戦後の食糧難の時期を背景に、天才志向で革命を夢見ている陸軍幼年学校帰りの兄との奇妙な共同生活をおくる男子中学生を描いた作品です。
優れた点はたくさんあるのですが、中でも少年の性衝動をこれほどストレートにしかもテーマと絡めて鮮やかに描いた作品はそれまでなかったし、少なくとも児童文学の世界ではそれからもなかったと思います。
この作品は、柏原がドイツ留学中の1965年ごろに書かれ、1966年に同人誌に発表されて、その年の下半期の芥川賞の候補になりました(芥川賞は67年下半期に、「徳山道介の帰郷」で受賞しています)。
柏原の作品群はもちろん一般文学として書かれているのですが、この作品のように児童文学として取り扱っていい作品もたくさんあります。
しかし、閉鎖的な児童文学界では、ほとんど無視されています。
これからも、児童文学として議論すべき一般文学の作品を掘り起こしていきたいと思っています。
優れた点はたくさんあるのですが、中でも少年の性衝動をこれほどストレートにしかもテーマと絡めて鮮やかに描いた作品はそれまでなかったし、少なくとも児童文学の世界ではそれからもなかったと思います。
この作品は、柏原がドイツ留学中の1965年ごろに書かれ、1966年に同人誌に発表されて、その年の下半期の芥川賞の候補になりました(芥川賞は67年下半期に、「徳山道介の帰郷」で受賞しています)。
柏原の作品群はもちろん一般文学として書かれているのですが、この作品のように児童文学として取り扱っていい作品もたくさんあります。
しかし、閉鎖的な児童文学界では、ほとんど無視されています。
これからも、児童文学として議論すべき一般文学の作品を掘り起こしていきたいと思っています。
兎の結末 (1968年) | |
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