教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

俺たちの青春、16連射が帰ってきた!!!

2009-01-22 00:28:36 | シューティング
(注:本文は2003年夏コミでの同人ゲーShwatch++の販促パンフに記載された文章である。タイトルはこれと同じ)



あれは忘れもしない1986年、その年の夏、祖国日本の男子全てを震撼させる敵が突如として降臨した。
その恐るべき敵、刹那の間に16発の弾丸を打ち込まないと倒せない悪夢の人面戦闘艇ラザロ。
だれが忘れようか、俺たちにとって最大の敵、あの悪夢の人面戦闘艇を。
(公式には、ブレイン軍の航空・航宙機動兵器を束ねる中型機動兵器)

ラザロを倒す、そこには絶望が口を開けていた。
高度成長した日本に生まれ、多くのものに恵まれて育った少年たちにふりかかる、生まれて初めての絶望だった。
皆がその凶悪さに絶望した。
ある者は語るのを避け、黙して去った。
ある者はおのれの肉体の限界に涙し挫折した。
ある者は誘惑に魂をけがされ、邪道こすり派に転落した。
だれもが立ち向かえないと諦めかけていた。
もはや祖国日本にはあれを倒せるものは誰一人として現れない、皆が敗北感にさいなまれていた。
そんな時だった、その漢が現れたのは。
そうだ、一人だけ倒せる漢がいたのだ!

その漢は遠く北海道の大地より現れた、笑顔の似合う何の変哲もない青年だった。
だが、彼は恐るべきテクニックを引っさげて現れた。
彼はふらりとおもむき、1秒間になんと16発もの弾丸を撃ちこみ、みごとにラザロを撃破してみせた。
彼は一夜にして祖国の英雄となった。
100mを9秒台で走り抜けるのと同じくらい困難と言われた16連射、あれから17年が過ぎようとしている今日でさえ、人類からは彼を超える逸材はでてはいない・・・。

世間では、あの激動の時代を戦い、そして共に生きのびてきた俺たちのことを「ゲーム世代」と呼ぶ。
それは、友達と遊ぶよりも一人でTVゲームをしたほうが楽しい、と語る小学生が激増した時代、大人はだれからともなく侮蔑の意味をこめてゲーム世代と名づけた・・・。
そして今や月日は過ぎ、年齢だけは大人となった現在の俺たちゲーム世代。
俺たちは内に秘める誇りにかけてみずからの事を「ゲーム世代」と呼ぶ。
そう、俺たちはあの瞬間、日本で最も熱い夏を共有していた。
あの瞬間にあの場所へいたこと、そしてあの瞬間にあれを目指していたこと、それこそ俺たちが大人になった今でも誇れる大切な思い出ではないか。
あの頃、TVゲームすることそのものが悪だと見なしていた無感動な大人たち、俺は逆にやつらに問いたい。
「君たちは子供のころ、いったい何をしてきたのか答えられるか。何に命をかけていたか答えられるか。俺たちは誰に聞いても即答できる。それがゲーム世代だ」
と。
往年を知る、今や立派な社会人として成長した当時ゲーム世代と呼ばれた少年たちは、遠い眼差しをしながら皆そう語るだろう。
「あの年の夏は熱かった・・・」
と。
俺たちはあの時のあの瞬間に星空の軍隊(Star Force)に集う有志だったこと、そして星空を駆ける兵士(Star Soldier)だったことを忘れない。
俺たちだけの知るその戦場へ出向いたもとのあるものは今でも、その日々を懐かしむように物語っている。
ラザロは硬かった、ビッグスターブレインは強大だった、13面からの誘導弾は凶悪だった、思い出は尽きない。
みなの語るその笑顔からは、その辛かった日々を想像もできないような美しく輝かしい思い出に昇華している。

俺たちの好きなシューティングの歴史は深い。
弾を撃つタイミングによって高得点が狙えるスペースインベーダーから、反復練習と緻密な戦略によって難所を潜り抜け、見るものにTVゲームはかくも美しく儚いものかと感動を伝えつづけたグラディウス系、そして鬼のように降り注ぐ狂気の弾幕全てを避けきることで麻薬のような快感を得る東亜系と、シューティングは進化してきた。
だが、シューティングの原点ともいえる連射の素晴らしさを純粋に教えてくれるゲームは、遥か昔、ハドソン・スターソルジャーによって孤高の完成を得ていたのである。
そしてその連射の素晴らしさだけを蒸留し抽出したものがあの連射測定器「シュウォッチ」。

あの一世を風靡したシュウォッチは、今やどこへ消えたのだろう。
ブームは去った後、スーファミ型にメタモルフォーゼした新型機も投入されたが時代の波には勝てなかった。
俺たちの心の底から熱くさせてくれた16連射、全てと引き換えにして打ち込んだシュウォッチ、いったい、どこへ消えてしまったのだ。
もはや2度とはお目にかかれない、我々の青春に燦々と輝く金色のメカニズム「シュウォッチ」。
いったい幾人もの人々が、その復活を待ち望んでいた事だろう。
もはや某に命(株式)を握られたハドソンからは漢と呼べるしろものは復活しないのか、ただの焼きなおしではない魂の回生は起きないのか、だれもがそう諦めかけていた。
そんな時、ついに奇跡はおきたのだ!
日本最大の祭りコミケ、その3日目の同人ソフトコーナー、そこに何かが潜んでいる。
いまだ冷えきらぬ熱き魂を有している君はそこへ集うといい。
USB対応に肉体改造された古参シュウォッチ、そしてPC画面上に奇跡の復活を果たした新生シュウォッチが君の訪れるのを強かに待っているはずだ。
行ってみるといい。
きっと君の心にとどくものがある。



(次回はこれを配ったコミケでのことを語る)