
同じことを17年間もやっていると、いろいろなことが起こる。
今回のソーラーボート大会に、スウェーデンからの参加者あった。
東大チームと共同で、特別に参加した人々だ。
彼らはスウェーデン王立工科大学の若者たちだ。
マンネリ化してきたクルーレスソーラーボート大会に大きな刺激を与えた。
8月24日の親睦会で、乾杯の歌を歌ってくれた。
いつも思うのだが、北欧の若者は決して物怖じしない。
いつも積極的だ。
そして寒さに強い。
そのタフさを発揮したのが、今日のレースだった。
朝から雨が降り、事務局は大会の中止に傾いていた。
レーダーの雲情報を見ていると、10時頃から好天に向かいそうだった。
無理を承知で、大会の開催をお願いした。
少々の逆境に打ち勝つ根性を、日本のメンバーにも身につけて欲しかった。
風さえ吹かなければ特に危険はない。
10時30分から小雨の中、次々にボートが出発して行った。

私は審判員として東大チームに同行した。
出だしの頃は、3~4ノットくらいの速さで順調に走っていた。
次第に雨足が強くなってきた。
東大の学生諸君は、寒さで震えていた。
先行する立命館大学の学生も、震えていることだろう。
元気だったのはスウェーデンの学生だった。
寒さを気にする様子もない。
2時間の走行制限時間内で、折り返し点まで到達したのは東大の2チームだけだった。
結局、立命館大学チームは3位に終わった。

残念だったが、今回のレースが日本の学生諸君の負けじ魂に火をつけてくれることを心から願っている。
国際社会で勝ち抜くには、用意周到な準備と、負けないという強い意思と、フェアプレイの精神だ。
堂々と挑戦し、勝利を目指すところに、次世代の日本の生き残る道がある気がする。
工科大学の教授は、このレースのビデオをyou-tubeにアップすると言っていた。

来年には、世界中からもっと多くの参加があるかもしれない。
まさに転換期に来た第17回クルーレスソーラーボート大会だった。