アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ツワブキ - 蜜はおいしいか?

2021-10-31 18:11:47 | みんなの花図鑑

きょうは、愛知県緑化センターのツワブキです。




アブたちがたくさん蜜を吸いに来ていました。








ツワブキは キク亜科ツワブキ属の常緑多年草。




キク亜科の花は 真ん中の筒状花と 周囲の一枚の花弁が肥大化した舌状花とから構成されています。




筒状花の小花から 褐色のたて縞のある筒が出ていますが、「雄しべ筒」とか「葯筒」といって雄しべが合着してできた筒で 内壁に花粉が出ています。



内壁の花粉は 未成熟なめしべの花柱によって押し上げられ 筒の外に溢れます(雄性期)。




めしべ棒は花粉を押し上げた後、柱頭を2裂し、カールさせて開花します。
アブやハチが来て蜜をなめてるのを見ると、蜜は雄しべ筒の根元にあるようです。



秋の紅い葉 - 愛知県緑化センター

2021-10-31 09:37:28 | みんなの花図鑑
「赤い実」を特集したので、きょうは「紅い葉」コレクション。
場所はすべて 愛知県緑化センターです。
カメラは 一部を除きコンデジです。


モミジバフウ

モミジバフウ(紅葉葉楓、学名:Liquidambar styraciflua)は、フウ科フウ属の落葉高木。(wiki)



別名、アメリカフウ。


隣に フウ(タイワンフウ)の木がありますが、こちらはまだ紅葉してませんでした。





トウカエデ

トウカエデ(唐楓)は、ムクロジ科の落葉高木です。(wiki)
一部分、紅葉していました。





ピンオーク

この樹は 造園実習園のいちばん奥にあるのですが、オークの仲間であることは分かるのですが、
ピンオークか スカーレットオークか、イマイチ明確に区別できていません。



「ピンオークは葉の裂片の間の裂欠がU型に開いた葉を持つオークとして知られ、スカーレットオークの閉じ気味のC型の裂欠と比較対照される。」(出典ブログ閉鎖)








ベニバスモモ

ベニバスモモ(紅葉李)は、バラ科サクラ属の落葉小高木です。



葉は若葉のころから紅紫色で、秋になると紅がさらに濃くなります。








ハゼノキ

ハゼノキ(櫨の木、黄櫨の木、学名:Toxicodendron succedaneum)はウルシ科ウルシ属の落葉小高木。単にハゼとも。(wiki)


「果実を蒸して圧搾して採取される高融点の脂肪、つまり木蝋は、和蝋燭、坐薬や軟膏の基剤、ポマード、石鹸、クレヨンなどの原料として利用される。 日本では、江戸時代に西日本の諸藩で木蝋をとる目的で盛んに栽培された。」(同上)




ドウダンツツジ

「ドウダンツツジ(灯台躑躅、日本吊鐘、学名Enkianthus perulatus)は、ツツジ科ドウダンツツジ属の植物。「ドウダン」は、枝分かれしている様子が昔夜間の明かりに用いた灯台(結び灯台)の脚部と似通っており、その「トウダイ」から転じたもの、また、「日本吊鐘」の方は中国名に由来する。」(wiki)








カツラ

最後に 黄葉したカツラ です。


カツラ(桂、学名:Cercidiphyllum japonicum)は、カツラ科カツラ属の落葉高木。別名、トワダカツラ。(wiki)




秋の赤い実 (3) ザクロ

2021-10-30 18:00:00 | みんなの花図鑑

きょう、JA産直に行ったら、うれしいことに、ザクロの実を売ってました。




ザクロはミソハギ科に属し、学名を Punica granatumといいます。
属名 Punica は punicus(カルタゴの) に由来し、ザクロを北アフリカ・カルタゴ原産と想定したため。
種小名の granatum は 「粒状の」の意。




「果実は花托の発達したもので、(中略)秋に熟すと赤く硬い外皮が不規則に裂け、赤く透明な多汁性の果肉(仮種皮)の粒が多数現れる」(wiki 「ザクロ」より)




ザクロは 英語で Pomgranate (ポムグラニット)。
Pomgranate は「粒の多いリンゴ」の意味で、中世ラテン語の pōmum grānātum、pōma grānāta(種の多いリンゴ)に由来します。




「日本に輸入されて店頭にしばしば並ぶのは、イラン産やカリフォルニア州産が多く、輸入品は日本産の果実より大きい。」(同上)




