アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

センペルセコイア +バラ - 於大公園

2023-01-31 18:21:55 | みんなの花図鑑
於大公園の裸子植物をラクウショウ、メタセコイア、コノテガシワと見てきましたが、最後に一番地味な センペルセコイア。

センペルセコイア

センペルセコイアは常緑です。
葉の雰囲気はイチイやメタセコイアに似ています。




とても背が高いです。
センペルセコイアは世界で一番背が高くなる木だそうです。




1月19日撮影
「・セコイアという名前はチェロキー語学者でもあるチェロキー族(アメリカ先住民族)の酋長「セコヤー」にちなむ。」(樹木図鑑 植木ペディア「センペルセコイア」)
メタセコイアとセンペルセコイア、両方とも「セコイア」が付きますが、セコイアといったらセンペルセコイアのことなんだそうです。
メタセコイアの「メタ」は「変化した・異なった・後の」という意味なので、「メタ・セコイア」とは「セコイアとは(似ているが)違ったもの」というような意味にな るそうです。






木肌に風貌があります。




これは雄花。




「雌雄同株であり、花には雄花と雌花があるが、いずれも小さな黄緑色の花で目立たない。」(同上)
雌花は見つかりませんでした。






で、センペルセコイアだけではあまりにも花が無いので、薬草園の前で頑張って咲いていた一輪のバラの花を。

バラ

品種名とかは分かりません。




ただ一輪、寒い中、咲いていました。





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コノテガシワ - 於大公園

2023-01-30 18:23:47 | みんなの花図鑑
コノテガシワの雌花は面白いですよ

1月19日

1月19日時点ではまだ花は咲いていません。
裸子植物ですから、何とも地味なコノテガシワです。




コノテガシワは中国の北部~西部を原産地と想定されるヒノキ科の常緑樹。





2月

それが、2月も半ばを過ぎると花をつけます。
2月17日撮影のコノテガシワの雌花。
このときはじめて花が咲いているのに気が付いて、このきなんのき掲示板にお尋ねしてコノテガシワという木の名前と 咲いている花は雌花で「受粉滴」が出ているというお話を伺いました。




回答者のMiyazakiさんから頂いた回答がまだ忘れられません。
「先端に穴の開いた器官をもった花」は他にも有り 孔から受粉滴と呼ばれる液が分泌されます。」

それで、2月21日再度行って再観察してきました。




回答のつづきです。
「最後のお写真、受粉滴が見られないのでひょっとしてもう受粉しているのかもしれませんね」





回答のつづきです
「(雄花は咲いているのかなァ・・)。」

コノテガシワは雌雄同株なので、雌花が咲くころには雄花も付いているはずですが、受粉滴に気を取られていつも雄花は見過ごしてしまいます。




2月27日(愛知県緑化センター)

ここからは 同じ年、愛知県緑化センターで見たコノテガシワです。
雌花の下に雄花が付いています。


















ラクウショウとメタセコイア - 於大公園

2023-01-29 18:00:00 | みんなの花図鑑
地元で「ラクウショウが見たい」とか「ラクウショウの呼吸根が観察したい」というひとがいると、私は 「於大公園に行きなさい」と勧めることにしています。
於大公園の「於大」というのは 家康の生母「於大の方」にちなんでつけられたものです。
先週の大河ドラマ『どうする家康』では於大の方はずいぶん非情な母のように描かれてましたが、実際はどうなんでしょ?
閑話休題で、於大公園で気を付けなければいけないのが、ラクウショウと一緒にメタセコイアが植えてあることです。


例えばこの木立、メタセコイアが目立ちますが、ちゃんとラクウショウもいっしょに立っています。
どれがラクウショウか、お分かりですか? (^_-)-☆




背が高く、槍のような樹形をしているほうが メタセコイアです。
反対に、メタセコイアより背が低くいささか幅のある木のほうがラクウショウです。




(左)ラクウショウ (右)メタセコイア




ラクウショウ

公園管理事務所「このはな館」前の大池の畔のラクウショウ




こちらは11月下旬に撮影したラクウショウの球果です。




ラクウショウの球果はサッカーボールみたいな面白い形をしています。




球果と一緒についているのが雄花です。




ラクウショウの球果は壊れやすいボールです。(1月19日撮影)





