DALAI_KUMA

いかに楽しく人生を過ごすか、これが生きるうえで、もっとも大切なことです。ただし、人に迷惑をかけないこと。

重金属

2013-05-01 17:49:08 | ButsuButsu
琵琶湖の湖底泥中のヒ素濃度が増えていることを初めて指摘したのは、当時愛媛大学沿岸環境科学研究センターにいた宝来佐和子さん(元鳥取大学)だ。



湖底の嫌気化と対応して、泥の表面にヒ素やマンガンといった重金属が濃縮されることはよく知られている。

それにしても、1977年から2009年の32年間でほぼ4倍というのは大きな値だった。

この増加分はどこから来たのだろうか。

金沢大学の長谷川さんや愛媛大学の板井さんらの研究によって、少しずつそのメカニズムが解明されつつある。

最近の研究では、ベントによって噴出した深い場所の地下水に含まれるヒ素やマンガンが、湖底に再堆積して増加しているのではないか、という考えが支持されつつある。

つまり、地下からの吹き出しが原因ということになる。

もしこの仮説が正しいとするのならば、今後、さらに高濃度になる可能性がある。

今年度から3年間、板井さんらとの共同研究が進行する。

正しい答えを見つけ今後の変化を評価することは、地殻変動の問題だけではなく環境問題とも深く関係している。

私たちは、極めて大きな課題と直面している。
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イリアさん

2013-05-01 01:26:29 | ButsuButsu


イリアさんはユダヤ人である。

イスラエルのキンネレット湖研究所に勤務している。

2011年にサバティカルで私のところへ夫婦でやってきた。

ちょうど日本陸水学会が松江で開催されたので、一緒に出かけることにした。

高速道路を通っているとき、二人が変なことを言い出した。

「どうして高速道路の表示にヘブライ語がかいてあるのだ?」

「えっ?」

「あの字を読むことが出来る。」

なんとそれはカタカナだった。

知らなかったな。

どうもとても有名な話で、カタカナはヘブライ語とよく似ているらしい。

確かにありえない話ではないのだろう。

日本人には、ユダヤ人の血が流れているという説もある。

さて、共同研究で、彼はびわ湖でわれわれが計測した計量魚探のデータを解析してくれた。



水中の懸濁物が反射する音響強度を取り出すと、確かに2010年のほうが2009年より濁りが高くなっている。

ベントの増加と対応しているようだ。

いろいろなデータが同じ傾向を示すようになってきた。

学術的にはとても面白い話だ。
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