イラン人に言わせると、イラン産ザクロは 日本のザクロと比べると、「見た目も、中身も、全く別の果物と言って良いほど異なっているそうです。
「海が近く雨が多い地域では、土壌の水分量が多いため、ザクロが熟れて皮が堅くなる前に果実が成長してしまい、栄養分が十分蓄えられないまま皮が耐えられずに実が割れてしまいます。」(日本人が知らない、イラン産ザクロの素晴らしさ)
砂漠に近い厳しい環境で育てられたイランのザクロはゆっくりと成熟するため実は大きく、酸っぱくないというのです。

秋の赤い実 (2) サンザシなど

2021-10-30 10:19:04 | みんなの花図鑑
サンザシ

サンザシの実はバラの実(ローズヒップ)に似ています。



ていうか、ローズヒップは バラ科の果実の総称なので、これもひとつのローズヒップ?
リンゴにも似ています。




原産地は中国で、江戸時代 生薬として渡ってきました。
@於大公園・薬草薬木園(東浦町)





ヤブサンザシ

ヤブサンザシの名は 藪に生え,果実がサンザシに似ていることから。



ただし、バラ科ではありません。
ユキノシタ科 スグリ属
または
スグリ科スグリ属



「実はサンザシより小さく、果皮は肉質で水分もあるが、苦味と酸味が強いため生で食べるのは難しく、果実酒にするのが一般的。」(庭木図鑑・植木ペディア「ヤブサンザシ」)



@愛知県緑化センター





ピラカンサ

トキワサンザシではなく、属名のピラカンサ(Pyracantha)としたのには理由があります。
「ピラカンサの名前で呼ばれる3種は、和名ではトキワサンザシ(常磐山査子:P.coccinea)、タチバナモドキ(橘擬:P.angustifolia)、カザンデマリ(崋山手毬:P.crenulata)と呼ばれる3種である」
(多摩川の汽水域「<参考26>河川敷の春から初夏にかけての草木と花」)



「3種のうち、中国南部原産のタチバナモドキ(P. angustifolia)は葉の裏に白い毛が密生し、果実がオレンジ色であることから容易に区別できる。
問題は、あと2種のトキワサンザシ(P. coccinea)とヒマラヤトキワサンザシ(カザンデマリ)(P. crenulata)で、区別が難しい。両種とも葉が無毛で、果実が真っ赤に熟す点が共通する。」
(終了したblogs.yahoo.co.jp/aibaboston/12009189.htmlより)



@愛知県緑化センター園外雑木林
「園芸種ながら野化したことで、交雑種が出来ている可能性もあって、河川敷や護岸であちこち見られるピラカンサを厳密に3種に区別することは極めて難しい。」
(多摩川の汽水域「<参考26>河川敷の春から初夏にかけての草木と花」)




サンシュユ







以上、愛知県緑化センターにて

関連クイズ??

昨年2月に、西尾市憩の農園で撮ったものです。名札には「サンシュユ」とありました。
サンシュユの何なんでしょう?? (^_-)-☆

美味しいので、鳥が食べた? (´∀`)


イイギリ

愛知県緑化センターの実習舎のイイギリです。
赤いブドウのような実をびっしり付けています。



別名 ナンテンギリ。



おいしそうなのですが、鳥はなかなか食べません。冬になり葉が落ちて、実だけ残っているころになるとようやく食べると言います。



@愛知県緑化センター





モッコク

ツバキ科のモッコクです。
モチノキやマツと並び「庭木の王」との異名を持ちます。



「モッコクはモチノキ、モクセイとともに「三大庭木」にも数え上げられ、これらを庭に採り入れると、景色にまとまりがでるという。モチノキと混同されやすく、江戸時代以前はモチノキの一種とされていた。」(庭木図鑑 植木ペディア「モッコク」)



果実は 1㎝ほどの皮の厚い卵状球形で、熟すと裂けて中から濃い赤色の種子がちらりと顔を出します。



メジロ、キビタキ、オオルリなどの野鳥が好んで食べるそうです。



ニシキギの種子に似て、真っ赤です。





秋の赤い実 (1) モチノキ科

2021-10-29 18:16:49 | みんなの花図鑑
愛知県緑化センターを中心に、秋の赤い実を集めてみました。
第1回は「モチノキ科の赤い実」。


ウメモドキ













バックは ベニバスモモです。



横にあった白実のウメモドキです。
@愛知県緑化センター




クロガネモチ







@愛知県緑化センター





シナヒイラギモチ

単に シナヒイラギとも呼ばれて流通していますが、ヒイラギモチであり、れっきとしたモチノキ科です。



葉っぱが 四角張って角が鋭くとがったモチノキといったほうがいいかもしれません。
別名 チャイニーズホーリー(ホーリーは英語でモチノキのこと)
クリスマスのころにはしっかり赤くなると思います。

