女系家族の家長(こんな言葉自体が古臭いですが)を任じる還暦直前の男の話です。
本人の過去の浮気とその直後の妻の死、それに伴って生じた長女との不仲を中心にして、いかに主人公がまわりの女性たちをさばいているかを克明に描写しています。
本人の再婚話、母の認知症発症、姉夫婦の熟年の危機、妹夫婦の離婚騒ぎとそれに関連した姪の不行状、長女の事故と恋人との不仲、次女の転職、三女夫婦のセックスレス問題など、これでもかこれでもかと小さな物語をたくさん詰め込んでいます。
しかし、それらは現代社会のシリアスな問題とはまったく無縁で、昭和四十年代のテレビのホームドラマを見ているような既視感を覚えます。
特に、すべてが収まる所へ収まるような大団円のハッピーエンドには、さすがに苦笑を禁じ得ません。
エンターテインメントなので余り目くじらを立てたくはないのですが、編集者であった主人公が担当している作家と浮気したり、働いているシーンはほとんど接待関連だったり、ほとんどの登場人物がやたらと煙草を吸ったりといった場面ばかりが繰り返されると、どうしても古臭さを感じざるを得ません。
おそらく対象読者は中高年の男性なのでしょうが、そういった人たちは、一流出版社の役員で、都内の旧木場の一戸建ての家に住み、姉妹と共有とはいえ賃貸マンションも一棟持っていて、年下の美しい恋人がいる主人公に、どこまで共感が持てるのでしょうか?
本人の過去の浮気とその直後の妻の死、それに伴って生じた長女との不仲を中心にして、いかに主人公がまわりの女性たちをさばいているかを克明に描写しています。
本人の再婚話、母の認知症発症、姉夫婦の熟年の危機、妹夫婦の離婚騒ぎとそれに関連した姪の不行状、長女の事故と恋人との不仲、次女の転職、三女夫婦のセックスレス問題など、これでもかこれでもかと小さな物語をたくさん詰め込んでいます。
しかし、それらは現代社会のシリアスな問題とはまったく無縁で、昭和四十年代のテレビのホームドラマを見ているような既視感を覚えます。
特に、すべてが収まる所へ収まるような大団円のハッピーエンドには、さすがに苦笑を禁じ得ません。
エンターテインメントなので余り目くじらを立てたくはないのですが、編集者であった主人公が担当している作家と浮気したり、働いているシーンはほとんど接待関連だったり、ほとんどの登場人物がやたらと煙草を吸ったりといった場面ばかりが繰り返されると、どうしても古臭さを感じざるを得ません。
おそらく対象読者は中高年の男性なのでしょうが、そういった人たちは、一流出版社の役員で、都内の旧木場の一戸建ての家に住み、姉妹と共有とはいえ賃貸マンションも一棟持っていて、年下の美しい恋人がいる主人公に、どこまで共感が持てるのでしょうか?
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