アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ウエストリンギア - 匂いがしない

2025-01-17 07:00:00 | みんなの花図鑑

おっ、ローズマリーが咲いてるぞ!
と、近くに寄ってみるが、ローズマリーの香りがしない。



認知症の初期の兆候は 匂いに鈍感になること。
さては 認知症が始まったか、と思いながら下を見ると 「ウエストリンギア」のラベルがある。



でも、ウエストリンギア は 周囲の枯れてしまった草本の名前かも知れない。
帰宅して 、半信半疑で「ウエストリンギア」を検索したら、当たっていたようです。



Westringia は シソ科。
オーストラリア原産樹木の一つです。だから、オーストラリア園まえに植えてあったんだ。
見かけが ローズマリーに似ているので、オーストラリアン・ローズマリー の別名があるとか。
「ウエストリンギア(オーストラリアンローズマリー)には香りはありません。」(Google AIによる概要)
やっぱりね (´∀`)





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ローズマリー - 海の雫(しずく)

2025-01-16 07:00:00 | みんなの花図鑑
見出し画像は 下を回転させたものです。

小学校の校門前に植わっていた ローズマリーです。




なので、ローズマリーの品種は分かりませんが、大好きなローズマリー独特の匂いがします。
ローズマリーの匂いは記憶力、集中力、注意力の向上を助けてくれます。




また、ローズマリーは皮膚に作用し、抜け毛(育毛)、代謝促進など様々な美容効果も期待できるとされています。



石黒マリーローズさんという方が日本におられ、外交官の語学教師などをしていらっしゃいますが、彼女は レバノン出身なんですね。
レバノンはアラブの雄シリアの隣にありながら、十字軍の進路でもあった土地で、キリスト教徒のマロン派とモスレムのシーア派・スンナ派の数が拮抗し、内閣が宗派の持ち回りで成立していたことのある国です。
日本を脱出したカルロス何某さんは マロン派です。




学名は「Salvia Rosmarinus(サルビア・ロスマリヌス)」。
種小名のRosmarinus は、ラテン語の ros(雫(しずく))とmarinus(海)を語源に持ち、 原産地のレバノンなど地中海沿岸の海に近く湿度の高い土地にあり、その青く小さな花がまるで「海の雫(しずく)」のように見えたことが由来とされています。



レバノンの海岸ではありませんが、隣国シリアの地中海沿岸ラタッキアの海岸風景。






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カランコエ・ウェンディ - 加藍菜

2025-01-15 07:00:00 | みんなの花図鑑

Kalanchoe カランコエ カランコエ っていうけれど、 どういう意味なんだろ?




フランスの博物学者のミシェル・アダンソンが中国名の「加藍菜」の発音から、カランコエの名を付けたと言われています。
中国から早い時期にアフリカに進出していることから、アフリカ南部や東部に自生していたカランコエは中国語の発音がアフリカへと伝わったとされています。
(春夏秋冬「カランコエの花言葉,英語名は?絶滅危惧種の花!?」)





だた、Googleで中国語「加藍菜」 を発音させると Jiā lán cài (ジャーランタィ) のような発音になり、意味は「青キャベツを追加」の意と出てきます。
ネットの別の記事には 「「加籃菜」とは中国語で「落ちて育つもの」という意味」とあります。(花咲マニアとアロマさん「カランコエの花言葉と名前に由来する7つのこと」)
いっぽう、「伽蓝菜」という中国語があり、この意味は カランコエ のことだといいます。 ただし、これの発音も Qiélán cài (ジャーランタィ )です。
結局、 [ジャーランタィ] がどのようにして [カランコエ] に変化したのか、ちょっとばかし 理解に苦しむところです。

中国語説とは別の説もあります。それは・・・
「古代インドの言語に由来するという説です。
こちらは、赤みがかったツヤのある葉になるカランコエの種類に関連して、古代インドの言葉で「赤サビ」(kalanka)と「照り」(chaya)という言葉に由来したのではと考えられています。」
(同上、花咲マニアとアロマさん「カランコエの花言葉と名前に由来する7つのこと」)




カランコエ・ウェンディは 下向きに咲いた釣鐘のような形の花がとても印象的です。




「ウェンディ」 は マダガスカル原産のミニアタ種と別の野生種との交配によって作出されました。どこかピンクがかった、淡い緑色の多肉質の葉を密につけます。濃い赤紫色の釣鐘型で、花弁の先が黄色の花を咲かせます。
(植物図鑑「カランコエ・ウェンディの意味・解説 」)





