紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

いいぞ、正子さん!

2009-03-05 23:21:54 | 読書
 ほぼ10年前に、大規模な白洲正子展が信楽のMIHOミュージアムで開催され見に行ったのは、娘の小学校入学のための面接が終了直後だったと記憶している。

 入り口にはいきなり隠元禅師の「日日」という書があった。書なんてからきしわからない私にだって、それがぶっとびの超極上品だということがわかるくらい、素晴らしいものだった。白洲正子さんのコレクションはおしなべてそうだった。私の素人目にも「これ、いい!! めちゃめちゃいい!! 欲しい!!」とわかるものばかりだった。そう、おしなべて。

 私の好きなものは、だいたいが「お茶目で、可愛く、へんてこりんで、和むもの」なのだが、この場合の「可愛い」は、どうも言いづらい。一般的な「かわいいもの」とは、ちょっと違うような気がする。

 で、白洲さんのコレクションを見て、「このひとは『おもしろ可愛いもの好き』なんや!」と、有頂天になった。私の基準とする「可愛さ」が、とてもマッチしたのだ。

 『件p新潮』的には、白洲正子さんは「幅広い教養と鋭い感覚と高飛車でダントツな美意識を持った、おっかないばあさん」として君臨されていたと思うのだけど、私は生意気にも「このひとは、むちゃくちゃ趣味がいいけど、面白くて、お茶目で、可愛いものが好きなはず」という見解を持っていた。

 そして彼女の娘さんである桂子(かつらこ)さんが両親のことを書かれた暴露本(笑)を世に出されたそうなのだ。彼女は「うちの両親って、なんだか変だ」とずっと思っていたらしい。

 タイトルは 『次郎と正子―娘が語る素顔の白洲家』(牧山桂子/著 新潮社)。様々なブックレビューをのぞいてみたら、もうそれだけで、爆笑。
 
 だって正子さん、面白すぎる!

 任侠映画を見た後は壷振りの練習に励んだり、麻雀をせこい手で上がろうとしたり、大好きな野球中継を見る時、ご夫婦で笛を鳴らし、太鼓を叩いて応援したり(たぶん次郎さんに強要したのでは??笑)、娘の嫁入り支度の買い物にいって、自分のものだけ買って帰ったり・・・正子さん、面白すぎる!!

 でもなんか、「ああ、やっぱり正子さんって、面白くて、お茶目で、かわいくて、へんてこりんな人だったんだなあ」とウラがとれて納得。正子さんのコレクションが指し示す通りに、正子さんその人こそが、私の好みにぴったりな方だったんだな。