1996年に初めて会ったとき、ジャミーはまだ10台の少年だった。
何事にも積極的だったガンバに比べて、人見知りで、恥ずかしがり屋だった。
その後、日本に呼んで教育を受けさせることになった。
モンゴルでは10年学校しか出ていなかったので、日本の大学受験の資格が無かった。
なんとか高卒の資格を得させようと思って、滋賀県にある高校の定時制に入れた。
こうして高校は卒業できたが、手違いで日本の大学へ入れることは出来なかった。
ハトガル村に帰った彼は、10年学校の先生をしながら、勉強したようだ。
その後、ハトガルに出来た地震研究所の職員として採用された。
人生とは、面白いものだと思った。
ちょうど、私も、琵琶湖と地震の関係を調べ始めていた。
おそらく、フブスグル湖も同じような構造を持っているのだろう。
今度の調査で、共通の仕組みが明らかに出来れば、と思う。
琵琶湖とフブスグル湖の比較研究が、やがて新しい知見をもたらすかもしれない。
この湖、琵琶湖と形が似ていると思わないかい。
ここにも、地球温暖化の影響が少しずつ迫っている。
地形や生態系に大きな変化が出始めている。
地球の研究を専門とする者として、記載と観察をきちんとしたいと思っている。