アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

秋は夕暮れ。秋はヒガンバナ

2024-09-15 07:00:00 | みんなの花図鑑
春はあけぼの。
夏は夜。
秋は夕暮れ。

秋は
ヒガンバナ

日本では こういうのをヒガンバナとか 曼珠沙華と呼んでます。あまりリコリスとは呼びません。




でも、学名は Lycoris radiata
ということで「学名からリコリス・ラジアータとも呼ばれる。」(Wikipedia「ヒガンバナ」)




種小名の radiata は「放射状の」の意。
「真っ赤な6弁の花を放射状(輪状)に数個つけて咲く」(wiki)ところに由来してるのかな?




それとも 放射状に延びる長いシベを見てのことかな? (^^♪




場所は安城デンパークの鉄砲山(施設ができる前からあった田んぼの中の小山)というか岡。
その山を取り巻くお堀のヒガンバナです。




写真は2022年のコロナ療養明けの 9月上旬に撮ったものです。






リコリス

バックは パンパスグラス。




やはり 9月9日安城デンパークのグラスウォークにて撮影。




名前は リコリス 'フォーン (Phone) ' とありました。

「Phone」 というのは 電話のことでしょうか?




ネットを検索しますと リコリス 'フォーン ' は通販カタログにあって、
そこでは フォーン(fawn=子鹿) となってます。



通販カタログには
 変化する花色!
 Lycoris cv. 'Fawn'.
というのもあります。
三河の植物観察「リコリス(園芸種)」にも
 「 'Fawn'(フォーン) クリーム色にえんじ色を帯びる」
はありますが、’Phone’ はありません。






リコリス

ちょっと品種名が分かりません。
リコリス ’フォーン’ のそばにありました。




「リコリスはヒガンバナ科ヒガンバナ属の総称である。ヒガンバナ属は世界に約20種があり、観賞用に栽培されている。ヒガンバナ属の園芸種は多数あり、中でもヒガンバナ(赤色)、シロバナマンジュシャゲ(白色)、ショウキズイセン(黄色)、ナツズイセン(ピンク色)、キツネノカミソリ(橙色)などがよく栽培されている。ハイブリッドも多数作られ、これらを含めてリコリス(園芸種)と総称されている。」(三河の植物観察「リコリス(園芸種)」)





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ワレモコウ - Great burnet の意味

2024-09-14 07:00:00 | みんなの花図鑑
見出し画像はめしべ活動期のワレモコウの花穂。


バラ科ワレモコウ属の多年草で、学名は Sanguisorba officinalis。英名は Great burnet。
英語の Great burnet という名前の由来がどうもよく分かりません。
辞典によると burnet だけでもすでに ワレモコウ の意味があるらしいし、「バーネット (Barnet, Barnett, Burnet, Burnett, Barnette) は、英語圏における人名(ファミリーネーム(サーネーム)またはファーストネーム)または地名。」とWikipedia にはあります。
ということで......
さらに少し検索してみると、
世界中に30種ほど存在するワレモコウ属の植物を、西洋ではひとまとめに「Burnet」と呼び、
ワレモコウはワレモコウ属の中でも特に深い赤色の花なので Great を冠して呼んでいる
ということらしいです。



穂の上から下へ咲き進みます。これは穂のいちばん上で開花が始まったところ。




これは穂の途中まで進んだ開花最前線。
先におしべが黄色い花粉を放出します。




穂の一番下まで開花が進みました。
4本のおしべの中心にめしべが伸びて 寒天のような柱頭を展開します。





このとき穂の天辺のほうは どうなっているかというと、雄しべは既に落ち、雌しべの柱頭だけが妖しげに活動しています。




さらに花後の穂の姿。
手裏剣のように開いているのは花弁(petal)でなく萼片(sepal)。







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マルバルコウとルコウソウのどっち?

2024-09-13 08:23:24 | みんなの花図鑑
(四年前の記事のリメイク版です)

これは ルコウソウでなく マルバルコウです

マルバルコウ

ルコウソウとどこが違うのかというと、葉がまったくちがいます。(ルコウソウの葉はあとで見ます)



マルバルコウ(マルバルコウソウ)もルコウソウも ヒルガオ科サツマイモ属のつる性植物です。
でも 「サツマイモになりたがっているように思えてくる」(植物雑学辞典「マルバルコウ」より)のは マルバルコウだけです !(^^)!




