最古参パソゲーユーザーなら知らないとモグリだと言われたファルコム。
90年代中ごろからはかつての栄光は感じられなくなってしまい悲しいかぎりだが、かつてはメチャメチャ凄かった。
わたしは今でもけっこう凄い会社だと思っているが、当時は今の凄さとは格が違う。
時をさかのぼること20数年、1980年代中ごろまで戻る。
ゲーム機でいうとファミコンの歴史を作るドラクエIが発売されたのが86年、パソコンでいうとPC9801の歴史を作るVMが発売されたのが85年、世間でいうと日航機墜落事件が85年、それくらいの時代のお話。
そのころ、ゲームの多くはアセンブラで書かれていた。
この時代はマシンの性能が低かったがために、CPU性能の限界まで使い倒したり全然足りないメモリを使い倒たりするために、自分で自分を書き換えるとか、レジスタの中身を消すのに0を転送するより自分自身とXORしたほうが1clock少ないとか、C言語だと絶対作れないアセンブラだからこそ実現可能なトリッキーな技術を使ってプログラミングしていた。(正確には「らしい」。そこまでの技術力はわたしにはありまへん)
今と比べて生産性が大変悪かった。そしてプログラマやソフトハウスによる優劣が天と地ほど開いていた。
中でもファルコムはすごかった。
その当時、わたしはN88-BASICがちょっとだけできる程度のヘナチョコレベルだった。そんなんでプログラムを書くと、ドットででかい絵を書くと1行づつ書いているのが見える有様だったし、黒抜きの絵を塗りつぶすとコンピュータがどうやって塗りつぶしていくか悩んでいるのが見える有様だった。
で、わたしと比較するのも神と人を比べるようでおこがましい限りだが、ファルコムはでかい画面でがしがしスクロールするイースみたいなゲームを出していて、とても同じハードの上で動いているものとは信じられないくらい違った。
当時のファルコムは他社をも圧倒してすごかったし、同等のレベルのものが他社から出るまでにしばらく時間を要する独走状態だった。
正確には覚えていないのだが、たしか何かのPC用の雑誌でファルコムの人にインタビューした記事でこんなやりとりがあった。
「ファルコムのゲームは動きがすごいのだが、いったいどうやっているのですか?」
「わが社は魔法のOSを使っているんです(笑)」
当時からアセンブラができた知人は、
「88版のイースIIのあのリリアの目を閉じるシーンは、Z80の隠しコマンドのバルク転送を使って別に作っておいたグラフィックを転送してだな・・・」
と嬉しそうに語ってくれたのを良く覚えている。
そして音楽もすごかった。
ほかのゲームではゲームウォッチの効果音に毛が生えたような程度のゲーム音楽ばかりなのに、イースのゲーム音楽は今聞いてもすばらしい。最初のころタイトル画面の音楽を全部聴かずに先にゲームを始めてしまったのを悔やまれるほどだった。ファルコムがあったからこそオタ衆にFM音源のすばらしさが認知されたのではあるまいかと思う。
この時代、今なお輝きを保ち続けるイース, ザナドゥ, ソーサリアンが生まれた。
このへんはわたしが語るよりもファンのみなさんのほうが詳しそうなので、これでおしまいにしたい。詳しいかたよろしくです。
さて、時は動き出す。
現代に移ろう。
いまのファルコムは完全新作のゲームをリリースするのにさほど積極的ではない。
イースやドラスレなど、当時出たゲームのリニューアルを出して日銭を稼いでいる。
これをファルコム商法という。
ファルコム商法とは・・・
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%A1%A5%EB%A5%B3%A5%E0%BE%A6%CB%A1
> 日本ファルコムが一度出したタイトルを頻繁にバージョンアップしてまた発売し直したり
> 大量のおまけソフトやグッズを初版特典として付け価格を上げたりするなど
> 無駄に特典がつく仕様を毎回することから一部のゲームユーザーからは
> ファルコム商法とも呼ばれている
と解説される。
ようするに、わたしたちオッサンどもが
「昔のイースはよかった・・・今度の新作のイース○は○○だからイカン」
とか言いながら完全新作を批判し昔を懐かしがってばかりいるからだ。
そしてイースのリニューアル版が出たら出たで
「またイースのリニューアル版かよ・・・」
と言いながらも、ついつい懐かしいから買ってしまう。
ダンジョンのマップなんか半ば暗記していてもついつい買ってしまうからだ。
さらには初回得点のアホみたいな豪華さに毎回つられて「すげー」といって喜んでいるからだ。
しまいには
「イースのリニューアルが出るからつぎはイースIIかな、いつ出るんだろ?」
と気になってしょうがないからだ。
たいがいのリニューアル版では新解釈が行われた部分は何となく原作イメージを破壊しているようでイヤなものが多いのが現状だが、ファルコムのリニューアルでは実に忠実にオリジナルのイメージを再現しつつ最新のテクノロジーで作った良さも表していて、わたし的には大変好感が持てる。原作に忠実じゃないから気に入らないところはまずない。
考えてみれば、ファルコムほどかつて栄光に満ち溢れていた会社はないわけだし、ファルコムほどリニューアルしただけで毎回売れる過去の遺産を多く持つ会社もない。
ファルコム以外にはやろうとしてもできないことだし、われわれも心の底のどこかでそれを期待している。
そもそも今となってはネトゲでもエロゲでもない普通のパソゲーでまともに商売できるのはファルコム以外にあと何社あるというのだ。
わたしはファルコムがファルコム商法なのを支持する。
