タホ湖環境科学センター(アメリカ)
琵琶湖を守っていくための行政の責任は言うまでもないが、不況によって公的な研究体制が世界中で衰退していく中で、私が提案したいのは自立型の研究所の設置である。
複数の州や大学が共同管理しているタホ湖環境研究センターも参考にしたい。
欧米では浄財に対する免税措置が発達し、こうした施設の運営は個人や企業からの寄付金を基本としている。
行政による情報統制や一方的なアナウンスによらない、琵琶湖の自由な研究機関を作ることが私の夢でもある。
自然には数多くの事実がある。環境問題は、そのような事実の寄せ集めから、より良い回答を導き出すことではないかと思う。
そのことが、真実の探求につながり、ひいては地球のサバイバルを実現するのではないかと考える。
タホ湖環境科学センターは、2006年10月14日に設立された。
先住民族であるアメリカインディアンのワショ族との協調を計りながら、タホ湖の環境研究と情報提供や交流を目的として設置されたセンターである。
長い年月にわたってこのセンターの実現を支えてきたのは、アメリカにおける陸水学研究の父とも言われる、チャールズ・R・ゴールドマン博士である。
博士は、多額の私費を寄付するだけでなく、関係者からの浄財を募って回った。
彼一人で1億円を集めたという。今でも数多くの彼の弟子がこのセンターの運営に貢献している。
この施設の維持については、ネバダ州、カリフォルニア州、シエラネバダ大学、カリフォルニア大学デービス校、ネバダ州砂漠研究所、ネバダ大学などが共同で行っている。
こんな施設が、琵琶湖にも欲しいものだ。
ちなみに、ゴールドマン博士は、私の親しい友人でもある。