アメリカ軍が誤って医師団を爆撃してしまい、オバマ大統領が謝罪する騒ぎになりました。
そうこうしていると、今度はロシア軍も誤爆したとの報道が流れています。
ロシアも誤爆
一般に、戦場における戦死者の15%は同士討ち、すなわち味方の攻撃で死亡すると言われています。
その意味では、今回の悲しい出来事も、一定の確率で発生することが想定されていたことといえるのかも知れません。
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同士討ちに関するネット記事です。
この記事を読むと、実戦経験の乏しい自衛隊を戦闘地域に投入した場合、その安全な運用が如何に難しいのか、そのリスクの一端に触れた気持ちになります。
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【質問】
同士討ちを防ぐには?
【回答】
高部正樹は,自己の経験を元に,次のように述べている.
同士討ち――それは戦場でごく希に発生する.
一番気をつけなければならないことは,実戦経験の少ない兵の前になるべく出ないようにすることだ.
こういった兵は,いわゆる目の不自由な方と一緒と思ったほうがいい.ひとたび戦闘が始まると,一瞬の内に周囲の状況が見えなくなってしまう.何か変化が起こっても,その状況に対応することなどできない.ただ恐怖のため,ショット・ガンでも撃っているかのように辺り構わず弾を撒き散らすだけだ.酷いのになると,撃っている方向さえ見ていない.
恐怖のために正気を失った奴らは,ひたすら自己防衛のみに走ろうとする.
例えば横のブッシュが動いただけで,それが何か確認もせずに,いきなり弾をぶち込む.それが味方のいる方向だろうと,明らかに味方だろうとお構いなしだ.
そんな奴の前に出るということは,銃を持った精神異常の凶悪犯の前に無防備で姿を晒すのに等しいだろう.
だから間違っても,こんな奴の正面に出てはいけない.自分の死ぬ確率が飛躍的に上昇するのは間違いないだろう.
また,脅かしたり刺激したりしない事も肝心だ.そんあことをしたら,こちらを向いた瞬間に「ズドン」となって,すぐにあの世へ行くことになる.
どんなベテランでも,その状況如何によっては,同士討ちという事故を起こす可能性はある.
しかし新人の兵士に注意を払うことにより,この事故はかなりの確率で防ぐことができるだろう.
どうしても新兵に近付かねばならないときは,自分の存在を味方として強く印象付けることが大切だ.脅かさないように一声かけるのもいい.合図を送るのもいいだろう.
新兵の位置や動向に,指揮官やベテランは十分に注意する.
経験豊かな兵を新兵のバディにつけるのは,効果的な方法だ.それだけでも,その新兵の受ける心理的プレッシャーは,かなり楽になるはずだ.心が少しでも落ち着けば,周囲の状況が見えるようになってくる.
その他,同士討ちの例としては,希なケースではあるが,「怨恨」が原因となることもある.
対人関係には留意すること.戦場では互いに部隊の兵士がカバーし合わなければ,生還は期し難い.一緒に何度も死線を乗り越えていけば,普通はそれだけでお互いの信頼も深まるものだが,全ての人間がそうなるとは限らない.
みんなが即,人を殺せる道具と技術を持ち合わせている人間の集団だけに,対人関係は大切にしなければならない.
味方を敵と誤認して撃ってしまったというケースも耳にする.敵味方識別装置をつけていない歩兵の戦いでは難しいところだろう.
指揮官はもちろん,部隊の兵士も他の味方部隊の動向や位置を把握しておく必要があるだろう.