さて、ラクウショウ(落羽松)の別名はヌマスギ(沼杉)ですが、それを象徴するのが 呼吸根です。




Wikipediaによりますと「湿地に植えると、幹の周りに呼吸のための呼吸根(気根)が出てくる。」 とあります。




ラクウショウが湿地に生えると、根が水に浸って酸素が不足する。だから根の一部を地上に出して呼吸するというわけ。




地中から生えてきた呼吸根が切られてしまったもの。





メタセコイア

メタセコイアの樹形。




メタセコイアの球果(1月19日撮影)




球果は 高いところについていてよく分からないですが、ラクウショウがサッカーボールみたいとすると、縄を巻いて作った縄文式土器の壺のような表面をしています。




球果と一緒に 何かついています。これは今年の雄花ですね




雄花は落羽松とよく似ていて、雄花だけ見ても私には 区別がつきません。




参考までに、3月、下に落ちていたメタセコイアの雄花です。






最後に、葉の比較です。
(左)ラクウショウ (右)メタセコイア
ラクウショウのほうは互生で、メタセコイアは対生です。全体が1枚の葉のように見えますが、実は左右に伸びている一本一本が1枚の葉です。

・・・さて、大河ドラマでは
「主君たる者、家臣と国のためならば己の妻や子ごとき平気で打ち捨てなされ!」
と暴言を吐いた於大の方。
汚れ役は買って出たものか?
政局に運命を翻弄された於大の方、誰もそう思わないですよね
今夜は 第4話 です(´∀`)



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オオバン - 菅生川

2023-01-28 17:24:14 | みんなの花図鑑

先だっても取り上げましたが、岡崎城の下を流れる菅生川のオオバンです。




オオバンはツル目クイナ科に分類される鳥で、オオバン属の模式種。




カルガモなどのカモ類のように水面にいることが多いが、カモ類とは異なり、くちばしは尖り、足に水かきはない。(Canon 野鳥写真図鑑「オオバン」)




おでこからくちばしにかけて白い以外は全身真っ黒の鳥で、明るく撮らないと眼がどこにあるか分かりません。





目に見える生き物図鑑 いきもの図鑑 > 鳥類図鑑 > オオバン
には「ほかのクイナ科の鳥と同様警戒心が強く、人間が近づくと泳いで逃げ出す。」
とありますが、ここのオオバンはジョギング中の人が横を走っても逃げだしはしないです。




水面を泳いでいることが多く、潜水して水草などを採食します。





しばらく川を泳いだ後は階段を登りだします。




飛べば早いのに?と思いますが、段差のある階段を登るのが一種のホビーなんですかね




食性は草食性の強い雑食性ということで、しばらく水中でエサ取りをした後は陸に上がって草むらの餌を漁っています。かなり悠々自適の生活のようです !(^^)!




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ケリ - 冬はやさしい

2023-01-27 17:00:01 | みんなの花図鑑
ケリは冬と夏とで挙動が異なります。
見出しは 5月のケリです。


こちらは冬期の田んぼのケリ。夏のように血走った眼をしていなく、落ち着いて餌を探しています。





ケリの「分布は局地的で、かつて繁殖地の中心は東北地方だったが、現在は愛知県から近畿地方が中心。」(大阪市立自然史博物館「ケリの繁殖 」)




「1980年代初め頃までは、大阪府が日本での分布の南限だったが、現在は和歌山県にも分布・繁殖している。」(同上)




「古い文献では東北地方でおもに繁殖しており、最南の繁殖地は栃木県だったという。近畿地方で繁殖が確認されたのが、1956年。それが1978年には、近畿地方と東海地方が分布の中心で、まだ和歌山県での繁殖は確認されていなかった(日本野鳥の会.1978.鳥類繁殖地図調査1978)。このように、長い時間をかけて、分布が南下していることが伺える。」(同上)






繁殖期のケリは激しいです。
農道を散歩していると、空をケリが飛んでいます。
「飛翔時には初列風切羽の黒とほかの部分の白との対比がとても目立ちます。」(春日井市・郷土誌かすがい 第36号「春日井の野鳥 「ケリ」について」)




