2013年1月12日に、アマゾンの書籍リーダー、キンドルペーパーホワイトを購入しました。
キンドルストアの日本語の電子書籍の品ぞろえは以前として不満な状態(購入時よりはかなり改善されています)なのですが、いろいろな使い方ができました。
私の読書生活のある部分を担えているので、気づいた点をまとめておきます。
内蔵ライトと電子ペーパー(日本人のエレクトロニクスの技術者であった私の目で見ると、画面はかなりムラがあります)により、文字と背景のコントラストが良く、日向でも暗闇でも同じように読書が楽しめます。
寝床で仰向けになって片手で持って読むときは日本人にはやや重いですが、椅子に座って両手で持って読むときには重さ(213グラム)は気になりません。
文字が大きく(文字の大きさは何段階にも変えられます)、画素数が多くて文字が鮮明なので、目が疲れません。
バッテリーは、かなりハードに使っても一週間近くもちますし、USBでPCから四時間ぐらいで充電できるので不便は感じません
充電中も、ケーブルにはつながっていますがキンドルを使うことはできます。
以上の点で、文庫本のハンディさとハードカバーの本の字の大きさを共存できています。
読みやすさと画面に集中できるので、読む速さは紙の本と比べて二倍近く速くなっていると思います。
本の購入はワンクリックで、WiFi経由で瞬時に行えます(3Gで行えるタイプのものもあります)。
キンドルからも直接買えますが、私は買いやすいのでPCでキンドルストアにアクセスして購入しています。
その場合も、本は私のキンドルへ直接送られてきます。
本は、キンドルに1000冊内蔵でき、それ以上はクラウドで無限に所有できます。
本や文書は、「コレクション」という機能でグループ化できますが、「コレクション」の階層化ができないので、本などの数が増えると整理は難しくなると思います。
これ一台で、すべての本や文書を管理できるような設計にはなっていません。
やはり、寝室や外出時の読書用と位置付けるべきでしょうか。
キンドル本は、サンプルがダウンロードできるので、試し読みができます。
ただし、サンプルの量はまちまちで、かなり読めるものもありますが、目次だけしかないものもあります。
以上のように携帯読書機としての使い勝手は申し分はないのですが、問題は日本語の品揃えがまだ十分でない事と値段の高さ(紙の本の価格(文庫が出ている場合はその価格)から若干安くなっている程度の事が多いです。中には値引き率の高いお買い得品もありますが)です。
品揃えの印象では、話題の新刊ぐらいのカバー率はかなり改善されてきました。
翻訳本はベストセラーに限定されています。
古い本で文庫本が出ていないものも、かなり限定されています。
文庫本は、話題になっている物を中心にかなり増えてきています。
青空文庫(著作権の切れた古典的な本をボランティアが電子化した本)は、無料で読めます(古い言葉は内蔵の大辞泉という辞書で調べられるので便利です)。
自己出版本(著者が直接キンドル版にしたもの)は値段が安いですが、タイトルが魅力的なだけで詐欺まがいの本が混じっているので注意が必要です。
それに比べて、洋書は海外のキンドル本が読めますので、英語の本はかなり充実していますし、値段も日本語の本よりかなり安いです(おそらくペーパーバックの値段を基準にしてでディスカウントしているのでしょう)。
ただし、英語以外の言語の本は、日本語の本の品揃えとほぼ同様です。
以上の状況を、児童文学者の立場でまとめてみます。
まず、英米児童文学の研究者や学生には、キンドルは必携のツールでしょう。
原書が安く瞬時に購入できますし、プログレッシブ英和中辞典を内蔵していて、わからない単語はそれにタッチするだけで和訳が出るので、辞書を引く必要がありません。
プログレッシブ英和中辞典にない単語も、The New Oxford Amerikcan Dictionaryも内蔵されているので、やさしい英語で表示してくれます。
私の感覚では、原書を読むスピードは少なくとも二倍以上は速くなった気がしています。
品ぞろえも日本語に比べれば段違いで、ためしにカニグズバーグとピアスを検索してみたら、主な本は三、四百円ぐらいでだいたい買えます。
もちろん、著作権の切れた本は無料で読めます。
ケネス・グレアムの「楽しい川辺(The Wind in the Willows)」をダウンロードして、久しぶりに読んでみました。
しかし、今のところ、現代日本児童文学の研究には全く使えません。
日本語の児童文学の本は、ほとんどありません(キンドルストアにはジャンルさえありません)。
せいぜい、青空文庫の賢治や南吉の本が若干読めるだけです。
これに関しては、今後の品ぞろえに期待するしかありません。
しかし、PDFでデーターベース化されている論文やマジックスキャン(その記事を参照してください)でJPEGでスキャンした論文などは、キンドルへ転送できるので、コピーを持ち歩かなくても携帯でき、手軽に読むことができます。
最後にやや特殊ですが、2013年の12月に復帰した児童文学同人誌の会員としての目で眺めてみると、同人から送られてくるワードで書かれた作品もキンドルに転送して読むことができるので、いちいち印刷しなくても作品を携帯できてすごく便利です。
また、外出することが少ないのでいまだにガラケーを使っているので、時刻表や初めての外出先の情報をパソコンからキンドルへ送って持ち歩いています。
現時点での私のキンドルの使い方を整理してみると、以下のようになります。
1.ワードやPDFやJPEGのファイルを、パソコンから転送して携帯する。
2.新刊本のサンプルを試し読みして、値段に見合えば購入する。
3.文庫本のサンプルを試し読みして、良ければ購入する。
4.青空文庫の本をダウンロードして、漱石、太宰、賢治などの古典を読み直す。
5.英語の本を購入して、錆びついた英語力をブラッシュアップする。
6.同人の作品を転送して、合評会に携帯する。
7.外出時に必要な情報を、事前にパソコンから転送して携帯する。
その後、外出時はタブレット端末(上記の機能はほとんどカバーできます)を使うようになったので、キンドルペーパーホワイトは室内での電子書籍の読書専用(タブレット端末より軽くて画面も読みやすいです)になりました。