昨日の早明二回戦には、このブログにも何度か登場している西稲田の「八幡鮨」のご主人夫婦も応援においでになっていました。
早実ご出身のご主人。昔から早稲田の野球部を、こよなく愛してくださっています。
八幡鮨の店内には、古関裕而さん直筆の譜面、あるいは野球部にまつわる写真が何点か掲示してあります。
私が好きな写真は、早慶戦に勝って、八幡鮨の座敷で選手や地元の人たちが祝勝会をやっている、古い一枚。
あまりに祝勝会が盛り上がってしまい、警官が「もう少し静かにやれ!」とお店に注意に来たのですが、結局、選手たちと一緒に、その警官も乾杯しているという写真なんです。
本当に良き時代だなあと思います。
さて、お寿司といえば、お米とマグロが欠かせません。
そのお米とマグロに加えて、数の子、子持ち昆布、タラコ、りんご、豚、日本酒、バインダー金具、煮豆、キャンピングカー、廃プラスティック、こんにゃくいも、仏壇、フカヒレ、古着、玄米、鉄くず・・・・
これらの脈絡のない品目群を眺めて、これが何であるのかピンとくる人は、まずいないでしょう。
実は、動産担保融資(ABL, Asset Based Lending)という手法により、銀行が担保として実際に取得しているものの一部。
ABLは、不動産担保への極端な依存から脱却して、企業の流動資産を構成する売掛金、在庫に着目した融資手法として、取組みが進んでいるものです。
中小企業からみると、商品等の仕入れ資金を借入する際に、仕入れた商品の在庫を銀行に担保提供して、販売代金で返済、もしくは新たに仕入れをして在庫の適正水準を維持することを条件に一定の融資枠を設定します。
したがって、資金調達手段の多様化による資金繰りの安定化、あるいは在庫管理の適正化を図るソリューションの一つといえます。
金融界も試行錯誤を重ねつつノウハウを蓄積している段階ですが、課題も少なくありません。
上記の品目には、2005年にスタートした動産譲渡登記制度に基づき、金融機関は第三者に対して法律上は対抗できるようになるのですが、実務上は、なかなか大変です。
普段から「実際に子持ち昆布が、適切な温度で適切な数量が、正しく保管されているか」というような点検・監視を行なう必要があります。
担保が実際に必要となるのは借入企業の経営がおかしくなった時。
そんな時には、様々な債権者が殺到して在庫を持ち去ったり、企業を逃げ出そうとする役職員が勝手に換金してしまったりする異常事態が発生するからです。
いざという時に役立たなくては担保とする意味がありませんから、このような担保管理事務は極めて重要。
でも、人員削減が進む金融機関の支店では重い負担となります。
最終的には、物の管理はしきれないということになって、動産担保をあてにするのをやめて、会社の業績に変化がないかを注意深く見ようとということになりかねません。
私の勤務する銀行は、譲渡担保を用いるような中小企業融資を一切取り扱っていないため、直接影響はないのですが、個人的に気になり始めた点があります。
ABLが在庫品の所有権を金融機関に移すという譲渡担保の形態をとるので、物の所有権を有することに起因するリスク、例えば担保品が病原菌に感染していて、それが原因で健康被害が発生したような場合、法律的に所有者となっている金融機関が、その責任を負うことになるのではないかと思われるからです。
譲渡担保は、民法典に規定された典型担保ではありませんが、実務的には古くから金融界で利用されてきました。
しかし、昨今の判決をみていると、金融機関は、物に内在する所有者責任というリスクに、もっと注意を払わねばならないなあと思い始めています。
早実ご出身のご主人。昔から早稲田の野球部を、こよなく愛してくださっています。
八幡鮨の店内には、古関裕而さん直筆の譜面、あるいは野球部にまつわる写真が何点か掲示してあります。
私が好きな写真は、早慶戦に勝って、八幡鮨の座敷で選手や地元の人たちが祝勝会をやっている、古い一枚。
あまりに祝勝会が盛り上がってしまい、警官が「もう少し静かにやれ!」とお店に注意に来たのですが、結局、選手たちと一緒に、その警官も乾杯しているという写真なんです。
本当に良き時代だなあと思います。
さて、お寿司といえば、お米とマグロが欠かせません。
そのお米とマグロに加えて、数の子、子持ち昆布、タラコ、りんご、豚、日本酒、バインダー金具、煮豆、キャンピングカー、廃プラスティック、こんにゃくいも、仏壇、フカヒレ、古着、玄米、鉄くず・・・・
これらの脈絡のない品目群を眺めて、これが何であるのかピンとくる人は、まずいないでしょう。
実は、動産担保融資(ABL, Asset Based Lending)という手法により、銀行が担保として実際に取得しているものの一部。
ABLは、不動産担保への極端な依存から脱却して、企業の流動資産を構成する売掛金、在庫に着目した融資手法として、取組みが進んでいるものです。
中小企業からみると、商品等の仕入れ資金を借入する際に、仕入れた商品の在庫を銀行に担保提供して、販売代金で返済、もしくは新たに仕入れをして在庫の適正水準を維持することを条件に一定の融資枠を設定します。
したがって、資金調達手段の多様化による資金繰りの安定化、あるいは在庫管理の適正化を図るソリューションの一つといえます。
金融界も試行錯誤を重ねつつノウハウを蓄積している段階ですが、課題も少なくありません。
上記の品目には、2005年にスタートした動産譲渡登記制度に基づき、金融機関は第三者に対して法律上は対抗できるようになるのですが、実務上は、なかなか大変です。
普段から「実際に子持ち昆布が、適切な温度で適切な数量が、正しく保管されているか」というような点検・監視を行なう必要があります。
担保が実際に必要となるのは借入企業の経営がおかしくなった時。
そんな時には、様々な債権者が殺到して在庫を持ち去ったり、企業を逃げ出そうとする役職員が勝手に換金してしまったりする異常事態が発生するからです。
いざという時に役立たなくては担保とする意味がありませんから、このような担保管理事務は極めて重要。
でも、人員削減が進む金融機関の支店では重い負担となります。
最終的には、物の管理はしきれないということになって、動産担保をあてにするのをやめて、会社の業績に変化がないかを注意深く見ようとということになりかねません。
私の勤務する銀行は、譲渡担保を用いるような中小企業融資を一切取り扱っていないため、直接影響はないのですが、個人的に気になり始めた点があります。
ABLが在庫品の所有権を金融機関に移すという譲渡担保の形態をとるので、物の所有権を有することに起因するリスク、例えば担保品が病原菌に感染していて、それが原因で健康被害が発生したような場合、法律的に所有者となっている金融機関が、その責任を負うことになるのではないかと思われるからです。
譲渡担保は、民法典に規定された典型担保ではありませんが、実務的には古くから金融界で利用されてきました。
しかし、昨今の判決をみていると、金融機関は、物に内在する所有者責任というリスクに、もっと注意を払わねばならないなあと思い始めています。
今回のトピックで,実務上の典型的な問題点を知り勉強になりました。ありがとうございました。