教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

人の命かファフナーか

2009-01-13 00:44:54 | オタネタ全般
「ファフナーと俺たち、お前にとってどっちが大切なんだ?」
「・・・ファフナーだ」

蒼穹のファフナーに見る名言である。
あたりまえだが、人の命よりもタダの乗り物のほうが重要だという意味ではない。

いまから70年近く前、バトル・オブ・ブリテン(※1)という英独の航空戦があった。
イギリス空軍はドイツによって本土防衛が危ぶまれるほど大きな被害を受けていた。
ロンドンも空爆された。
その間、イギリスは民間人の防災よりも防衛拠点の維持回復を最優先させた。
イギリスの防衛能力は強化され、最終的にはドイツ空軍を圧倒し制空権を確保するにいたった。

仮にイギリス空軍がその日その日の人命救助や市街の防災を最優先していたとすると、きっとイギリスは負けていた。
イギリスは防衛能力を叩き潰されないようにすることを最優先し、それにより、より多くの人命と国土を守ったのだった。

しかしそれを語るのは難しい。

仮にどこぞの閣僚が1人の人命よりレーダーサイトの防衛のほうが重要だなどと発言したとしよう。そうしたら最後、プロ市民や左翼系新聞紙がオニの首をとったかのように嬉々として閣僚の人格攻撃をはじめるのは目に見えている。きっとかわいそうな閣僚は辞任に追い込まれるだろう。

奇麗事ではなく、ひとの命の重さを語るのはほんとうに難しいのだ。
それを蒼穹のファフナーはやってのけた。

ファフナーのほうが大切だというセリフ、
2000人いる島を防衛するためにはファフナーが不可欠であり、全員そろって生き延びる手立てがなく、どうしても全員を守ることができないのだから、1人の人命につき1機のファフナーを失うわけにはいかない、そういった悲壮な決意の表れである。
アニメにおいて、かつてこれほど心身寒からしめる言葉があっただろうか。

わたしはこれを描ききった製作者側にエールを送りたい。

(次回の記事もファフナーネタを予定)



【※1 バトル・オブ・ブリテン】

ほんとうはドイツ軍は海を越えて攻撃するための兵器開発を後回しにしていたとか、攻撃目標をとつぜんロンドン市街に変更したとか、いろんな複合要因があってこんな単純じゃあないようで。
あんま詳しくないので語りすぎるとボロがでかねないので、詳しくはwikipediaでも参照してね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%88%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%96%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%86%E3%83%B3