そしてファルコム以外がファルコム商法なのは不支持。
90年代中ごろからはかつての栄光は感じられなくなってしまい悲しいかぎりだが、かつてはメチャメチャ凄かった。
わたしは今でもけっこう凄い会社だと思っているが、当時は今の凄さとは格が違う。
時をさかのぼること20数年、1980年代中ごろまで戻る。
ゲーム機でいうとファミコンの歴史を作るドラクエIが発売されたのが86年、パソコンでいうとPC9801の歴史を作るVMが発売されたのが85年、世間でいうと日航機墜落事件が85年、それくらいの時代のお話。
そのころ、ゲームの多くはアセンブラで書かれていた。
この時代はマシンの性能が低かったがために、CPU性能の限界まで使い倒したり全然足りないメモリを使い倒たりするために、自分で自分を書き換えるとか、レジスタの中身を消すのに0を転送するより自分自身とXORしたほうが1clock少ないとか、C言語だと絶対作れないアセンブラだからこそ実現可能なトリッキーな技術を使ってプログラミングしていた。(正確には「らしい」。そこまでの技術力はわたしにはありまへん)
今と比べて生産性が大変悪かった。そしてプログラマやソフトハウスによる優劣が天と地ほど開いていた。
中でもファルコムはすごかった。
その当時、わたしはN88-BASICがちょっとだけできる程度のヘナチョコレベルだった。そんなんでプログラムを書くと、ドットででかい絵を書くと1行づつ書いているのが見える有様だったし、黒抜きの絵を塗りつぶすとコンピュータがどうやって塗りつぶしていくか悩んでいるのが見える有様だった。
で、わたしと比較するのも神と人を比べるようでおこがましい限りだが、ファルコムはでかい画面でがしがしスクロールするイースみたいなゲームを出していて、とても同じハードの上で動いているものとは信じられないくらい違った。
当時のファルコムは他社をも圧倒してすごかったし、同等のレベルのものが他社から出るまでにしばらく時間を要する独走状態だった。
正確には覚えていないのだが、たしか何かのPC用の雑誌でファルコムの人にインタビューした記事でこんなやりとりがあった。
「ファルコムのゲームは動きがすごいのだが、いったいどうやっているのですか?」
「わが社は魔法のOSを使っているんです(笑)」
当時からアセンブラができた知人は、
「88版のイースIIのあのリリアの目を閉じるシーンは、Z80の隠しコマンドのバルク転送を使って別に作っておいたグラフィックを転送してだな・・・」
と嬉しそうに語ってくれたのを良く覚えている。
そして音楽もすごかった。
ほかのゲームではゲームウォッチの効果音に毛が生えたような程度のゲーム音楽ばかりなのに、イースのゲーム音楽は今聞いてもすばらしい。最初のころタイトル画面の音楽を全部聴かずに先にゲームを始めてしまったのを悔やまれるほどだった。ファルコムがあったからこそオタ衆にFM音源のすばらしさが認知されたのではあるまいかと思う。
この時代、今なお輝きを保ち続けるイース, ザナドゥ, ソーサリアンが生まれた。
このへんはわたしが語るよりもファンのみなさんのほうが詳しそうなので、これでおしまいにしたい。詳しいかたよろしくです。
さて、時は動き出す。
現代に移ろう。
いまのファルコムは完全新作のゲームをリリースするのにさほど積極的ではない。
イースやドラスレなど、当時出たゲームのリニューアルを出して日銭を稼いでいる。
これをファルコム商法という。
ファルコム商法とは・・・
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%A1%A5%EB%A5%B3%A5%E0%BE%A6%CB%A1
> 日本ファルコムが一度出したタイトルを頻繁にバージョンアップしてまた発売し直したり
> 大量のおまけソフトやグッズを初版特典として付け価格を上げたりするなど
> 無駄に特典がつく仕様を毎回することから一部のゲームユーザーからは
> ファルコム商法とも呼ばれている
と解説される。
ようするに、わたしたちオッサンどもが
「昔のイースはよかった・・・今度の新作のイース○は○○だからイカン」
とか言いながら完全新作を批判し昔を懐かしがってばかりいるからだ。
そしてイースのリニューアル版が出たら出たで
「またイースのリニューアル版かよ・・・」
と言いながらも、ついつい懐かしいから買ってしまう。
ダンジョンのマップなんか半ば暗記していてもついつい買ってしまうからだ。
さらには初回得点のアホみたいな豪華さに毎回つられて「すげー」といって喜んでいるからだ。
しまいには
「イースのリニューアルが出るからつぎはイースIIかな、いつ出るんだろ?」
と気になってしょうがないからだ。
たいがいのリニューアル版では新解釈が行われた部分は何となく原作イメージを破壊しているようでイヤなものが多いのが現状だが、ファルコムのリニューアルでは実に忠実にオリジナルのイメージを再現しつつ最新のテクノロジーで作った良さも表していて、わたし的には大変好感が持てる。原作に忠実じゃないから気に入らないところはまずない。
考えてみれば、ファルコムほどかつて栄光に満ち溢れていた会社はないわけだし、ファルコムほどリニューアルしただけで毎回売れる過去の遺産を多く持つ会社もない。
ファルコム以外にはやろうとしてもできないことだし、われわれも心の底のどこかでそれを期待している。
そもそも今となってはネトゲでもエロゲでもない普通のパソゲーでまともに商売できるのはファルコム以外にあと何社あるというのだ。
わたしはファルコムがファルコム商法なのを支持する。
そしてファルコム以外がファルコム商法なのは不支持。