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ヒイラギとヒイラギモクセイ - トゲの形がちがう

2025-01-14 07:00:00 | みんなの花図鑑
ヒイラギ

クリスマスのシーズンになると、葉に棘のある赤い実をつけた木が園芸コーナーに並びますが、あれはモチノキ科のヒイラギモチ。



本物のヒイラギはこの季節に白い花を咲かせます。




モチノキ科のヒイラギモチは赤い実をつけますが、ヒイラギはモクセイ科なので、ネズミモチに似た黒い実をつけます。



ヒイラギの名は「葉の縁の刺に触るとヒリヒリ痛む(古語:疼(ひひら)く・疼(ひいら)ぐ)ことから。」(Wikipedia)



こちらは同じようにトゲの鋭い斑入りのヒイラギです。





ヒイラギは台湾や日本が原産地で、欧米では見られません。
モチノキ科の葉に棘のあるクリスマスの飾りつけに使うヒイラギモチの仲間ですと、西洋にはセイヨウヒイラギ(モチ)が、アメリカにはアメリカヒイラギ(モチ)が、そして東アジアにはシナヒイラギモチ(ヤバネヒイラギモチ)が、というように地域によって品種が違うけれど同じ属の樹があるのですが・・・
また、先日取り上げたように、東アジアのサンシュユに対応するものとして西洋にはセイヨウサンシュユがあります。
ところが、東アジアのヒイラギには 対応するセイヨウヒイラギのような木の存在を聞いたことがありません。不思議です。








これもヒイラギですが、やや棘の鈍角な葉を持った品種です。




葉に棘の無いヒイラギもあります。


同じ品種でも 歳をとると(丸くなって?)棘が無くなってくると言われてます。




マルバヒイラギ?

マルバヒイラギは日本の福島県以南の本州・四国・九州・沖縄に自生するモクセイ科の常緑高木のヒイラギの変種で葉っぱが小さくて、トゲがほとんどないヒイラギです。












ヒイラギモクセイ

ヒイラギと同じく初冬に白い花をつける樹にヒイラギモクセイがあります。
ヒイラギモクセイはヒイラギと中国原産のギンモクセイとの雑種と考えられています。




花はヒイラギよりもギンモクセイの花に似ています。





でも、ギンモクセイの葉には棘は無いので、葉のほうはヒイラギの性質が受け継がれています。



一本の木でも、棘が付いた葉がある枝と無い枝があることがあります。








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ドンベア・セミノール - アオイ科

2025-01-13 07:00:00 | みんなの花図鑑



ドンベヤは東アフリカからマダガスカル原産、アオイ科の熱帯花木です。ドンベヤ‘セミノール’(Dombeya ‘Seminole ’ )は、ドンベヤ・ブルゲシアエ(Dombeya burgessiae)をもとに作出された交配種で、明るくきれいなピンク色の花がブーケのような半球状にかたまり、上向きに咲くのが特徴です。(安城デンパークのサイトより)






アオイ科?らしくない花ですが、ドンベア属なので、フヨウやハイビスカスのように雌しべと雄しべが筒になっていません。











これは何だ!? ピンボケじゃないか!というなかれ "(-""-)"
溢れる蜜にピントが合ってます。




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ベトナムツバキ - 海棠と書いて何と読む?

2025-01-12 07:00:00 | みんなの花図鑑

日本のツバキを見ていると勘違いしやすいのですが、ツバキ属は中国南部から南西部からベトナムにかけてのもっと暖かい地域が分布の中心地です。
ベトナムツバキ(ハイドゥン)(Camellia amplexicaulis)は、ベトナム原産のツバキ科の熱帯低木です。蝋細工のような桃色の美しい花や蕾が特徴です。ベトナムではテト(旧正月)を祝う花として知られています。(解説板より)







そしてこのベトナムツバキ「ハイドゥン」は漢字で「海棠」と書きます(^^♪
意外に思われるかもしれませんが、ベトナムも日本と同じ漢字文化圏だったのです。
同じ漢字でも国によって読み方が違います。
「海棠」という漢字は日本語では「カイドウ」と読みますが、中国語で「hǎitáng」と読みます。
韓国では「海棠花」と書いてヘダンファと読み、意味は「ハマナス」のことだそうです。









ベトナム語に戻ります。
そもそも ベトナムにしてからが「越南」を読んだもの。
ハノイの漢字は「河内」。
ホーチミンさんは漢字名「胡志明」です。







さきほど解説板に
「ベトナムでは テト(旧正月)を祝う花」とありましたが、
「テト」は 「節元旦 Tết Nguyên Đán(テト・ゲェン・ダン)」の省略した言い方で、
「節」(テト)
「元旦」(ゲェン・ダン)
だったのです !(^^)!



