勝美という花が咲いているという。遠い国に咲く花のように、ちらりとお見かけしただけのあなたに、私は恋しつづけるのであろうか)(「日本の固有植物に学ぶ自然のしくみと共生の知恵」.pdf より)
と歌われていました。
安積の沼は現在の福島県郡山周辺で、三河よりもはるか東方に位置します。その安積の沼がすでに平安時代に登場し、このあと「はなかつみ」と結びつけて歌われるようになったのは驚きです。 (ただし 郡山市では「花かつみ」を「ヒメシャガ」のこととしていますが)
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