オフィスの通用門から道に出たら、何と虫の声が聞こえてきました。
まだ蒸し暑い丸の内の裏通り
裏通りだからこそ、小さな虫の声が聞こえたのだと思います。
連日、「東京電力の電力使用率が90%を超えました」という知らせを受ける日が今も続きますが、「秋が近いですよ」と虫に教えてもらい、少しホッといたしました。
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さて、私が小中学生の頃、社会科のテストの定番問題の一つに、「三公社五現業を列挙しなさい」というものがありました。
日本国有鉄道、日本専売公社、日本電信電話公社の3つの公社
そして、郵政、国有林野、印刷、造幣、アルコール専売の5つの事業のことを指します。
テストでは、必ず「日本交通公社」(現在のJTB)と回答する生徒が出て、先生から「交通公社は違うと、授業で何度も説明しただろう」と苦笑いするのが、お決まりでした。
もっとも今は、林野を除き、民営化または独立行政法人等に移管されています。
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東京電力の家庭向け電気料金が、明日9月1日から値上げされます。
とにもかくにも、電力消費がピークとなる時期を、何とか乗り切ることができそうですから、いよいよ次は、これからの日本のエネルギー政策と電力各社の有りようについて、国民レベルで議論を煮詰めていく時期になってくるのだと思います。
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大企業でも、公社等でも、事業形態を見直ししければならない時の基本的な手法は、既に確立されています。
* 会計分離(Accounting Unbundling):事業部門、製商品などごとに会計を分離し、個々の損益状況を明らかにする
* 機能分離(Functional Unbundling): 事業部門ごとの中立性・公平性を確保するために、部門間の情報を遮断する。
* 法的分離(Legal Unbundling) :事業部門ごとに分社化する。資本関係が持ち株会社を通じて維持されることは許容されます。
* 所有分離(Ownership Unbundling):事業部門ごとに、資本関係を含めて完全に別会社化する。
NTT各社やJR各社の経営形態を思い浮かべてみてください。
郵便・郵貯・簡保、あるいは電力会社などの将来の経営形態を考えるときにも、上記の公式を常に念頭に置く必要があります。
かたや、農業や漁業は、経営が個人レベルに細分化過ぎて、競争力や技術力の向上が難しくなっています。
このような場合は、むしろ経営の大胆な集約化が不可欠だと言えるでしょう。
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電力事業の自由化が進展している米国では、独立系統運用機関(ISO, Independent System Operator)が連邦政府の公認を受け、管轄区域の電力需給調整機能を一手に担います。
また、電力市場の精算機構として、決済価格の公表や過不足電力の調整機能も果たしますので、いわば電力市場の「中央銀行」というわけです。
ISOは発電業者から独立して送電網を管理運営し、電力の売り手と買い手が常時、自由かつ公平に送電網を利用でき、最終的な需給の帳尻を合わせます。
また、米国電力市場には発達した現物市場とデリバティブ市場が共存しています。
現物市場では、当日物・翌日物から将来の期日渡し物まで、取引端末でつながった電子市場を通じて相対で活発に売買されます。
電力の現物の受け渡しを伴わない金融取引も発達しており、参加者は石炭・天然ガス市況や気象状況をにらみながら、スワップやオプションを駆使して電力価格の変動リスクを管理しています。
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地域独占・垂直統合型という日本の電力各社の経営形態を、長年、当たり前だと思って疑いもしませんでした。
しかし、従来の経営形態の弱点が一気に表面化した今、各国の先進事例を参考にして、将来のビジョンを明確に見定めるべき時となりました。
まだ蒸し暑い丸の内の裏通り
裏通りだからこそ、小さな虫の声が聞こえたのだと思います。
連日、「東京電力の電力使用率が90%を超えました」という知らせを受ける日が今も続きますが、「秋が近いですよ」と虫に教えてもらい、少しホッといたしました。
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さて、私が小中学生の頃、社会科のテストの定番問題の一つに、「三公社五現業を列挙しなさい」というものがありました。
日本国有鉄道、日本専売公社、日本電信電話公社の3つの公社
そして、郵政、国有林野、印刷、造幣、アルコール専売の5つの事業のことを指します。
テストでは、必ず「日本交通公社」(現在のJTB)と回答する生徒が出て、先生から「交通公社は違うと、授業で何度も説明しただろう」と苦笑いするのが、お決まりでした。
もっとも今は、林野を除き、民営化または独立行政法人等に移管されています。
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東京電力の家庭向け電気料金が、明日9月1日から値上げされます。
とにもかくにも、電力消費がピークとなる時期を、何とか乗り切ることができそうですから、いよいよ次は、これからの日本のエネルギー政策と電力各社の有りようについて、国民レベルで議論を煮詰めていく時期になってくるのだと思います。
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大企業でも、公社等でも、事業形態を見直ししければならない時の基本的な手法は、既に確立されています。
* 会計分離(Accounting Unbundling):事業部門、製商品などごとに会計を分離し、個々の損益状況を明らかにする
* 機能分離(Functional Unbundling): 事業部門ごとの中立性・公平性を確保するために、部門間の情報を遮断する。
* 法的分離(Legal Unbundling) :事業部門ごとに分社化する。資本関係が持ち株会社を通じて維持されることは許容されます。
* 所有分離(Ownership Unbundling):事業部門ごとに、資本関係を含めて完全に別会社化する。
NTT各社やJR各社の経営形態を思い浮かべてみてください。
郵便・郵貯・簡保、あるいは電力会社などの将来の経営形態を考えるときにも、上記の公式を常に念頭に置く必要があります。
かたや、農業や漁業は、経営が個人レベルに細分化過ぎて、競争力や技術力の向上が難しくなっています。
このような場合は、むしろ経営の大胆な集約化が不可欠だと言えるでしょう。
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電力事業の自由化が進展している米国では、独立系統運用機関(ISO, Independent System Operator)が連邦政府の公認を受け、管轄区域の電力需給調整機能を一手に担います。
また、電力市場の精算機構として、決済価格の公表や過不足電力の調整機能も果たしますので、いわば電力市場の「中央銀行」というわけです。
ISOは発電業者から独立して送電網を管理運営し、電力の売り手と買い手が常時、自由かつ公平に送電網を利用でき、最終的な需給の帳尻を合わせます。
また、米国電力市場には発達した現物市場とデリバティブ市場が共存しています。
現物市場では、当日物・翌日物から将来の期日渡し物まで、取引端末でつながった電子市場を通じて相対で活発に売買されます。
電力の現物の受け渡しを伴わない金融取引も発達しており、参加者は石炭・天然ガス市況や気象状況をにらみながら、スワップやオプションを駆使して電力価格の変動リスクを管理しています。
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地域独占・垂直統合型という日本の電力各社の経営形態を、長年、当たり前だと思って疑いもしませんでした。
しかし、従来の経営形態の弱点が一気に表面化した今、各国の先進事例を参考にして、将来のビジョンを明確に見定めるべき時となりました。