現在、読まれているエンターテインメントをピックアップするために、八王子市と相模原市の図書館における子どもの本の貸し出し実績と予約実績を調査しました。
その結果、絵本を除くと、以下の三つのシリーズが圧倒的に読まれていることがわかりました。しかも、それらはそろってミリオン・セラーなので、売れている本と考えてもよいでしょう。実際、大きな書店では、児童書のコーナーには、大きなスペースを取ってこれらの本が置かれています。
原ゆたか「かいけつゾロリ」シリーズ 3500万部以上
トロル「おしりたんてい」シリーズ 900万部以上(もともとは、スマホのアプリで、その後、絵本、児童書、アニメ、アニメコミックなどにメディア・ミックスされました)
廣嶋玲子「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」(挿絵はjyajya) 350万部以上
ただし、「かいけつゾロリ」と「おしりたんてい」は、文章中心のよみものというよりは絵物語といった雰囲気で、作品の中に迷路やパズルなどの遊びも取り入れたりしているので、拓のメンバーにとってはあまり参考にならないと思われます。
そこで、今回は、廣嶋玲子「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」シリーズを掘り下げていきたいと思います。こういった作品ならば、努力すれば(一番エネルギーがいるのは、作品から文学性をそぎ落とすことでしょう)、ほとんどのメンバーが同等の物を書けます。