つぎに、どこで出会うか?が ちがいます。
マルバルコウもルコウソウも、もともとは、江戸時代、観賞用として持ち込まれたつる性植物なのですが、今ではマルバルコウのほうは完全に野生化し「他の雑草に絡み付いて秋の野原を赤く染め」ています。
これも小河川の土手にずらっと群生していたものです。年々増えています。



あと、花弁の色がちがいます。マルバルコウのほうは このようなオレンジ色というか橙色ないし朱色です。マルバルコウといったらサツマイモに似た葉で、花はこのいろ一色です。




そして今度は、両者の共通点なのですが、シベが花冠から突き出しています。
白い花粉粒がきれいです。



それでは 似ているルコウソウとはどんな花なのか?というと…


ルコウソウ

これがルコウソウの花シベです。
なんだ、マルバルコウと同じじゃないの?!
そうなんです、花冠からシベが突き出して花粉が白いことは同じなのです。
(この花は花弁が赤いのですが、よく見ると おしべの花糸も赤いです。マルバルコウの花糸は白でした)




だって 同じヒルガオ科サツマイモ属ですから。
でも、花の色が違いますよ。赤は赤でも マルバルコウのような朱色系ではありません。




そして最大のちがいは、葉にあります。
このようなどこか水草みたいな、松葉(なんとか)みたいな葉をしています(表現力がなくてすみません、百聞は一見に如かずということで悪しからず)



花弁の色は 赤(深紅色)がいちばん多いのですが、ピンク、白色のもあります。
色に種類があるのもルコウソウの特徴ですね




どこで出会うかというと、お屋敷のグリーンカーテンなどになっていることが多いです。
当地では、野で出会うことはまれで、ルコウソウのほとんどが人の手によって仕立てられたものです。







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ガガイモ - 古事記の昔から

2024-09-12 07:00:00 | みんなの花図鑑

大国主の神は各地に沢山のお妃を迎え、そこを拠点として順調に国創りを進めていった。
民たちは、大国主の国創りに対して、決して文句や不平不満を言わなかった。




でも、心の底から幸せそうにしている住民はいないように大国主には見えた。
国創りは順調に進んでいるのに、どうしてだろう、なぜだろうと大国主の心は晴れなかった。





ある日、大国主が出雲の美保の岬で佇んで、「どうしてだろう」「なぜだろう」と考えていると、海の彼方からガガイモ で作った舟(ガガイモの果実の莢・二つに割ると舟の形になる)に乗って、蛾(が)の皮で作った粗末な衣服を着た神さまがやって来た。




大国主がその神さまに名前を尋ねても、神さまは何も答えてくれない。
なぜか大国主は、その神さまに一目で魅了された。
この神さまなら、今、大国主が悩んでいる国創りについて、きっと何か教えてくれるに違いないと直感したのである。





ある日、大国主がその神さまの名前を知ってる者はいないだろうかと、考えながら歩いていると、普段なら気付きもしないヒキガエルが目が止まり、このヒキガエルが小さなこの神さまの名前を知っているに違いないと根拠もなく思った。




そこで大国主がヒキガエルに「ゲロゲロッゲロゲロッ(クエビコ、クエビコ)」と話しかけると、ヒキガエルはうなずいた。
クエビコとは案山子(かかし)のことである。
ヒキガエルは「案山子なら出雲の国のことを全てお見通しなので、きっとこの神さまの名前を知っているよ」と教えてくれたのである。





そこで、さっそく案山子のクエビコを探してきて、その神さまの名前を尋ねた。
案山子のクエビコは「この神さまは、天地創造の時に三番目に登場した神産巣日の神(萬物を産み出す役割の陰の神さま)の御子(みこ)であられる、少名毘古那(すくなびこな)の神である」と教えてくれた。




少名毘古那(すくなびこな)は、どうして、あなたに仕えている神々はわたしの名前を知らなかったのに、ヒキガエルと案山子のクエビコは知っていたのか。
その理由を考えてみるがよいと言った。




大国主は「御霊(命の泉)鎮め」をして、その理由をじっくりと考えてみたところ、はっと気が付いた。
大国主にとって、ヒキガエルも案山子のクエビコも、普段は全く目に止まらない存在であった。




