冬に咲く元気な花といえば、このヒイラギナンテン(Mahonia)の園芸品種 ’チャリティー’ も代表選手の一つでしょう。
「ヒイラギナンテン・チャリティーは ニイタカヒイラギナンテンMahonia oiwakensis subsp. lomariifolia (previously known as Mahonia lomariifolia) と ヒイラギナンテン Mahonia japonica の交配種であるマホニア・メディアのいくつかある品種の一つ。」(三河の植物観察「ヒイラギナンテン・チャリティー 」)
ヒイラギナンテン(Mahonia japonica)にくらべ、背が高く、また花の数が多い特長があります。
たしかに花数が多い!
株によってですが、蜜がキラキラ光ってます。この蜜、(当然のことながら)甘いです!(^^)!
ヒイラギナンテンの花には、この前話題にしたロウバイと似た特徴があります。
やはり、おしべが動くのです。
開花当時のおしべは このように花弁のほうに寄り添っていますが…
虫が花に乗ったりすると、やおら 雄しべは雌しべのほうに移動するのです。
雄しべの花糸に触れると動くようで、ロウバイのように全おしべが一斉にめしべのほうに集まるというわけではありません。
また、ロウバイの葯(おしべの頭についている花粉袋)は雌しべに反対側(外側)を向いていましたが、このヒイラギナンテンの雄しべは 内向きです、雌しべのほうを向いています。
なので、めしべの柱頭と雄しべの葯とが同じ高さにあれば、自家受粉してしまいます。
(他家受粉か、自家受粉か分かりませんが)受粉した雌しべの子房は 赤く熟してきます。
実はナンテンの子房もこのような形をしています。
ところが ナンテンのほうはご存じのように成熟すると球形の赤い実になりますが、ヒイラギナンテンの果実は熟してもこのように子房のときの形のままです。
虫が少ない時期なので、そうやすやすと他家受粉できるとは思えません。それでもけっこう子房が赤紫に熟しているのを見ると、自家受粉によってできた果実も多くあるのではないかと思われます。