奥高尾“逆沢作業道”に生育している「クジャクシダ(孔雀羊歯)」。イノモトソウ科(←ホウライシダ科)ホウライシダ属の夏緑性シダ植物で羽状複葉が扇のように拡がりクジャクの尾羽に見立てて名付けられている。そろそろ新芽が見られる頃だと思ってこの道を登ったがなかなか見つからない。去年見た辺りをウロウロしてやっと見つけたのがこの新芽。直径は1センチほどで草丈はまだ10センチにも満たない。シダの葉が展開する前の渦巻き状の状態を“コル(koru)”と呼ぶが、これはニュージーランドの先住民“マオリ”の言葉で『成長』『力』『平和』『生』などを意味しており、ニュージーランド航空のロゴマークなどに使われている。
小学生のアサガオ観察日記ではなくこちらは「ブナ(ぶな※)」の成長記録。昨秋に採取したブナの種子を植木鉢に蒔いたところ今年2月中旬に発芽した。その後子葉が展開し3月末には本葉が大きく拡がった。写真は本葉が更に大きくなり養分を供給していた子葉が役目を終えて枯れ落ちている。今のところ順調に育っているがそもそもブナは冷温帯や高山に生育する落葉樹であり夏は40℃にもなる当地でこの後どのように成長するのか楽しみ。どうやら実生1年目はこれ以上葉は増えないようだ。とりあえず直射日光が当たらないように半日陰に置いているが若葉にどれほどの日射が必要なのか手探り状態で観察している。
※“ぶな”の漢字は木へんに無。
キンポウゲ科イチリンソウ属の「ニリンソウ(二輪草)」。早春に花茎を伸ばして茎頂に花を咲かせ少し遅れて2輪目の花を咲かせることからその名を付けられている。しかし稀に3輪の花を咲かせることがある。写真は拙庭のものだが3輪の花が咲いているのが見える。この横には4輪咲いたものもあった。
ニリンソウの仲間にはサンリンソウ(三輪草)と呼ばれる花があり話はややこしい。サンリンソウは花を1〜4輪付けるが花の基部の葉に短い柄があるのがニリンソウと異なる。