けれども、ヒキガエルも神さまや人間と同じ「命の泉」によって生かされている存在である。
案山子を案山子たらしめている材料も同じ「命の泉」によってこの世に生まれてきたのであった。





これまでの国創りは農業の普及に始まる文明社会の構築ばかりに目を奪われて、山川草木生きとし生けるものに目を向けることを忘れていた。「命の泉」によって生かされている萬物と調和して生きていくことが神々や人間にとって幸せであることにようやく気が付いたのである。






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テンニンギク - 特攻花

2024-09-11 07:00:00 | みんなの花図鑑

テンニンギクは 「学名:Gaillardia pulchella
インディアンブランケット (Indian blanket)、サンダンス (Sundance) とも。」(wiki 「テンニンギク」)




もうひとつの別名が 「特攻花」。
「第二次世界大戦中に鹿児島県知覧町から沖縄へ出撃する陸軍特攻隊の中継基地が喜界島にあり、ここから二度と戻らない決死の飛行に飛び立っていった。夜明け前に出撃する特攻隊員に、島の女性がテンニンギクの花束を渡したため、特攻花と呼ばれている。受け取った隊員は「花も一緒に散るのはしのびない」と、花束を滑走路に残した。その種が発芽し、現在も周囲には多くのテンニンギクが咲いている・・・という物語が戦後生まれた。」(同上)




「しかしその事実を示すものは無く(中略) 武田鉄矢氏の創作から派生した都市伝説とも、戦後の外来種の花とも言われ、史実に繋げるには難があると考えられ、むしろ戦後に作られた戦争ファンタジーの部類と考えて差し支えない。」(同上)




テンニンギク(特攻花)は花弁のように見える周囲の舌状花も派手ですが、中心部の筒状花(とうじょうか)もマクロレンズで覗くとびっくりな格好をしています。筒状花は周辺部から開花していきますから、濃い赤紫のY字型の器官はめしべです。中央の頭部にちょこんと飾りをのっけてるのがつぼみです。




Y字型のめしべについている黄色い粒子が花粉です。




めしべはY字型に分かれる前はブラシのような毛をつけています。(つぼみの頭上部についている飾りみたいなのがそれでしょう)
これが 雄しべの筒の中にある花粉をひっかけながら上に伸びてくるのです。




中央にひとつだけまだ口を開けていない雄しべ筒(濃い焦げ茶色のツクシのような部分)があります。このなかをめしべが伸びてきて後方のように 雄しべ筒の中の花粉粒で黄色くなりながら成長してきます。この時点で雌しべは雌しべとして未成熟なため自家受粉することはありません。




原理的には雌しべ棒の外側の壁に花粉粒が付いていて、Y字型に開いて内側に柱頭を展開するのですから、自家受粉することは無いはずですが、このように 花粉が内側までついていてニアミスしてる小花も多々見られます。




鹿児島には2つの特攻隊基地がありました。ひとつが前述の知覧で薩摩半島側、もうひとつが 大隅半島側の鹿屋基地です。
シラス台地の半島です。

特攻花の花言葉は「協力」「団結」「生きなさい」

戦時中に基地の補修にあたった人の中には、テンニンギクは戦前からここに咲いていて、ヤグルマソウと呼ばれていたと話す人もいるようです。戦後になって、特攻隊員が飛び立った飛行場を赤く染めるテンニンギクの姿に、誰ともなく『特攻花』と呼ぶようになったのかも知れませんが、一面テンニンギクが咲き誇っている風景を目にすると、『特攻花』と呼び、鎮魂の花、平和を願う花として大切にしたいという島の人たちの思いがわかる様な気がします。(旅行記 ・喜界空港(旧海軍航空隊喜界島基地)







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センニンソウ - クレマチス属

2024-09-10 07:00:00 | みんなの花図鑑

豊田安城自転車道が 第2東名のアローブリッジをくぐるあたりに 何か所か センニンソウの花が咲いています。




センニンソウは クレマチス属のつる植物です。
「センニンソウ属 Clematis は、キンポウゲ科に含まれる植物の1群。蔓性のものがよく知られるが、その姿は様々。花が美しく、観賞用に栽培されるものもあり、また有毒植物である。園芸方面ではクレマチスと呼ばれる。」(wiki「センニンソウ属」)




