東京都立大学“植物実験圃”近くの道端で見掛けた「バイカイカリソウ(梅花碇草)」。メギ科イカリソウ属の多年草で日本固有種。中国地方、四国、九州に分布しており当地では自生は見られない。おそらく植物実験圃で育てられていてその種子がここで芽生えたのだろう。バイカイカリソウは4~5月に茎先の総状花序を出し直径10~15ミリの白い花を数個咲かせる。萼片は4枚でその下の4枚の花弁が筒状になっている。本種にはイカリソウなどにある距は無い。
ラン科キンラン属の「ユウシュンラン(祐舜蘭)」。ギンランに似ているが茎の下部の葉が退化し花柄の基部に細い苞葉が付いている。開花期はギンランよりも半月ほど早く4月上旬に見られる。ここでは10年前は20株以上見られたが年々株数が減り更に4年前には街路樹の剪定枝が生育地を覆うように放置されてしまった。今年も数株の生存が確認できたが来年以降が心配ではある。
尾根緑道の歩道脇にポツポツと咲いている「フデリンドウ(筆竜胆)」。リンドウ科リンドウ属の越年草もしくは二年草で山野の陽当たりの良い草地に生育する。草丈は5~8センチで花冠は直径2~2.5センチになる。花冠の裂片と裂片の間にはリンドウと同じように副花冠(付属片)がある。
キク科ヤブレガサ属の「ヤブレガサ(破れ傘)」。芽生えた頃、閉じていた葉は次第に拡がっていき立派な破れ傘になる。これでは雨振りに役に立たない。春のこの姿は印象的だがその後は普通で夏に咲く花は地味で目立たない。