1980年8月号から12月号まで「マンガ少年」に連載された作品です。
立体テレビで、応募者にクローン動物をハンティングさせる番組を制作しているプロデューサーが、視聴率低迷のためにもっと番組を過激化して視聴率をアップさせるために、クローン人間を作ってそれをハンティングさせようとします。
皮肉にも、火の鳥の化身と思われる女性に自分のクローンをたくさん生み出され、さらに自分自身もその中に紛れてしまい、ハンターたちに追われるようになります。
彼のこの窮地を救うのは例によって一人の美しい女性(出会った時は幼女でしたが、美しい女性に成長して、彼を父親のように慕っています)で、改心した彼は自分自身に爆弾を仕掛けてクローン工場を破壊します。
クローン人間や人工臓器移植などを通して、ここでも「人間とは何か」という根源的なテーマを追求しています。
1980年に書かれた作品らしく、視聴率最優先のテレビ番組の低俗化、立体テレビ、クローン技術、人工臓器など、実社会の動きがよく反映されていますが、その分作者の独創性が失われている感じがします。
火の鳥 9・異形編、生命編 | |
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朝日新聞出版 |