琵琶湖南湖の水草が減っている。
全体的に減っているので、春先の水温が低かったのが原因だろう。
同じことは昨年も起こっていたが、今年は特に顕著だ。
今日、ある大学の同窓会で講演を頼まれて、琵琶湖上に出かけてきた。
南湖は、藻類で緑色になっていた。
もう一つの特徴は、大量のユスリカだ。
水草が減ったら、植物プランクトンとユスリカの大発生がやってきた。
これはほぼわかっていることだが、水草と植物プランクトンは競合している。
水草が多いと植物プランクトンは増えにくい。
逆に植物プランクトンが多いと水草は増えにくい。
主な原因は光の取り合いだと言われている。
同様のことが、水草とユスリカの関係にも言える。
これは土壌が関係していると思われる。
水草が多い場所では水が動きにくくなるので、土壌が酸欠になりやすい。
酸素のない泥の中は、ユスリカにとって快適ではない。
今年は水草が少ないので、泥中の酸素は多いのだろう。
こうしてユスリカは増えていく。
人間は、己の都合で不平や不満を言う。
水草が多いと邪魔だという。
県は一億円もかけて水草を刈っている。
しかし水草が少なくなると、きっとアオコやユスリカが増えるだろう。
大量のアオコは、悪臭もするし毒性もある。
水道処理に大量の活性炭が必要になる。
ユスリカは、窓際に大量に集まるし、気管支アレルギーを引き起こす。
どっちもいただけない。
どうも今年の夏は、アオコとユスリカに悩まされるような気がする。
インフレ刺激と同じで、ちょうど良い状態を制御することは非常に難しい。