何とか 背景にアローブリッジを入れようといろいろアングルを変えてみましたが、逆光で、モノトーンになっちゃいました。




学名:Clematis terniflora
「属名(Clematis)は「若枝」を意味し、種小名(terniflora)は「3枚葉の」を意味する。」(wiki「センニンソウ」)




4枚の白い花弁のように見えるものは萼片です。花弁は無いとのこと。




面白いのは
「雄蕊は無毛で多数」(同上)は良いとして、
「雌蕊も多数ある」(同上)なんです。雌しべが多数ある花は珍しいと思いませんか(^_-)-☆





つぼみ




カナブンが来ていました。夢中で餌を漁ってます。




コガネムシの仲間は、白い花が好きなんですって !(^^)!




猿渡川の堤防にもありました (´∀`)



センニンソウ(仙人草)の名は…

種子から出るヒゲが仙人の髭のようだから。





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クルマバザクロソウ - ザクロの実

2024-09-09 07:00:00 | みんなの花図鑑

ザクロソウには在来種のザクロソウと外来種のクルマバザクロソウとあります。
「ザクロ」というのは 果実が ザクロの真っ赤な実に似ているから・・・と思ってましたが・・・




クルマバというのは 葉が輪生しているところからつけられた名前で、見ると5~6枚の細い葉がちょうどヤエムグラの葉のように伸びています。




「偽輪生する葉の数が多いのも目安になる。ザクロソウは2-3枚だが,クルマバザクロソウでは4-7枚がつく。」
(いがりまさし撮れたてドットコム「クルマバザクロソウ」)




花の付き方にも違いがあり、ザクロソウは 茎の頂上に花をつけ、クルマバザクロソウは葉の脇から一つずつ出てきます。
「花には花弁がなく、花被片は5(まれに4)個つき、長さ2.5~3㎜、3脈があり、縁は膜質、先がやや尖る。」(三河の植物観察「クルマバザクロソウ」)




おしべの葯が 雌しべの柱頭に寄り添っています。
横から見ると、子房にたての白い筋が入っているように見えます。




「雄しべが柱頭を隠しているようだ。」との記事も(^^ゞ





3つあるぼんてん耳かきの羽毛のような器官が雌しべの柱頭で、すぐ横の白い二枚貝のような器官が雄しべの葯部分ですね。










受粉した子房は果実(蒴果)に成長します。ぱっくり割れて現れた赤い種子が ザクロの実そっくりなんですよ。
私は「だからザクロソウなんだ」と思ってましたが、一般的にはそうではなく「(在来種のザクロソウの)少し肉厚で艶のある葉がザクロの葉の質感に似ることにちなんで」つけられたものなんだそうです。(野田市 > ・・ > ユーチューブを活用した市内草花広報 > 草花図鑑 > ザクロソウ(ザクロソウ科ザクロソウ属))
ただ、そうなるとクルマバザクロソウの葉は艶もなくちっともザクロの葉に似たところがないのに、そしてこのようにザクロそっくりの実がなるというのに、そのことは名前にみじんも寄与していないことになり、歴史的経緯はいざ知らず、これでは名前を覚えにくい!と私は未だ「ザクロのような実がなるから」説に執着しています (^^ゞ




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南海トラフと直下型地震対策

2024-09-08 19:00:00 | 雑記
「いつ起きてもおかしくない」と言われ続けている南海トラフの巨大地震。
 しかし実際の大地震は、2016年に熊本、2018年に北海道・胆振、そして今年は元旦に能登半島と、発生確率が高くないとされていた地域ばかりで大地震が起きています。8月8日にも宮崎沖の日向灘でM7.1の地震が起き初めての「南海トラフ(巨大地震注意)」が発表されましたが、震源は南海トラフ想定震源域の最西端であり、後述するようにいささか無理やり感を否めません。


図1. 地震は火山フロントと海溝の間で起きる(1)