@愛知県緑化センター




タラヨウ

葉っぱに傷をつけてはがきの代わりにしたタラヨウです。



@於大公園(東浦町)





ソヨゴ

果柄の長いソヨゴです。



@西尾市憩の農園


ゲンノショウコ - 神輿草

2021-10-29 07:50:52 | みんなの花図鑑

@愛知県緑化センター・ロックガーデン
ほとんどがこのような神輿(みこし)になっていましたが…




一部、まだ花もありました。これで、神輿がゲンノショウコの花後であることを確認。




ゲンノショウコ(現の証拠、学名: Geranium thunbergii)は、フウロソウ科フウロソウ属の多年草。生薬のひとつであり、和名は「(胃腸に)実際に効く証拠」を意味する。」(wiki)
































コミカンソウ - 愛知県緑化センター

2021-10-28 18:13:40 | みんなの花図鑑

久しぶりに 愛知県緑化センターを訪れ、びっくりしました!
コミカンソウが至る所にミカンをつけているではありませんか!




いえね、ロックガーデンの花壇にたくさん生えてるのは知ってたんですけど。。。
駐車場にも、本館横の散策路にも、道路にも生えてるんです。
このコミカンソウは ヤブサンザシの畑で撮りました。




コミカンソウは 以前はトウダイグサ科に分類されていました。
現在は 独立してコミカンソウ科とされています。




「小枝の基部から中央部には雌花、先端部には雄花が着く。」(wiki「コミカンソウ」)





「果実は直径3ミリ程のやや偏平な球形の蒴果で、多数の種子を含み、赤く熟し表面には横方向の凹凸が多い。そのため、見かけは小さなミカンを想わせ、和名の由来にもなっている。」(同上)




「道端や畑に多く見られる。日本では関東地方以西の各地、また韓国、華南、東南・南アジアに分布し、さらに世界の熱帯・亜熱帯に広く帰化している。」(同上)




「日本にも史前帰化植物として入った可能性がある。」(同上)



メガルカヤ - イネ科

2021-10-28 09:59:19 | みんなの花図鑑

カルカヤは「刈る茅」で、昔は茅葺屋根のために刈り取る草をすべて「カルカヤ」と呼んだようですが、狭い意味でカルカヤと言った場合には、このメガルカヤのことだったようです。
(いっしょに写ってるのは イネ科スズメガヤ属のカゼクサ




「葉の基部と葉鞘に長い毛がある。」(芝地の雑草の見分け方と防除「(21) メリケンカルカヤ」)




「1つの小穂に見えるが、中には6個の小穂があり、その内真ん中の1つだけに、長く赤っぽいがあり、結実する。」(同上)

芒(のぎ) 稲や麦などイネ科植物で、花の外側の穎(えい)の先端にある針状の突起。分類上重要。(デジタル大辞泉)



「小穂は長さ約1㎝で芒は太く軟毛がある。」(同上)





学名は Themeda triandra Forsk var. japonica Makino
長いので 単に Themeda japonica とも。

Themeda f<ar Ar植物名 thaemed由来。イネ科




<img src="https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/a0/dc5c42770637f15f62cf99541d457276.jpg" border="0">
メガルカヤは在来種です。
1940年ごろ、愛知県で確認されその後すさまじい勢いで各地に広がっていったメリケンカルカヤに駆逐される恐れがあります。




茎に節が見えます。イネ科の特徴の一つ、中空茎。そういえば、タケもイネ科でした。







椎の実 - スダジイとツブラジイ

2021-10-27 18:00:00 | みんなの花図鑑

自転車で病院に行くとき、神社の境内をショートカットしていくのですが、きょう、境内の大木の椎の木の実が落ちているのを見つけました。
病院の帰り、拾ってきました(右の丸っぽいほう)。




ついでに、病院の横にある白山神社にも 別の種類のシイがあることを思い出して、これも拾ってきました。
(左の長細いほう)


「シイ属は主にアジアに約100種類が分布、日本はこの属の分布北限となり2種が自生する。」(wiki「シイ」)
シイ属は学名をCastanopsis といい、Castanea(栗) + opsis (似る)を語源としています。



スダジイ

「スダジイ(ナガジイ、イタジイ、Castanopsis sieboldii)- シイ属の中では最も北に進出してきた種であり、大きな木では、樹皮に縦の割れ目を生じる。福島県、新潟県の佐渡島にまで生育地がある、果実は細長い。」(同上)