繁殖期のケリは、カメラを向けると
「撮るな!さっさとあっち行け!!」
とでもいうかのように、威嚇してきます。
飛びあがって上空を舞わなければ、そこに巣があることなぞ気が付かず、黙って通り過ぎていたのに・・・
ケリの名はたぶんですが「けりっ、ケリッ」と鳴いて威嚇してくることからでしょうか (´∀`)
冬の穏やかなケリとの差が激しい鳥です。





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あるエノキの生涯

2023-01-26 20:10:27 | みんなの花図鑑

いつもの散歩道に 一本のエノキ(榎)があります(正確には ありました)。




かなり高木です(でした)。




なぜ私がこの木に目を止めたのかというと、この木にヤドリギが巣くっていたからです。ヤドリギはあるところにはたくさんあるのですが、家の近所ではこのように1つ、2つ付いているだけです。





下から見上げたヤドリギ。
そのうちに ヤドリギの取り付いているこの木(宿主)は何という木だろうと 名前を知りたくなりました。
時期は、宿主の葉が落ちた今の時期、すなわち冬です。





ネットの掲示板に、上3枚の画像を示してこの木の名前をお尋ねしたのですが、ある常連回答者の方から
「同じような画像3枚より、下に落ちている落ち葉の画像でもあれば判断の拠り所となるのではないですか?」
と言われて、なるほど! と、問題の木の下に行って落ち葉を拾ってきました。
写真左の2枚はクヌギではないかと思いました。そしてその他の葉は着いている実から判断してエノキではないかと思いました。で、クヌギは枝の先がエノキより若干太いので、この木は「エノキ」の高木ではないかと結論しました。





一年前(2022年の1月)、通りかかったらちょうどこの木を切っているではありませんか?!
高木を切るのを見るのは2回目でした(一回目は神社のコウヨウザンが手水社にかかるというので切り倒されたときです)。





切られてから一年たったエノキの切り株です。




年輪が気になります。




調べてみようと思いました。




外側から調べていきます。一番外は 2022年。
2011年の年輪に大きなクラックがあります。
2011年と言えば、東日本大震災のあった年です(3.11)。もちろん当地では大きな揺れはなく、当然地殻の変動もなかったはずなので、これは単なる偶然なのですが・・・年輪が何かを訴えているようです。





つづいて1980年まで。
1995年は 阪神淡路大震災が起きた年ですが(1月17日)この年輪には特に目立った特徴はありません。




1959年まで。
1966年にクラックが入っていますが、大きな地震はありませんでした。この年の9月25日に 台風第24・26号が宮崎県から近畿~能登半島を通過しました。
愛知県を襲った大きな台風と言えば、1959年の伊勢湾台風(9月26日)、1953年の13号台風(9月25日)です。





1946年まで。
社会史的には「戦後」です。





戦中~戦前は 色を変えてあります。
地震と言えば、この地方で最も大きな地震「三河地震」が1945年(終戦の年)の1月13日起きました。そのほぼ1か月前、1944年12月7日に発生した昭和東南海地震で緩んでいたためか家屋が倒壊する被害が多く出ました。
地殻に起きた変動が何らかの影響があったとするなら、当地ではこの終戦の年の三河地震なのですが、年輪を見ますと、間隔が狭いのは 1939年です。

年輪の最終は1926年(昭和元年)のようです。
逆算しますと、2022年に切り倒されたときは96歳だったことになります。
エノキの寿命は400年という記事もあります。
特に虫食いとか無かったので、もっと生きられただろうに、可哀想なことをしたものだと思います。


〔参 考〕
コウヨウザン(広葉杉) - 和志取神社




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つかの間の雪化粧 (2)

2023-01-25 15:00:01 | みんなの花図鑑
6年前の1月15日に撮った植物の雪化粧風景のつづきです。
見慣れた植物がわずかの時間 雪化粧してくれます。

これ何だったっけ?
と一緒に考えてもらうために、名前は 画像のあとにアップします。






クチナシ









イタリアン・サイプレス(ヒノキ科ホソイトスギ属)ではないかと思いましたが、掲示板にお尋ねしたところ
「青白いロウ質の粉に覆われ、枝が雪の結晶のように分枝するのが特徴の」「アリゾナイトスギの栽培品種’ブルー・アイス’」(イトスギ属)ではないかと回答いただきました。









キンカン









オリーブ





ビワ








ブラシノキ









スイカズラ 忍冬









ブロッコリー









キヅタ









タケ









ツゲではないかと
【追 記】
メープルさんからコメントいただき、勘違いに気が付きました。
ツゲではなく イヌツゲ(モチノキ科)でした。

↑ イヌツゲ

メープルさん、ありがとうございました!