南海トラフは「沈黙のトラフ」?
 図1 を見てください。日本列島周辺には大きく2つの地震帯があることが分かります。ひとつは千島海溝から日本海溝・伊豆小笠原海溝へと連なる連続した海溝の列島側に、もう一つは日向灘~南西諸島海溝の陸側の地震帯です。いずれも海洋プレートが大陸プレートに沈み込む地帯で、陸側に活火山列(火山フロント)があります。これはニュースでよく出て来る海洋プレートの大陸プレートへの沈み込み説明図(プレートテクトニクス理論(2))そのものです。
 ところが同じ図から分かるように南海トラフの列島側には火山フロントが見当たらず、地震も相対的に少ないのです。南海トラフ地震は過去にほぼ100~200年間隔で起きているとされています。しかし同じ100年の間に日本列島を東西から挟む大地震帯では火山噴火も含め毎日のように地震が起きているのです。それゆえ南海トラフを「沈黙のトラフ」と呼ぶ科学者さえいます(3)
 8月8日の宮崎沖の地震も南海トラフというよりも「日向灘~南西諸島海溝の陸側の地震帯」で起きた地震のように見えて仕方ありません。



直下型地震
 地震は海溝型地震だけではありません。活断層で起きる直下型地震は震源が直下であるだけに被害は大きくなります。被害を減らすには何が被害を大きくしたかを知ることです。

主な大地震の死因 (4)
 1923年 関東大震災 M7.9:87.1% 火災
 1995年 阪神淡路大震災Mw6.9:83.3%建物倒壊
 2011年 東日本大震災M9.0:90.6% 溺死
 2016年 熊本地震Mw7.0:76.0% 建物倒壊
 2024年 能登半島地震Mw7.5:90.5% 建物倒壊





三河地震の教訓
 直下型地震「三河地震」(M6.8)は死者・行方不明者数3,400人余という、20世紀に日本で起きた地震のなかで6番目に多くの被害者を出しました (6)。三河地震の死者数を多くした直接の原因は家屋の倒壊による圧死ですが、その遠因は37日前に起きた東南海地震(Mw8.2)により既に多くの家屋の「ほぞ」が外れ半壊状態にあったこと、にもかかわらず応急処置できる男手が徴兵されていて不在であったこと、しかも戦時下で補強材料が不足していたことにもあります (7)。油ヶ渕の西端村では村内の寺院3つがすべて倒壊し、そこに集団疎開していた多くの児童が犠牲になりました (8)。直下型地震に対する直接的な対策は建物の耐震化ですが、三河地震は戦時下に起きたことが被害を大きくしています。
 さらに運よく建物の倒壊から逃れたとしても避難所生活で過労死する危険が待っています。熊本地震では、余震の影響で「直接死」の4倍を超す「災害(震災)関連死」が報告されています (9)。能登半島地震でも雑魚寝の避難所生活のため2週間で早くも14人が災害関連死の疑いがあるとされています (10)
 一方、4月の台湾の地震で被害の大きかった花蓮市内の避難所には、冷房完備・簡易ベッドが備えられたプライバシーに配慮したテントが、地震からわずか3時間後に設置されて話題になりました (11)。これは東日本大震災のとき釜石市が3週間後に設置した同様の施設を参考にしたと言われています (12)。デジタル化を含め、日本も台湾の良いところを大いに取り入れるときではないでしょうか。

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脚注
(1) 火山の分布と地震の分布 その1
  http://raytheory.jp/nazotoki/volcano/distribution/
火山は海溝と平行に列をなして分布する
© 2024 Shizuoka University Center for Integrated Research and Education of Natural Hazards
 https://www.cnh.shizuoka.ac.jp/research/barchive/mtfuji/001-2/
(2) プレートテクトニクスについてはたとえば以下が参考になります
第19章 科学の革命 プレートテクトニクス
 https://ocw.hokudai.ac.jp/wp-content/uploads/2016/01/ScienceLiteracy2-2011-Text-19.pdf
(3) 「沈黙のトラフ」は以下の記事を参考にしました
 https://www3.nhk.or.jp/news/special/news_seminar/jiji/jiji102/
(4) 過去の大地震の主な死因
 https://www.tokiwa-system.com/column/column-298/
(5) Mが1増えるとエネルギーは約32倍に
  https://www.kajima.co.jp/tech/seismic/higai/040602.html
(6) 三河地震 死者 過去6番目
  https://www.katch.co.jp/kinjo/prevention/2.html
(7) 三河地震 被害を拡大した要因
  https://www.bousai.go.jp/kyoiku/kyokun/kyoukunnokeishou/rep/1944_tounankai_jishin/pdf/8_chap4.pdf pp.127
(8) 東南海地震と三河地震は戦争中に起き(中略)救助や復旧工事でたよりになるわかい男の人の多くは、戦地に行っていていませんでした。また、こわれた家をなおすための木材やくぎも、足りませんでした。 一方、この地域には名古屋から戦火をさけてたくさんの子どもたちが来ていて、被害にあってしまいました。 (キャッチネットワーク発行 DVDブック「三河地震から70年」)
  https://www.katch.co.jp/kinjo/prevention/2.html
(9) 熊本地震から8年 死者の8割を占めた災害関連死の教訓から学ぶ
  https://weathernews.jp/s/topics/202404/050215/
(10) 能登半島地震では避難所で十分に暖をとることができず、眠れない状況が続いている
  https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240115/k10014321601000.html
(11) 被害が大きかった花蓮市内の避難所は、冷房完備、簡易ベッドが備えられたプライバシーに配慮したテントが設置され、女性専用や特別支援者専用の寝室も設置されました。
  https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/900002158.html
(12) 危機管理アドバイザー 国崎信江氏:
実は、台湾は同じ地震大国ということから、日本で起きた東日本大震災や熊本地震の避難所の在り方を調べて、良いと思ったところを取り入れてきているんです。残念なのは、日本はこのスタイルなるまでに、発災から2~3週間以上かかっている。これに対して、台湾は発災から2時間で準備をして、3時間で受け入れを開始しているということなんです。
  https://www.fnn.jp/articles/-/682444?display=full