(高部正樹「傭兵の誇り」,小学館,2001/12/20, P.173-177,抜粋要約)
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ラグビーW杯でのジャパンの活躍を、とても複雑な思いで観ているのが佐々木隆道くん(啓光学園ー早大)でしょう。
清宮監督時代の早稲田ラグビーで最も優れた選手の一人。
ジャパン復帰が待たれます。
記事へのリンク
オバマ大統領:誤爆を謝罪…国境なき医師団会長に - 毎日新聞
そうこうしていると、今度はロシア軍も誤爆したとの報道が流れています。
ロシアも誤爆
一般に、戦場における戦死者の15%は同士討ち、すなわち味方の攻撃で死亡すると言われています。
その意味では、今回の悲しい出来事も、一定の確率で発生することが想定されていたことといえるのかも知れません。
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同士討ちに関するネット記事です。
この記事を読むと、実戦経験の乏しい自衛隊を戦闘地域に投入した場合、その安全な運用が如何に難しいのか、そのリスクの一端に触れた気持ちになります。
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【質問】
同士討ちを防ぐには?
【回答】
高部正樹は,自己の経験を元に,次のように述べている.
同士討ち――それは戦場でごく希に発生する.
一番気をつけなければならないことは,実戦経験の少ない兵の前になるべく出ないようにすることだ.
こういった兵は,いわゆる目の不自由な方と一緒と思ったほうがいい.ひとたび戦闘が始まると,一瞬の内に周囲の状況が見えなくなってしまう.何か変化が起こっても,その状況に対応することなどできない.ただ恐怖のため,ショット・ガンでも撃っているかのように辺り構わず弾を撒き散らすだけだ.酷いのになると,撃っている方向さえ見ていない.
恐怖のために正気を失った奴らは,ひたすら自己防衛のみに走ろうとする.
例えば横のブッシュが動いただけで,それが何か確認もせずに,いきなり弾をぶち込む.それが味方のいる方向だろうと,明らかに味方だろうとお構いなしだ.
そんな奴の前に出るということは,銃を持った精神異常の凶悪犯の前に無防備で姿を晒すのに等しいだろう.
だから間違っても,こんな奴の正面に出てはいけない.自分の死ぬ確率が飛躍的に上昇するのは間違いないだろう.
また,脅かしたり刺激したりしない事も肝心だ.そんあことをしたら,こちらを向いた瞬間に「ズドン」となって,すぐにあの世へ行くことになる.
どんなベテランでも,その状況如何によっては,同士討ちという事故を起こす可能性はある.
しかし新人の兵士に注意を払うことにより,この事故はかなりの確率で防ぐことができるだろう.
どうしても新兵に近付かねばならないときは,自分の存在を味方として強く印象付けることが大切だ.脅かさないように一声かけるのもいい.合図を送るのもいいだろう.
新兵の位置や動向に,指揮官やベテランは十分に注意する.
経験豊かな兵を新兵のバディにつけるのは,効果的な方法だ.それだけでも,その新兵の受ける心理的プレッシャーは,かなり楽になるはずだ.心が少しでも落ち着けば,周囲の状況が見えるようになってくる.
その他,同士討ちの例としては,希なケースではあるが,「怨恨」が原因となることもある.
対人関係には留意すること.戦場では互いに部隊の兵士がカバーし合わなければ,生還は期し難い.一緒に何度も死線を乗り越えていけば,普通はそれだけでお互いの信頼も深まるものだが,全ての人間がそうなるとは限らない.
みんなが即,人を殺せる道具と技術を持ち合わせている人間の集団だけに,対人関係は大切にしなければならない.
味方を敵と誤認して撃ってしまったというケースも耳にする.敵味方識別装置をつけていない歩兵の戦いでは難しいところだろう.
指揮官はもちろん,部隊の兵士も他の味方部隊の動向や位置を把握しておく必要があるだろう.
(高部正樹「傭兵の誇り」,小学館,2001/12/20, P.173-177,抜粋要約)
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ラグビーW杯でのジャパンの活躍を、とても複雑な思いで観ているのが佐々木隆道くん(啓光学園ー早大)でしょう。
清宮監督時代の早稲田ラグビーで最も優れた選手の一人。
ジャパン復帰が待たれます。
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