他にも、
ハノイは河内、
サイゴンは西貢。
クアンサット は観察、
カイカックは改革、
カムドン は 感動 \(^o^)/


〔欄外〕ミャンマーのアウン・サン・スー・チーさんの漢字表記
台湾      翁山蘇姬
シンガポール   翁山淑枝

中国      昂山素季 
香港・マカオ  昂山素姬



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ソシンロウバイ(素心蝋梅)

2025-01-11 07:00:00 | みんなの花図鑑

ソシンロウバイ(素心蝋梅)の花が咲きだしました。
が、今年はちょっと変です!





こんな風に、まだ緑の葉がいっぱい枝に付いたままなのです!







こういう画像を見ると、蝋梅の名は、花びらが半透明でつやがあり、蜜蝋のような質感があることから、という説がいちばんしっくりきます。


以下、毎度おなじみの ロウバイの雄しべと雌しべの話です。
ロウバイの雄しべ、めしべは活動期がちがって、はじめは めしべが活動します。

上の画像で中心にある糸くずのような器官が雌しべです。
めしべ活動期には 雄しべは横たわっています。
この状態を「おしべが開いている」と勘違いされてる方がおられますが、開いているのではなく待機しているのです。それが証拠に、おしべの葯(花粉の入った器官)は花粉放出面(モアイ像に例えるとモアイの顔の面)は花弁のほうを向いて突っ伏しているのであります(´v_v`)

おしべの状態模式図1



めしべ活動期が終わるころ、雄しべが起き上がり、受粉の終わった雌しべをガードするように取り巻きます。その後、葯(モアイ像の顔に当たる部分)をから花粉を放出しはじめます。

おしべの状態模式図2




おしべも最後は雌しべを絞り込むようにして萎れていきます。




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オタフクナンテン - 斜陽を浴びて?

2025-01-10 07:00:00 | みんなの花図鑑
オタフクナンテン

「オタフクナンテンが斜陽を浴びて光っている」・・・
というような言い方をするとたいていの人は違和感を持たれると思います。



戦後、太宰治の小説により「斜陽」の意味は変形しました。
以来、斜陽は「衰退・没落」のニュアンスで用いられるようになりました。



でも元々「斜陽」とは 「西に傾いた太陽。夕日の斜めにさす光」(Oxford Languages)のことだったのです。



ところで、オタフクナンテンの葉に似た葉にドウダンツツジがあります。
葉だけ見ると時としてどちらか分からないことがあります。
上の画像をGoogle Lensで検索しても ドウダンツツジを候補に挙げてくる割合が多いくらいです。(2025年1月現在 "(-""-)")



でも、葉の形をよ~く見るとちがうのです。



オタフクナンテンのほうはナンテンの葉に比べて丸みを帯びています。だから「おたふく」(=頬が丸く張り出した女性)なのですが、ということは一番膨らんでいる部分はほっぺなので顔の下半分ということになります。
これが識別ポイントです。




ドウダンツツジ

一枚の葉の幅のいちばん広い部分はどこですか?



明らかに 葉の中央より葉先のほうが幅広ですよね?!



これならセンリョウとマンリョウのちがいと同じように、簡単に見分けられますよね !(^^)!




おまけで・・・
斜陽を浴びて光るイロハモミジ













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オステオメレスのローズヒップ?

2025-01-09 07:00:00 | みんなの花図鑑

名前をオステオメレス・シュウェリナエといい、バラ科の植物です。

和名は タチテンノウメ(立ち天の梅)/シラゲテンノウメ(白毛天の梅)



バラの果実を「ローズヒップ」と呼びますが、このオステオメレス・シュウェリナエの果実もローズヒップと呼んでいいのでしょうか?



このローズヒップはとっても小さいです。

〔参考〕
いわゆるローズヒップ





ところがローズヒップであるにもかかわらず、最終的な果実の色は以下のように 黒っぽいものとなります。



イヌツゲみたいな、クスノキみたいな実だったのです。

〔参 考〕
イヌツゲ


クスノキ






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