現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

グランド・キャニオンの対決

2019-03-17 18:04:20 | 映画
 1959年のアメリカのB級映画です。
 ストーリー自体は、元弁護士の保安官補が連続殺人事件を解決するまでを、金鉱の社長の娘とのロマンスも含めて、たった81分で描いた他愛のない物です。
 しかし、60年たった今見てみると、幾つかの事に気づかされて興味深いです。
 この映画が公開されたころの日本人にとって、海外旅行は夢の夢(なにしろ1963年に始まったテレビの人気番組「アップダウンクイズ」は、「10問正解者には、「夢のハワイ旅行」にご招待!」というキャッチフレーズで有名だった程です(その二十年後に初めてハワイに行ったときは、なかなか感慨深いものがありました))だったので、壮大なグランドキャニオンの風景(今でも人気があります)、自家用飛行機での空撮、馬鹿でかいアメ車でのカーチェイス、ヘリコプターでの追跡、金髪美人(死語ですね)とのロマンスだけでも、一見の価値があったのでしょう。
 また、CGも特撮もないころの、未舗装道路でのカーチェイスや、グランドキャニオンを横切るゴンドラ上での格闘(これが題名通りのクライマックスです)などは、なかなかハラハラさせられます。
 もちろん、これらを演じているのはスタントの人たちで、スターたちはそれに似せて作った安全なセットの中で演じていて、それを編集でつないでいるだけなのですが。

週刊奇跡の絶景 Miracle Planet 2017年24号 グランド・キャニオン アメリカ【雑誌】
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早見和真「成城ウィキペディエンヌ」東京ドーン所収

2019-03-17 08:49:30 | 参考文献
 主人公は27才で企業の受付嬢をやっています。
 非正規従業員ですが、時給はなんと二千百円で二十五万円も月収があります。
 十年前に企業戦士だった父親を亡くし、専業主婦で更年期障害の母親と二人暮らしです。
 一生安楽に暮らせて母親の面倒も見てくれるような玉の輿に乗ることを、主人公は夢見ています。
 主人公には、外見はパッとしませんが一応小田原の地主の息子だという恋人がいますが、彼はなかなか結婚してくれません。
 そのため、主人公は合コンにも参加して、他の玉の輿も探しています。
 また、主人公は仕事が暇なので、仕事中はパソコンでウィキペディアを検索しているという設定になっていますが、そのことはまったく作品には生かされていません。
 実際にこんな女性がまったくいないとは言いませんが、この作品で作者は何を書きたいのでしょうか。
 そこには、作者の作家性はまるで感じられません。
 作者にとっては、これも単なるネタなのでしょう。
 作者は、こういう安易な作品を、生活のために書き飛ばしているとしか思えません。

東京ドーン
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