この作品集の表題作です。
賢治の数多くの短編の中でも、もっとも有名なものの一つでしょう(「銀河鉄道の夜」のような長編は除いてですが)。
料理店で注文をつけるのが、客ではなくお店側だという逆転の発想は、その後多くの模倣者や追随者を生みました。
ここでも、賢治は子ども読者の大好きな繰り返しの手法を使って、物語を盛り上げています。
この短編は、なんでもお金で解決を図り、田舎の暮らしにもずかずかと踏み入ってくる都会の人たちへの田舎の子どもたちの反発を描いていることで有名(賢治自身もこの作品集の宣伝チラシで明言しています)ですが、ラストではどんでんがえしを用意して、彼らにも救いの手を差し伸べています。
注文の多い料理店 (新潮文庫) | |
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