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4年前の燕去月(つばめさりづき)‐ 2020年9月(2)

2024-09-08 07:00:00 | みんなの花図鑑
繁殖期のため日本へ渡ってきたツバメが、子ツバメが成長し朝晩が涼しくなり同時に虫も少なくなる季節、ふたたび台湾を含む東南アジアへ帰っていきます。燕去月(つばめさりづき)は旧暦でいえば8月ですが、今の暦でいえば9月の名前です。
今日は4年前の燕去月に撮った画像の後半です。
同じ植物が何度も登場することもあります。
こうして振り返ってみると、ほぼ毎年同じ花ばかり撮っていますねぇ(´∀`)


9-18 ヒユ科


センニチコウ



9-16 アカバナ科


ヒレ・タゴボウ




9-17 タデ科


オオケタデ




9-19 ヤマモガシ科


グレビレア




9-20 ヒルガオ科サツマイモ属


ルコウソウ




9-26 ヒルガオ科サツマイモ属


マルバルコウ





9-21 ウコギ科


タラノキ




9-22 カヤツリグサ科


シラサギカヤツリ





9-23 アカバナ科


ヒレ・タゴボウ





9-24 シソ科


カリガネソウ





9-25 マメ科


マルバハギ






9-27 タデ科


イタドリ




9-28 ツユクサ科


イボクサ





9-29 イラクサ目イラクサ科


カラムシ




9-30 アカバナ科


ヒレ・タゴボウ






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4年前の燕去月(つばめさりづき)‐ 2020年9月(1)

2024-09-07 07:00:00 | みんなの花図鑑
ツバメは春に東南アジアから南西諸島経由で日本に渡ってきます。南の土地では競合する鳥が多く子どもの餌となる虫を多く採れないからだそうです。
そして子ツバメが成長し朝晩が涼しくなり同時に虫も少なくなる季節、ふたたび台湾を含む東南アジアへ帰っていくそうです。燕去月(つばめさりづき)は旧暦でいえば8月ですが、今の暦でいえば9月の名前なのです。


9-01 マメ科


クズ





9-02 オミナエシ科


オミナエシ




9-03 バラ科バラ亜科


ワレモコウ





9-04 マメ科


ハギ





9-05 キク亜科ヒヨドリバナ属


フジバカマ




9-06 学名 Clematis terniflora

 (上 2016-9-04)

センニンソウ




9-07 ナデシコ科


ナデシコ





9-08 アゼトウガラシ科


トレニア





9-09 マメ科マメ亜科


(下 2016-12-01 撮影)
タンキリマメ




9-10 マメ科マメ亜科


ノアズキ




9-11 マメ科


アレチヌスビトハギ




9-12 キキョウ科


キキョウ





9-13 ヒガンバナ科(クロンキスト体系ではユリ科)


タマスダレ





9-14 キク科


センダングサ(の仲間)





9-15 ミソハギ科


ホソバヒメミソハギ





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