現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

倉本 采「六月のお話 雨あがりの朝」パックル森のゆかいな仲間所収

2017-04-18 09:45:33 | 作品論
 今度のお話には食べ物が出てきます。
 それも、子どもたちの大好きな大きなチーズハンバーガーです。
 児童文学での食べ物のシーンはとても大切で、私自身も、子どものころに読んだケネス・グレアムの「楽しい川辺」でカワネズミとモグラがボート遊びに出かけるシーンのお弁当の中身や、バンデレーエフの「金どけい」に出てくる肉汁たっぷりのの肉まんやカターエフの「連隊の子」に出てくるたっぷり砂糖を入れたアツアツの紅茶とシチューなどは、今でもはっきりと覚えています。
 お約束の冒険は、いかだによる川下りでハラハラできます。
 また、年寄りの妖精のホッホーじいさんや野ネズミの家族も登場して、作品世界に時間的や空間的な広がりを与えています。
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原 結子「トカゲじゃない、カナヘビだ。」あける28号所収

2017-04-18 08:55:19 | 同人誌
 作者が、同人誌の合評会に断続的に発表している長編の冒頭です。
 身体の弱い主人公の女の子としゃべることができるカナヘビを中心に、日常とファンタジーの世界が交錯する作品です。
 文章や描写が優れていて、上質な作品世界を生み出しています。
 しゃべれるカナヘビが、「不思議の国のアリス」の白ウサギのように、主人公と読者を不思議な世界にいざなってほしいと願っています。

日本児童文学 2017年 02 月号 [雑誌]
クリエーター情報なし
小峰書店
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