DALAI_KUMA

いかに楽しく人生を過ごすか、これが生きるうえで、もっとも大切なことです。ただし、人に迷惑をかけないこと。

湖の鎮魂歌(36)

2013-08-01 21:41:31 | ButsuButsu


調査へ赴く船中の話である。

突然、ハドが笑い出した。

ガンバがジョークを言ったらしい。

「聞いてください」

笑いながらハドが説明するので、何のことだかわからない。

モンゴル人のジョークは、ほとんどが男と女に関わる話である。

それも結構、即物的だ。

夜這いの話を聞いて、みんなげらげら笑っている。

どうも理解できない。

私一人憮然としていると、ガンバが変なことを言い出した。

「モンゴル人は、みんなお母さんのおしっこを飲んでいるんです。」

ガンバも、ハドも、ジャミーも、グンベも、まじめな顔をしてうなずく。

冗談だろう。

「お母さんのおしっこは、どんな病気にもよく効くんです。」

どうも本当のことらしい。

1996年からモンゴルに来て、17年たつが、初めて聞く話だ。

彼らも話にくかったのかもしれない。

「赤ちゃんのおしっこもよく効くのですが」

こちらのほうはなんだかそんな気もする。

「自分のお母さんでないとダメなんです」

なるほど。

お父さんのおしっこではダメらしい。

今でも飲んでいるのか、と聞くと、そうだと全員がまじめな顔でいう。

みんなして私をからかっているのだろうと思って、帰国してからサイトで調べたら、なるほど同じような記事を見つけた。

かくしてモンゴル人は、家族、特に母親への愛情が人一倍強い。

きっと、ジンギスカンもお母さんのおしっこを飲んだのだろう。

「生暖かいのはちょっと飲みにくいけどね」

とガンバが締めくくった。

男の子たちが徴兵に行くとき、母親は、自分の尿が入った団子を作って子供に渡すのだという。

日本で言う、正露丸のようなものだろう。

無病息災。

母親の力は何でも直してしまう。
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7月31日(水)のつぶやき

2013-08-01 05:00:12 | 物語
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