サムという主人公は、マッキー先生が「詩を書いてみよう」と呼びかけたときに、今はいなくなってしまった親友のデービーのことを書いてみようと思います。
この本はほとんどの部分が、サムがデービーのことについて書いた詩で構成されているユニークな作品です。
デービーとの出会い、デービーが他の子と違うこと、ビリビリというあだ名のこと、アレックスたちによるデービーへのいじめのこと、二人の秘密だったデービーのピーナツアレルギーのこと、サムがデービーの秘密をアレックスたちに話してしまったこと、アレックスのいたずらによりデービーがアレルギーのショックを起こしたこと、その後サムとデービーの関係が変わったこと、雲じゃらしの遊びのこと、デービーとの別れ、そして、サムが詩を書くことを通して自分を見つめ直し生きることの意味を発見することなどが、詩のような散文のような軽快な文章でつづられていきます。
気取らない素直な言葉で書かれているので、詩に「アレルギー」のある人でも、もちろん子どもでもすんなり読め、前向きな気持ちになれる本です。
しいて難点を言えば、デービーを裏切ってしまったサムの葛藤がややわかりにくい点と、子ども(サム)というよりは大人(作者)の視点で書かれている部分が散見されることです。
日本では、絵本や童謡になっている場合は除いて、少年詩は子どもの読者にあまり読まれていないと思いますので、この本のようなアプローチは少年詩入門的な働きをするかもしれません。
この本は、サークル拓という同人誌の読書会用として、2013年に56歳で急逝された浅井利之さんに紹介していただいた本です。
浅井さんのご冥福を心からお祈りいたします。
この本はほとんどの部分が、サムがデービーのことについて書いた詩で構成されているユニークな作品です。
デービーとの出会い、デービーが他の子と違うこと、ビリビリというあだ名のこと、アレックスたちによるデービーへのいじめのこと、二人の秘密だったデービーのピーナツアレルギーのこと、サムがデービーの秘密をアレックスたちに話してしまったこと、アレックスのいたずらによりデービーがアレルギーのショックを起こしたこと、その後サムとデービーの関係が変わったこと、雲じゃらしの遊びのこと、デービーとの別れ、そして、サムが詩を書くことを通して自分を見つめ直し生きることの意味を発見することなどが、詩のような散文のような軽快な文章でつづられていきます。
気取らない素直な言葉で書かれているので、詩に「アレルギー」のある人でも、もちろん子どもでもすんなり読め、前向きな気持ちになれる本です。
しいて難点を言えば、デービーを裏切ってしまったサムの葛藤がややわかりにくい点と、子ども(サム)というよりは大人(作者)の視点で書かれている部分が散見されることです。
日本では、絵本や童謡になっている場合は除いて、少年詩は子どもの読者にあまり読まれていないと思いますので、この本のようなアプローチは少年詩入門的な働きをするかもしれません。
この本は、サークル拓という同人誌の読書会用として、2013年に56歳で急逝された浅井利之さんに紹介していただいた本です。
浅井さんのご冥福を心からお祈りいたします。
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