イヌマキ









フヨウ









ニレケヤキという名も挙がりましたが、最終的には不明です





最後は・・・





マンサクでした





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つかの間の雪化粧 (1)

2023-01-24 18:00:36 | みんなの花図鑑
今日から大寒波だということですが・・・
今年はまだ一度も雪が積もってません。これは6年前の1月15日に撮った植物の雪化粧風景です。
見慣れた植物がわずかの時間 雪化粧してくれます。
すぐ解けてしまうのでつかの間の新世界です。
これ何だったっけ?
と一緒に考えてもらうために、名前は 画像のあとにアップします。











ナンテン
当地では鳥も食べません









シンテッポウユリ(ではないかと)











ギンバイカ(銀梅花) マートル









ごめんなさい。これは私も分かりません (ToT)
場所も覚えてません
何の木だったでしょうか?







これはモクレンでしょうか






センダングサの仲間ですね
花が付いていないので、コセンダングサか シロバナセンダングサか分かりません。





ニラ









ムクゲ




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アズキナシは北海道の果実か?

2023-01-23 20:14:48 | みんなの花図鑑
少し前の冬、北海道をバスツアーしたことがありました。そこで、雪の上に赤い実をつけている樹にあちこちで出会いました。



最初に見たのは旭山へ向かう高速のパーキングです。




樹名板(解説板)があり、アズキナシと分かりました。




アズキナシの名は「ヤマナシに似た樹で、小豆のような実をつけることからか。」(樹木の写真「アズキナシ」)




庭木図鑑・植木ペディアには「外見はアズキ、中身はナシに似るアズキナシの実」とあります。




アズキナシは、私の地元愛知県でもよく見る木なので、北海道名産ってことないのでしょうが・・・
そのときはバスツアーで 行ったのですが、このときは結構あちこちで アズキナシ(または、と思われる木)にお目にかかりました。

鶴見台の休憩所の窓にも・・・





鶴見台の駐車場にも・・・





検索していると、サイトARUBORETUM には「北海道から九州まで広く山地に生えていますが、特に東北から北海道に多く分布しています。」との記事があり、やはりそうだったのかの感を強くしました。





鶴見台の駐車場で、下に落ちていたアズキナシの実です。
またネット上のPDF記事には《興味深い話》としてこんなことが書いてありました。
■別名「ハカリノメ」というが、これは「秤の目」で、
 白い皮目(幹・枝などにできる空気の出入り口)が枝上
 に散在するのを、秤の目盛りに見立てたからという。
■十勝地方のアイヌ語で「チカプセタンニ」という。
■「アズキ(小豆)」の名の由来にも数多くの説がある。
 その一つに他地方のアイヌ語名である「antuki(アント
 ウキ)」から来た、というものがある。逆にアズキがア
 イヌ語に入ったとも言われている。





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ビワ - おしべ、めしべ、そして蜜

2023-01-22 15:57:07 | みんなの花図鑑

ビワと言えばまず果実を連想します。でも果実があるからには花も咲くのです。






それがこの花で、花が少ない今の時期に白い5弁花を咲かせます。
ビワはバラ科です。






綿毛に包まれている時期が長く、白い5弁花が見られるのはわずかな時です。






開きだしたばかりの花。おしべが狭い空間におしくらまんじゅうしています。





花弁が開いた姿はあまり行儀が良いとは言えません。





雄しべの葯が割れてたくさんの花粉が出ています。
めしべのほうは雄しべに隠れてるのか、見えません。





この画像も同様です。大きな葯の塊にかくれて めしべが見えません。





この画像のように雄しべが花粉を出し切って褐色になりかけたころ ようやく先が5裂した めしべが見えるようになります。
そして、ビワの花の蜜ですが、サザンカのように大量に出ていないので、サザンカ以上に撮るのが難しいです。
この画像ではわずかに光っている部分が蜜です。




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