スダジイは当地では 比較的珍しいと思います。私も子供のころはよく椎の実を食べたのですが、ツブラジイばかりでした。もしかすると スダジイも見てたのかもしれませんが、ちょっと長細くてツブラジイより大きめなので、「食べる椎の実」と思ってなかったのかもしれません。
やや大味かもしれませんが、ちゃんと椎の味がします。




ツブラジイ

「ツブラジイ(コジイ、C. cuspidata)- 関東以西に分布する。果実は球形に近く、スダジイに比べ小さい。」(同上)



「古くは単に椎(しい)とよばれ、『万葉集』にも歌われている。」(wiki「ツブラジイ」)
子供のころは 椎の実は拾ってその場で食べることがほとんどでしたが、最近では アルミホイルに包んでオーブントースターで1分弱、炒ってから食べます。

炒りたての椎の実の味は 属名の通り Castanea(栗)に opsis (似る)です \(^o^)/






マリゴールドとアンゲロニア - 悪魔のような天使

2021-10-27 10:44:45 | みんなの花図鑑
マリゴールド(センジュギク)

安城デンパークの寄せ植えのサルビアとマリゴールドです。
黄色のほうがマリゴールドです。
マリーゴールドと呼ばれることが多いですが、英語の marigold のことなので マリゴールドとここでは呼びます)




スマホの Google Lensで検索すると、必ず 「センジュギク」を第1候補に挙げてくるマリゴールドです。
センジュギクとマリゴールドはどういう関係になるのでしょうか?

「マリーゴールドの仲間は、分類に混乱が見られます(中略)この仲間で、観賞用に栽培されるものは、すべて、メキシコ原産です。
メキシコ原産なのに、アフリカン・マリーゴールドや、フレンチ・マリーゴールドと呼ばれる種があります。これらは、誤解によって付けられた名です。」(図鑑.net モバイルブログ・松沢千鶴 「マリーゴールドの正体は?」)




「フレンチ・マリーゴールドには、コウオウソウ(紅黄草)という日本語名があります。」(同上)
「アフリカン・マリーゴールドのほうには、センジュギク(千寿菊)という日本語名があります。」(同上)
「マリーゴールドの分類は、前記の日本語名から取って、キク科コウオウソウ属、または、キク科センジュギク属とされます。コウオウソウ属とセンジュギク属とは、名前が違っても、実体は同じです。」(同上)




「さらに、ややこしいことがあります。英語でマリーゴールドMarigoldというと、日本で言うマリーゴールドとは、違う種を指すことが多いのです。
 もともとの英語では、Marigoldといえば、トウキンセンカ(唐金盞花)という種を指しました。」(同上)




この黄色いマリゴールドには 看板が掲げてあって、そこには
「Tagetes erecta 'March Yellow'
 マリーゴールド ’マーチ イエロー’」
とありました。
でも、 Tagetes erecta で検索すると 「センジュギク」(ウィキペディア)が検索トップに出てくるのです。
「センジュギク(千寿菊、学名:Tagetes erecta)は、キク科コウオウソウ属の一年草で、観賞用に栽培される草花である。」




アンゲロニア

アンゲロニアは ゴマノハグサ科(→オオバコ科)に分類される南米原産の花です。
アンゲロニアの花を大写しにすると、私はいつも「阿鼻叫喚」という言葉が浮かんできます。




阿鼻叫喚とは?
「地獄に落ちた亡者が、責め苦に堪えられずに大声で泣きわめくような状況の意から。」(三省堂 新明解四字熟語辞典より一部引用)
仏教の言葉です。




ところが アンゲロニア(Angelonia)とは ラテン語で「Angelos(天使)」です。
この花の(いったい)どこを見て 「天使」を発想したのでしょうか? (´・ω・)




というか、「天使」と聞いて ローマ神話のキューピッドを想像してませんか (´∀`)
エンジェル は キューピッドではないのです !(^^)!




「英語の angel はギリシア語のアンゲロス(αγγελος;angelos)に由来し、その原義は「伝令」「使いの者」である。古代ギリシア・ローマ世界では、アンゲロスは生身の人間としての伝令を表す言葉であると同時に、神々と人間の中間の霊的存在としての伝令を指す言葉でもあり得た。」(日本語wiki「天使」)
キリスト教で、天使の中に 「堕天使」という概念があって、
「堕天使(だてんし)は、主なる神の被造物でありながら、高慢や嫉妬がために神に反逆し、罰せられて天界を追放された天使、自由意志をもって堕落し、神から離反した天使である。」(日本語wiki「堕天使」)
この堕落した天使のことを悪魔と呼んでいるそうなので、花の「アンゲロニア」はさしずめ この堕天使(fallen Angel)を言っていたのではないかと思えてきました。(あくまでも勝手な憶測ですが (^^ゞ)