暑い日が続く。
こんな日は、冷たいビールで喉をうるおしたい。
体重の増加を気にしながらも、この誘惑には勝てない。
一杯、また一杯と、グラスが増えていく。
このまま気温が40度を超えたらどうなるのだろうか。
インドでは最高温度が50度に近づき、800人以上が死亡したという。
体温より高い気温は、御免こうむりたい。
気温に呼応するように、日本の株価もドンドン上昇している。
葉室麟の本「千鳥舞う」の中に次のような文章がある。
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「御救奉行の白水養左衛門(しろうずようざえもん)様が財政をあらためるためというて、あれやこれや方策を施されとりますばってん、そのひとつが、今まで御家の蔵元やった大坂の鴻池善右衛門を他の商人にかえたことだそうで、亀屋さんが持ち帰った千両箱は新しか銀主からの金ですたい」
「白水様は中島町で歌舞伎の興行をさせるなど、いろんな手を打って人気を浮き立たせ、博多に金が集まるようにされとります。合わせて大坂の蔵元ば替えなさって、それまでの借財を踏み倒すおつもりですたい。そうすれば、福岡や博多に金が溜まって、皆が裕福になるという算段じゃなかろうかと思うとです。ばってん、これらはとらぬ狸の皮算用ですたい。私には白水様のお考えはようできた浄瑠璃本のごと思えるとです」
「つまりは夢物語やと言いたかとです。皆が酒食で贅沢して芝居や相撲興行を楽しみよったら、そのまま金が集まり、おまけに借金も平気で踏み倒せるなら、こげなよかことはありまっせん。ばってん、これは絵に描いた餅じゃなかですか。言うたらですな、見るだけで、本当には食べられんで、腹がふくれんというわけですたい」
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さて、気温も、我が国も、どこまで上昇していくのだろうか。