週べ増刊号「大学野球」春季リーグ戦展望号。
先週末に発売されて、既に多くのファンの皆さんがお読みになっていると思います。
巻頭の特集で、山中正竹、江川卓、志村亮、和田毅の4投手、ならびに平成以降の20勝投手18名の詳細なデータと、現役の斎藤、大石、野村の3投手のこれまでのデータを比較しています。
通算48勝の山中投手、同じく47勝の江川投手のデータに目を通した時、とにもかくにも、その圧倒的な投球回数に息をのんでしまいます。
山中投手は8シーズン通算の投球回数571回(8シーズン平均71.3回。最多は二年生春の110回!!)、江川投手560回(8シーズン平均70.0回。最多は二年生春の90回!)
シーズン10試合で単純計算すればイニング数は90回なのですから、両投手の投球回数は、半端ではありません。
延長戦、あるいは三回戦以降に持ち込まれるカードがあるにしても、いかに山中、江川の両投手が、大車輪で投げまくったかが分かります。
それに対して、斎藤くんは、二年間で196回(4シーズン平均49回。最多は二年生秋の65回)。
昨秋は法政や明治との激戦が続き、かなりのイニング数を斎藤くんも投げたという印象があったのですが、数字を見る限り、山中、江川両投手の投球回数は次元が違います。
そのような投球回数の結果、彼らは48勝、47勝という金字塔を打ち建てました。
それは、六大学野球ファンに大きな感動と強烈な記憶を残してくれました。
しかし、後になって振り返ると、その金字塔の代償も、決して小さなものではありませんでした。
地方予選を全て完封、それもノーヒットノーランの連発で勝ち上がり、甲子園ではファールを打たれただけで「あの速球にバットが当たった」とスタンドから拍手が起きたという、怪物・江川。
そんな江川投手ですら、大学時代に消耗してしまい、プロ入り後の活躍は短い期間となってしまいました。
山中さんについては、四年生秋の法明戦の最終回にリリーフで登板した時に、対戦相手の明治の学生応援席から「おーい、山中」「四年間、ご苦労さーん」と慰労の呼掛けがあったという逸話も残っています。
そして、二人とも、二年生の時に最多投球回数を記録していることも気になります。
それは、法政に限らず、大学野球では、二年生の時に華々しく主戦投手となって大活躍した投手が、上級生になると故障に苦しんで力を出せなくなってしまうことが少なくないからです。
現代の早稲田も、決して例外ではありません。
いくらメディアが斎藤くんの40勝達成を焚き付けても、応武監督には、「量より質」をモットーにして投手起用してくださいと言いたいです。
幸い、同期生に大石、福井、池下らの好投手が揃っていますので、過酷な投手起用が必要となる場面も考えにくいですから。
ところで、「大学野球」を買うために、先週末に丸の内オアゾの丸善に行ったのですが、若い店員さんに在庫の有無を尋ねたら、「それって、ワセダの本ですよね?」との返答。
事前知識の無かった私は「ワセダの本???」と困惑しましたが、実際に本を手にして表紙を見たら、「なるほど、こういうことか」と納得いたしました。
(;^_^A